(甘)君の未来に幸あれ
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残業が終わり一度自室で仮眠を取るかと通路を歩いていると、向こうからリイナがバタバタと小走りで駆けてくるのが見えた。
確か少し前に先に退勤して職員寮に帰ったはずなのだが、また戻ってきたのかということと、その忙しなさが気になったので声をかけた。
「リイナ、そんなに急いで何かあったのか?」
「あ、燭先生っ!」
私の前で立ち止まった姿をよく見てみれば
先ほどまではきちんとしていた髪が適当にくくられている。
部屋でくつろぐつもりで髪止めを外して下ろしたところだったのだろう。
焦って羽織ったらしい白衣は乱れている。
いつもは身だしなみが綺麗な彼女が珍しい、よほどのことがあったのだろうか。
「あ、あの⋯っう、生まれそうなんです!!」
「⋯は?」
「いま研究室から連絡が、とにかくもう頭が出ていて⋯あー!時間がもったいない!後で説明しますから!!」
失礼します!と言いながらまた小走りになったリイナの背中を見て、いま彼女が担当している絶滅危惧種のコメットキャットの存在を思い出した。
半年前に別々の地域でようやく発見された雌雄を保護し対面させたところ、なかなかに相性が良さそうで雌が雄を拒絶せず仲良くしているので、うまくいけばつがいになるかもしれないと期待されていた。
それが正式に繁殖行動が確認され雌の妊娠が決定的になってから、慎重に成長を見守ってきたのだった。
無事に生まれれば国家初の人工繁殖成功となり絶滅危惧から脱せる足がかりとなるかもしれない。
私も慌ててリイナを追いかけた。
「そういう事は逐一私にも報告しろと普段から言っているだろう!君はいつもせっかちが過ぎる!」
「すみません〜!!!」
追いついたところで並んで小走りになりながら説教すると、リイナは泣きそうな顔でゼェハァと息を乱しながらペコペコと頭を下げた。
研案塔の生命室所属として来てから数年、独り立ちして任された大きな仕事で肩に力が入るのも、歴史的瞬間に立ち会えるかもしれない興奮で我を忘れるのも理解はできるが、報連相はきちんとしてもらいたいものだ。
だがこれで資料でしか知らないコメットキャットの子育ても間近で自分の目で観察できるかもしれないと思うと、私も内心で気持ちが昂っていく。
新たな発見で得られる高揚感は研究者として何にも代え難い。
同時に、これがリイナにとっても良い成功体験となり、研究者としての成長に繋がれば良いとも思う。
⋯⋯⋯⋯⋯⋯だが。
「リイナ、シャツのボタンを掛け違えている。胸元が心許ないので早急に隠すことを勧める。」
「え?⋯あぁっ!?」
着替えるつもりで一度脱いだものを、連絡を受けて慌てて着直したのだろう。
小走り移動なために襟がふかふかと動いて胸元が危うく、正直目のやり場に困る。
いくら焦っていたとはいえインナーくらいは着て来い。
しかもそれで寮からここまで気づかずに来たのかと思うと⋯⋯一体すれ違った何人にその格好を見られたんだと自分の恋人のあまりにもな落ち着かなさに溜息も出る。
さすがのリイナも恥ずかしかったのか、焦って手のひらで胸元を隠した。
「すみませんっ!今直します〜!!」
「今ここでボタンを外すんじゃない!少しは落ち着け!!」
「あああ〜!重ね重ね〜っ!!」
わたわたと2,3ボタンを外しだしてさらに胸元が露出したのを慌てて止める。
自分がインナーを着ていない事にも気づいていなかったらしい。
チラリと見えた谷間と可愛らしい下着に少しばかりドキッとしたがあくまで少しばかりだ。
思わず周囲を見回したが今の痴態を見た者はいなかったらしくホッと息を吐いた。
「君はいつもいつもひとつ何か起こると周りが見えなくなりすぎるんだ!きちんと慎重に考えて行動しろとあれほど⋯!!」
「すみませんすみません申し訳ありませんおっしゃる通りです〜!!」
そんなやりとりをしながら並んで早足で通路を駆ける私たちを、すれ違う職員たちは避けながら遠巻きに見ていた。
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確か少し前に先に退勤して職員寮に帰ったはずなのだが、また戻ってきたのかということと、その忙しなさが気になったので声をかけた。
「リイナ、そんなに急いで何かあったのか?」
「あ、燭先生っ!」
私の前で立ち止まった姿をよく見てみれば
先ほどまではきちんとしていた髪が適当にくくられている。
部屋でくつろぐつもりで髪止めを外して下ろしたところだったのだろう。
焦って羽織ったらしい白衣は乱れている。
いつもは身だしなみが綺麗な彼女が珍しい、よほどのことがあったのだろうか。
「あ、あの⋯っう、生まれそうなんです!!」
「⋯は?」
「いま研究室から連絡が、とにかくもう頭が出ていて⋯あー!時間がもったいない!後で説明しますから!!」
失礼します!と言いながらまた小走りになったリイナの背中を見て、いま彼女が担当している絶滅危惧種のコメットキャットの存在を思い出した。
半年前に別々の地域でようやく発見された雌雄を保護し対面させたところ、なかなかに相性が良さそうで雌が雄を拒絶せず仲良くしているので、うまくいけばつがいになるかもしれないと期待されていた。
それが正式に繁殖行動が確認され雌の妊娠が決定的になってから、慎重に成長を見守ってきたのだった。
無事に生まれれば国家初の人工繁殖成功となり絶滅危惧から脱せる足がかりとなるかもしれない。
私も慌ててリイナを追いかけた。
「そういう事は逐一私にも報告しろと普段から言っているだろう!君はいつもせっかちが過ぎる!」
「すみません〜!!!」
追いついたところで並んで小走りになりながら説教すると、リイナは泣きそうな顔でゼェハァと息を乱しながらペコペコと頭を下げた。
研案塔の生命室所属として来てから数年、独り立ちして任された大きな仕事で肩に力が入るのも、歴史的瞬間に立ち会えるかもしれない興奮で我を忘れるのも理解はできるが、報連相はきちんとしてもらいたいものだ。
だがこれで資料でしか知らないコメットキャットの子育ても間近で自分の目で観察できるかもしれないと思うと、私も内心で気持ちが昂っていく。
新たな発見で得られる高揚感は研究者として何にも代え難い。
同時に、これがリイナにとっても良い成功体験となり、研究者としての成長に繋がれば良いとも思う。
⋯⋯⋯⋯⋯⋯だが。
「リイナ、シャツのボタンを掛け違えている。胸元が心許ないので早急に隠すことを勧める。」
「え?⋯あぁっ!?」
着替えるつもりで一度脱いだものを、連絡を受けて慌てて着直したのだろう。
小走り移動なために襟がふかふかと動いて胸元が危うく、正直目のやり場に困る。
いくら焦っていたとはいえインナーくらいは着て来い。
しかもそれで寮からここまで気づかずに来たのかと思うと⋯⋯一体すれ違った何人にその格好を見られたんだと自分の恋人のあまりにもな落ち着かなさに溜息も出る。
さすがのリイナも恥ずかしかったのか、焦って手のひらで胸元を隠した。
「すみませんっ!今直します〜!!」
「今ここでボタンを外すんじゃない!少しは落ち着け!!」
「あああ〜!重ね重ね〜っ!!」
わたわたと2,3ボタンを外しだしてさらに胸元が露出したのを慌てて止める。
自分がインナーを着ていない事にも気づいていなかったらしい。
チラリと見えた谷間と可愛らしい下着に少しばかりドキッとしたがあくまで少しばかりだ。
思わず周囲を見回したが今の痴態を見た者はいなかったらしくホッと息を吐いた。
「君はいつもいつもひとつ何か起こると周りが見えなくなりすぎるんだ!きちんと慎重に考えて行動しろとあれほど⋯!!」
「すみませんすみません申し訳ありませんおっしゃる通りです〜!!」
そんなやりとりをしながら並んで早足で通路を駆ける私たちを、すれ違う職員たちは避けながら遠巻きに見ていた。
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