ギャップ
夢小説の世界へ
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ゃばいやばいやばいやばいーーーー!!!!!!
よりにもよって、高校生以来の
借り物競走の悪夢再び……。
だけど、人一倍負けず嫌いの私は
どうにもこうにも直感で走り出していた。
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ドドドド
おっ?大丈夫か…
っと、俺は他の部署の出場者にも
ついてこいとせがまれていた。
正直めんどくせー。。。
田中「俺じゃなくてこいつは?」
と小田の背中押して
勧めた。
小田「俺じゃ、違うんじゃないんですかー??ね、借り物と」
なんて言ってミョウジさんの方から
視線を逸らさない。
待ってんのか?
他部署の女性社員「田中さん〜
早く一緒に来てくださいよ〜」
そんな押し問答中…
さっき走ってきてた彼女が目の前に
颯爽と走ってきて
俺の腕を掴んで
ミョウジ「ごめんなさい!!
思いつくのこの人しかいないので、
横取りさせてもらいます!」
と、ニカッと笑い
俺は引っ張られるがまま
彼女とゴールまで走った。
小田「ちぇ……
もしかしたらワンチャン俺もあるかと思ったのにな」
そして、小田はさっきの女性社員の
借り物になってたw
結局、ミョウジさんが一番でゴールした。小田は多分その後。
小田は審判が知り合いらしく、
何か話しかけてた。
ところでここ数十秒の出来事が
一瞬すぎて、今頃になって
頭の回転スピードがこの状況に
追いついてきた。
あっ「ミョウジさん、そういえば、
俺しか思いつかないって言ってたの
借り物競走のお題なんだったの?」
彼女の身体がピタッと固まり、
目が合っているわけではないが
何となく眼が泳いでるように見える。
そんな気まずい質問したか?
田中「いやー…答えたくないなら…」
その時、1枚の紙が足元に
ヒラヒラと滑り込んできた。
ん…審判の方からだな。
これお題の紙か。戻しに行くか。
小田&知り合い社員「すみません〜」
小田「なんかなかなかあいつ口硬くて… ミョウジさんの借り物競走のお・だ・い知りたくて〜」
その瞬間俺は、身体が固まった。
若干呆気に取られていた。が、
その紙に書いてあったのは
「好きな人」
だったのだから。
俺は小田の顔を見るなり、
お題の紙と交互に顔を見合わせて
何度も見返していた。
そんな小田が見かねたのか、
小田「教えてくださいよ〜」
田中「…………/////」
これ、ほんとか?
だったら小田には、教えてやんねー・・・
っていうか恥ずいわ。絶対いじられる。
小田は俺があれこれと考えている間に、
小田が手を出してきて、奪おうとする。
やめろって
そんなこんなでガチャガチャやってると
俺の手から紙が離れ、またどこかへいってしまう。
その行方を小田と俺で視線を追っていると、
そのまさかその紙は本人のもとへ・・
彼女はその紙を不思議そうに取り、
その内容を見ては、審判に返していた。
審判と仲良さそうに話してんなー
なんて思うと、ずっと見ていたのか
彼女と目が合った。
そしたらミョウジさんは目を見開いて、
こっちに歩いてくる。
俺は、ドギマギして、明らかに視線を逸らしたが
真っ直ぐにこっちに向かってくる。
彼女はほんのり顔が赤いような感じで
ミョウジ「…田中さん、紙見ましたか?」
田中「……い、いやぁミテナイよ?」
ほぼ、声うらがった、俺。
やらかした…。気まずすぎる。
ミョウジ「…田中さん、嘘下手すぎです。
まぁ、こんなの体育祭のノリ的な感じですし、
私は、そんなに真剣にやってませんし
今見たこととか諸々、忘れてください!」
田中「……珍しく饒舌w
うーん、ごめん。嘘ついた。
しっかり紙の内容は見たよ。
ま、ミョウジさんがそういうなら
忘れてもいいけどー・・
俺は嬉しいから忘れたくないかな」
伏し目がちな彼女の目が、ふと上がり
俺と目が合った。
そして視線を逸らすが、
また目が合う。
彼女は少しの動揺と照れがあるように見えた。
きっと、勢いでやっちまったことに対して
今になって照れがあるんだろう。
そんなことを考えてると、
もう次の競技の集合が始まり、
一旦自分の部署の応援席に戻ろうとしたその時
ミョウジさんが俺の耳の近くで
「じゃぁ私これから頑張っちゃいますね」
とボソッとつぶやいて先に席に戻っていった。
は…ん?
頑張る?何をだ…
突然耳打ちされたことに対しても驚きだが、
それ以上の彼女の言った言葉の意味がすんなり
理解できなかった。
…俺も席に戻るか。
席に戻るなり、まぁ次の競技なんかを眺めてると
隣にミョウジさんが座ってきた。
俺は柄にもなく、どきーーーとしたが、
普通、のように振る舞った。つもりだ。
田中「ん、さっきはお疲れ様。」
ミョウジ「あ、ありがとうございます。」
と彼女は笑顔になる。
なんだかやけに笑顔が眩しいな。
どきどきしちまう。
さっきのこともあって、余計に意識してしまう。
な、なんか話さないと・・。
そうソワソワして、思わず絞り出した内容が
「あ、あのさ…」
俺の声が小さかったからか、
ミョウジさんは少し近くに覗き込んできて
ん?と首をかしげていた。
なんか、心なしか距離感が近い気がする。
もうもはや内心、支離滅裂になりかけている…。
「さっきの頑張るって、何を頑張るの?」
ミョウジ「…?!」
驚き、少し怪訝そうな顔で
「気づいてなかったんですか?
なんだ、てっきり宣戦布告したつもりになってましたよ」
宣戦布告?
「田中さんの彼女に立候補するってことです」
とまた小声で言われた。
その瞬間、俺は目の前の景色が背景と化し
音も次第にボリュームダウンした。
顔が熱くなる。
俺は思考が追いつかず、
そのまま観戦を続けていた。