(甘)夢でも、うつつでも
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「私は大丈夫だ、君の隣で充分にくつろがせてもらったからな。」
「……でも……。」
全く、他は察しが良いのにこういうことには疎いのはどうなんだ?
君が隣にいるからくつろげる。そう取りはしないのか。
目覚めてしまった以上、この部屋に一人で置いていくことも後ろ髪が引かれてしまう。
仕方がないのでベッドに腰掛け、不満げな恋人を引き寄せてキスをした。
「良ければ今夜、また会おう。」
「いいんですか?お疲れじゃ……?」
「リイナの隣でくつろぐから、良い。」
ここで甘い言葉のひとつでも言えたなら、まだ違っていたのかもしれないがな……これも性分だ。
「リイナは会いたくないのか?」
「いいえ!……会いたい、です……。」
「なら決まりだ。」
乱れた髪をさらさらと撫でて直してやり、くすぐったそうに笑ったリイナにもう一度キスをした。
「では、そろそろ休むと良い。私ももう行く。」
「……わかりました。」
もはや引き留めるのは無理だと諦めたか、リイナは私に促されしぶしぶと布団に潜った。
「そんな顔をするな。昼も共に働けるだろう。」
「それとこれとは別です~。」
「わかったわかった。今夜はゆっくりしよう。」
「約束ですよ?」
「ああ、約束だ。」
……なにも起こらなければ……の話にはなってしまうのだが。
そうなることを切に願う。
よほど疲れていたのか、優しく頭を撫でてやるとリイナはそのまま、また静かに寝息を立て始めた。
「……すまないな。」
自分の性分は変えずに、君ばかり私に合わせさせてばかりで。
そして……これからもそれを望むのは、やはり悪いことだろうか。
棚の引き出しから小さな箱を取り出し、しばらく眺め見た。
本当は今日渡すつもりだったのだが……タイミングを逃してしまった。
これをリイナに渡したら、君はどんな反応をするだろう?
出来れば、その左手の薬指に飾ることを許可して欲しい。
今すぐにでも飾ってしまいたい。
そうしたなら、目覚めてこれを見た君はどんな顔をするか……想像したら面白かった。
だが、それはやめておこう。
きちんとした言葉と共に贈り、君の答えを聞きたい。
君は、はい、と言ってくれるだろうか。
「……さて、では行くか。」
引き出しに箱を戻して、私は可愛い寝顔の恋人に後ろ髪を引かれながら……そっと部屋を出た。
今夜を楽しみにしながら。
おわり
2022.10.14
「……でも……。」
全く、他は察しが良いのにこういうことには疎いのはどうなんだ?
君が隣にいるからくつろげる。そう取りはしないのか。
目覚めてしまった以上、この部屋に一人で置いていくことも後ろ髪が引かれてしまう。
仕方がないのでベッドに腰掛け、不満げな恋人を引き寄せてキスをした。
「良ければ今夜、また会おう。」
「いいんですか?お疲れじゃ……?」
「リイナの隣でくつろぐから、良い。」
ここで甘い言葉のひとつでも言えたなら、まだ違っていたのかもしれないがな……これも性分だ。
「リイナは会いたくないのか?」
「いいえ!……会いたい、です……。」
「なら決まりだ。」
乱れた髪をさらさらと撫でて直してやり、くすぐったそうに笑ったリイナにもう一度キスをした。
「では、そろそろ休むと良い。私ももう行く。」
「……わかりました。」
もはや引き留めるのは無理だと諦めたか、リイナは私に促されしぶしぶと布団に潜った。
「そんな顔をするな。昼も共に働けるだろう。」
「それとこれとは別です~。」
「わかったわかった。今夜はゆっくりしよう。」
「約束ですよ?」
「ああ、約束だ。」
……なにも起こらなければ……の話にはなってしまうのだが。
そうなることを切に願う。
よほど疲れていたのか、優しく頭を撫でてやるとリイナはそのまま、また静かに寝息を立て始めた。
「……すまないな。」
自分の性分は変えずに、君ばかり私に合わせさせてばかりで。
そして……これからもそれを望むのは、やはり悪いことだろうか。
棚の引き出しから小さな箱を取り出し、しばらく眺め見た。
本当は今日渡すつもりだったのだが……タイミングを逃してしまった。
これをリイナに渡したら、君はどんな反応をするだろう?
出来れば、その左手の薬指に飾ることを許可して欲しい。
今すぐにでも飾ってしまいたい。
そうしたなら、目覚めてこれを見た君はどんな顔をするか……想像したら面白かった。
だが、それはやめておこう。
きちんとした言葉と共に贈り、君の答えを聞きたい。
君は、はい、と言ってくれるだろうか。
「……さて、では行くか。」
引き出しに箱を戻して、私は可愛い寝顔の恋人に後ろ髪を引かれながら……そっと部屋を出た。
今夜を楽しみにしながら。
おわり
2022.10.14