意地悪な先輩
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俺は、昔から知ってたんだ、コレ。
ってつい口癖が出ちまったが、
さゆりがとても可愛らしくて
素敵な女の子…だということ。
そして、最近柔らかさと女性らしさが加わったような、
そんな些細な変化も見逃さない。
それぐらい俺は目で追っかけてきた。
冷静で近づけないときだって。
-----------------意地悪な先輩 4
木の葉丸side
俺は、アカデミー卒業後さゆりと出会った。
少し年上の同じ下忍だが一応先輩で
よくそんなさゆりは俺の遊び相手になってくれていた。
よく覚えてる。
だけど、ここ数年下忍から中忍になるため
任務に忙しくしていたらしく
めっきり会うこともなくなっていた。
いつも遊んだり、修行を行っていた場所に行ってみても
任務で里を数日は出てる、などと風の噂で聞き
常に里を後にしているようだった。
しかしそんな俺も成長して、今回同じ任務を2人で行うことになった。
そこまで難しい任務ではないが、国の大事な物品を守りつつ
砂の国に無事送り届けることだ。
3日〜4日は一緒にいることになる。
中身は俺たちも知らされていない。
さゆり「それでここのルートは…」
と今日はさゆりも休みみたいで
俺は事前にルートの確認がしたいと飯に誘った。
まぁ、正直俺もさゆりと久々に会いたかったし。
「あぁ、ここはこっちのルートの方が開けていて
さゆりの耳も敵がきた時に感知しやすいんじゃないか?」
さゆり「そうね…うん、そうしよっか」
と笑う。久々に里に帰ってきたかと思ったが
しばらくさゆりが任務漬けで疎遠になる前には、
こんなに柔らかく笑うのを見ることは無かった。
小さい頃はよく笑う子だったけど、
コレはないだろ!可愛すぎる!
どうして…何かあったのだろうか。
と男の影があってもおかしくはない、とはもちろん思う。
しばらく自分に厳しくしすぎていたのが、
さゆりはほとんど笑うことはなくなっていった。
でも、可愛くて最近は大人の女性というか
綺麗だし……
とっとにかくそこらへんの男がほっとかない感じだろ。
これは。
さゆり「…木の葉丸!
大丈夫?ご飯やっときたよ!食べよ〜!」
と覗き込んでくる。
その瞬間に俺は、おっおうと返事をしたが
咄嗟にうどんの湯気を顔に当て
絶対赤くなっているであろう顔をバレないように
隠したつもりだ。
び、びっくりした…コレ。
今日はこの定食屋は混んでいて、
俺は久々に好きな人を前にして緊張MAXだってのに
カウンターしか空いてなくってよ…。
距離が物理的に近いぞ…
なんて今日の俺はかなり自分の世界に入り込みすぎだ。
やばい、やばい。戻ってこい俺の精神!
横を見るとさゆりはうどんに口をつけようとしていた。
「……おっと、あっぶない」
髪の毛がうどんのつゆに入りそうになるところを
なんとか救出できた。
「なんか髪留めとかないの?」
さゆり「あっ、ごめんねーありがと。
今日、無いや。髪最近伸びてきたしゴム買うかなぁ」
と髪の毛を見ながら言ってきた。
あっじゃあ
「飯食い終わったら、一緒に買いに行く?
今日休みでしょ?」
そうするとニコッと笑って、
いく!!いいの?と言って笑いながらつゆを啜った。
今日俺は心臓がいくらあっても足りない様な気がした。
その時後ろを誰かが通った。
トイレか?なんて思っていると
その人物に少し怒りにも似た感情を感じた。
横目に見ると、さっき券売機前であった
シカマルさん、か…。
その怒りにも似た感情にさゆりも気付いたのか
少しその方向をチラッと見た。
「……そういや、昨日って里から出て
任務だったんだろ?
どーだったんだ」
さゆり「…うーん、国のご子息の護衛をして
少し敵に負かされたって感じかな」
と少し悲しそうな顔をしたので
「大丈夫か…その身体とか怪我とか」
さゆり「うん!シカマル先輩と一緒だったんだけど
たくさん励ましてもらったから」
と笑ったけどどこか寂しそうにさゆりは言った。
その態度が俺はどこか気に入らないと言うか
今までに見たことのない、そんな顔をするのは
シカマルさんのことをただの先輩とは思ってない
そんな予感をさせる表情だった。
いやっ俺は考えすぎだ!
やーめだ。せっかくなら楽しまないとな!
「そろそろ買いに行こうか」
うんと言ってうどんの丼をカウンターの淵に乗せ
2人ともご馳走様〜と店主に言って、店を出た。
ーー…
店を出て、雑貨屋やアクセサリーの売ってる
小物店などを色々回ったが
俺は黒くて伸びかけの綺麗な髪に
普段使いもできる丈夫そうなゴム。
そこにピンクの石でできた
雪の結晶の飾りがついてるものを勧めた。
さゆり「えっかわいい!!
木の葉丸もこんなセンスがいいものを選ぶように…」
とニヤニヤしやがって。
そんな意地悪そうな顔も抱き締めたいと思うくらいに
俺は重症だった。
「つけてみたら?」
といいうと、髪をアップにしてつけようとするが
なかなか綺麗に飾りが上を向かない(笑)
え〜うまくできないって言うと
さゆり「このはまるっ!!
手伝ってよ〜〜!もうっみてないで」
と腕を引っ張られた。
おいおい、手伝うって何を…
さゆり「飾りが上にくるように結べる?
せっかく木の葉丸が選んでくれたのに
コレじゃ全然飾りが見えないよ…慣れないから難しい…」
と店の鏡を見ながら顔を左右に振りながら
結び目を確認していた。
「もう一回結び直していい?」
さゆり「うん、よろしくー!
結構こういうの得意そう!」
うーんどうだか。
とりあえず、やるけど
俺はさっきから結構しっかり心を掴まれてるよ…
というか、心臓を握り締められてるって言った方が
正確に俺の心情を表しているような気がする…。
髪を一旦解く。
髪サラサラだな…。
そこからするシャンプーの匂いか
いい匂いが俺の感覚を麻痺させる。
綺麗なうなじが目の前にある。
俺は堪えきれなくて無意識に首筋を撫でるように触った。
さゆり「……っ!ちょっとくすぐったいよー!!」
「ご、ごめん」
思いっきりこっちを向いた時
絶対赤くなった顔見られた。
ほら前向けと頭を回し、ぐいぐいと髪を纏め、
なんとか飾りが上に来るように結べた。
「できた」
さゆり「おっほんとだーありがと!
コレにする!
あっでも普段結べないか…も」
そんな感情豊かなさゆりを見て
久しぶりに会えた喜びと
昔のさゆりを思い出したような感覚がして
思わずふっと笑った。
「俺が結べばいいんじゃない?」
なんて笑って言ったけど
さゆり「あっそうだねー!!
じゃあ毎日木の葉丸には家に来てもらわないと」
なんていうから、俺はまた顔が熱を持って
ふいっとそっぽを向いた。
「いや、いいけど…」
とボソッと呟くと
さゆり「えっごめんごめん
冗談だよ」
とさゆりは少し慌てたように言った。
でも、せっかくなら伝えないと。
俺ももう子供じゃない。
慌てるさゆりを他所に
背が高くなった俺は、さゆりの頭をなで笑顔で
「似合ってるよ」
さゆり「…あ、ありがと////
もう、木の葉丸も言うようになっちゃって
あんなにナルト先輩とくだらない対決
でいい勝負してるくらいだった…」
そんなこというから俺はどうしても意識させたくて
腕を引っ張り抱き寄せて
「もう俺も子供じゃ無いよ」
と聞こえるように言った。
さゆり「えっ、う、うん。…えっとからかいすぎた。
ごめん…」
と照れた彼女を腕の中から離すと
「今彼氏いる?」
さゆり「か、彼氏??
私、恋愛経験すらないよ、言ってなかったっけ…!」
と突然の質問に大慌て。
こんなに可愛いのに、
里の男は見る目がねぇなと思いつつ
任務ではかなり厳しさが出てたようだから。
でも、その答えに俺は心底安堵していた。
誰かに取られる前に
これからガンガン攻めるぞ!
俺が男なんだってことを
意識してもらうところからだな…
絶対俺の彼女になってほしい…
そう意気込んでいる俺と
嬉しそうにしているさゆりを見ている
シカマルさんがいるなんて全く気が付かなかった。
ーー