ギャップ
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-------社内体育祭から数日後
小田side
なーんか…おかしい。
俺、こういうの分かってないノー天気野郎なフリして案外見てんのよね。
人の動向。
この間の体育祭あたりから、
田中係長と、城崎さんが
明らかにギクシャクしているように感じる。
……正確に言えば、2人とも割とどもってる感じ?
なんかそれはそれで、2人とも挙動不審すぎて他部署からなんか言われそーだし、おもろいから良いっちゃ良いけど…
いいけど…なんか、おもんな。
はぁ…俺ん中で矛盾してる感情に今は向き合いきれねぇわ。
「……さーん?」
こんなこと考えてるかと思いきや
ご本人の登場だ。
城崎「小田さん、なんか考え事ですか?大丈夫です?」
「ん…いや、大丈夫。」
城崎「なんかテンション低いと調子狂いますね!!」
いや、あんたらのせいだよ。
なんて言えない。
まぁ、確かに俺も本調子じゃないのは
わかってるってーの。
城崎「………本当に調子良くないのであれば、この質問、たったなかかかか……田中さんに聞きます」
「………おっ、そうしてほしい〜
……てかカミカミ
いま、係長諦めたっしょ?w」
と言うと、みるみる城崎さんの顔が赤くなっていった。
………?!
俺なんか変なこと言っちゃった?!
やべーーーー、
まじで色々調子狂うわ…。
「早く、行ってきな」
と、俺は少し冷たいかなと思うぐらいで突き放した。
城崎「………はい」
そう言って、田中さんのいるデスクに向かった。
まぁ多分、田中さんの所行きたく無かったんだろうなぁ…。
だって珍しく俺に仕事の相談とか、
普段しねーのに。
ますます気になる。
色々とこの状態、矛盾してるぞ。
…………いけねぇ、仕事しねーと。
その前に一服いきますかね。
----タバコ休憩後
俺のデスクの上に心当たりのない付箋がある貼ってあった。
「ん?」
半分におられたそれを見ると、
“城崎です。
こんな形ですみません。
小田さんに相談したいことがあります”
と書いてあった。
思わず後ろに誰もいないかチラッと見たが大丈夫そうだ…。
ますますらしくない。
……さっきあんな風に突き放しちゃったから、まぁ、聞いてやらんこともない!
と強がってみたものの、
内容はすでに明らかだろう、と思った。
その後、昼休憩時に誘ったが
社内ではちょっと…と言われて
仕事終わりにご飯という程で
相談に乗ることにした。
ほんっと前の俺だったら、うひょーーー!とかよっしゃーーー!とか
道路でもやってたぜ。おぉ、もちシラフでも。
まぁ、でも、2人に入る隙がねぇってのもどこかで見せつけられちまった感あるからな…。
なんか失恋間近だからかな、
やけに冷静だな、俺ってやつは。
あんまり考えすぎんな!
と様々な自己暗示をかけ
仕事帰りに待ち合わせの店へ向かった。
ここか…。
やってきたのは普通の大衆居酒屋だが…、俺の中の城崎さんって
イタリアーンとか、フレンチとか?
あんな綺麗な人がこの店にいるんか?
と思ってガラガラと戸を開けると
城崎「……!!おださーん!」
すぐ近くの席にいたわ。
しかも、なんか俺が来る前から
出来上がってね?
だいぶ、ふにゃふにゃしてるように感じる。顔とかねー、もちみたい。
「なに、俺が来る前からできあがってんの?ww」
城崎「…いやーそれが、考えれば考えるほど大変なことをしてしまったと………思って……ほぼヤケです」
なんとか理性保ってる感じだな。こりゃ
まぁ、さっさと話きいて
返してあげるのが吉だな。
なんだって、この子ぜってぇ田中さんのこと好きだから。
「……んじゃ早速本題なんだけど…」
城崎「………んぐっ」
すぐ食べてるもん詰まらせたような
音がした。
口押さえてる。
もー…、思春期じゃねーんだから。
とずっとむせてるもんだから
向かい合ってる席から半立ちになって
腕を伸ばし、背中をさすってやった。
彼女はうんうん、と言いながら
落ち着こうと必死。
しばらくすると、落ち着いたのか
目に涙を浮かべて
「ありがとうございます」と言った。
でも、それは俺に対して
ひでぇよ。少なからず今日はお酒でなんかガード緩くて、
挙句そんな赤らんだ顔で見るな!
自分の中の欲望と必死に戦いながら
「………じゃあ、落ち着いただろうし
本題に…」
城崎「……ほんっと、今日小田さんなんでそんな感じなんですか?
もー…調子狂うないつも通りにしてくださいよ〜ふふ」
……あんだよ?
だからお前らのせい…
もういいか。割り切ろう。
じゃあ、お望み通りで。
「……ねぇねぇ」と頬杖つく城崎さんの手首を掴み少し引き寄せ
「早く悩み相談しないと、
俺、食っちゃうかもよ?」
……決まった…w
ま、これで、彼女も話しやすくなっただろーー……と顔に目をやると
城崎「……////////」
……?何その満更でもない感じ。
勘違いしそうになるんですけど。
普段なら「……もーーー!小田さんなにからかってんですか〜」とか来るところでしょ!
俺が不意打ち。
城崎「………す、すみません。
えと、本題なんですが…田中さんのことで」
ほれきた、大当たり。
俺はうんうんと頷く。
なんか勢いで田中さんの彼女に立候補して良いですか?とか言ったらしい。
立候補??
「いや…それさ〜控えめに言っても
ほぼ、告白じゃない?」
城崎「だから、まずいんじゃないんですか〜どうしよ〜」
なんて言って、
泣きそうな顔でこっちをみるから
「頑張れば?」
と、俺はあえてというか
……正直、自分の気持ち的にも優しく諭したりするのがきつかったから
そう言う風にしか言えなかった。
しばらく無言になった。
やばいな、なんか俺急にコミュニケーション下手になったか?
ほんとらしくねぇ…。
城崎「………」
下を向いたまま、
いきなり立ち上がって
城崎「…………もう十分です」
と、財布から1万円を机にバンッと押しつけて、外に出てった。
?!
ちょっ、流石に酔いすぎじゃねーか?
俺も慌てて支払って
流石に1万を払わせるわけないかないし
とにかくなんか誤解?とかねーと。
あと、普段ならお持ち帰りとか
すぐ手出したりしないのは…
城崎さんを想ってのこと、なんだけどそんなこと伝わりゃしねーな。
なんだ、恋愛って
こんなに難しかったっけ。
そんなことを考えながら、
急いで走って店を出た。