(切甘)騎士は囚われ姫に愛を乞う
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リイナの唇の感触だ……昔たった一度触れただけなのに、記憶に鮮明に焼き付いて離れなかった。
もう一度触れたいとずっと願ってきた。
勝手に触れたがリイナの抵抗は感じなかったから、盗み見るようにそっとまぶたを開いて見れば、目の前にじっと受け入れている閉じたまぶたがあった。
そのまぶたもゆっくり開いて、俺たちは唇を合わせたまま至近距離で見つめ合った。
1秒も目を離すのが惜しいくらいにお互いの姿を焼き付ける。
俺を見つめるリイナの瞳が溶けているように見えて、いまリイナはちゃんと俺を、俺だけを見ていることに気持ちが昂る。
一瞬離してまた間髪入れず塞ぎ、さっきより深く口づけると、もっとリイナが欲しくてたまらないとその唇を食んで啄んだ。
「……んっ」
リイナの甘い吐息が溢れる。
その切ない声に触発され後頭部に手を回して強く引き寄せ、唇を擦り合わせたり食む動作を繰り返す。
何年分もの想いをぶつける俺のしつこいキスにリイナは俺の背中に回している両手の指先で服を掴みながら、また目を閉じて唇を食み返してきた。
たどたどしい動きはリイナがあまりこういうキスに慣れていないことを物語っている。
そういう余裕もなかったんだろうが、今までずっとリイナにキスを教える誰かがいなかったことが素直に嬉しかった。
ずっと俺を想い続けて、他の誰かに心を移すことがなかったのだと自惚れる。
俺だってずっとリイナだけだった。
これから先もずっと、こうして想いを共有して触れ合わせたいと望むのはリイナだけ。
ずっとリイナだけがいい。他は一切いらない。
だからもう二度と引き離されることがないように切に祈る。
騎士は愛しいお姫様から離れることはなく、常に傍にいてその身も心も命も守るものだ。
その瞳に映り続けることだけを願いながら、永遠の愛と忠誠を誓う。
俺の心を捕らえたお姫様を、俺に囚えていたい。
時間の感覚も忘れて甘い唇を堪能していると、もう永遠に続く長い時を触れ合わせているような錯覚に陥った。
それでも足りない。もっとリイナが欲しいと心が疼く。
恋人同士になってまだ2回目のキスで、離れていた時間を埋めるように欲張りに貪る。
唇の触れ合いだけでなく、後頭部の手はそのままでもう片方の手でリイナの横髪を梳き、頬に触れて指先で首筋をなぞり落ち、肩に添えて撫でる。
ピタリと身体を合わせて、目の前の恋人が二度と消えてしまわないよう、そして確かにここにいるという証を感じたくて、ひたすらにリイナの存在を手の平と全身で確かめた。
それからゆっくりと、名残惜しみながら唇を離して少し見つめ合ったあと、再び両腕でリイナを閉じ込めた。
俺の胸に大人しく顔をうずめているその髪にも唇を押し当てる。
愛しくてたまらず頭を撫でたり背中を撫でたりと、とにかくひたすらにリイナの感触を自分の手と身体に覚え込ませる。
どんなにずっと一緒にいたいと思っても、今が夢の中じゃないなら現実は残酷にも時間は進み、ずっと傍にはいられない。
リイナが生きているこの世界が夢じゃなければいいと願うが、現実であれば現実の世界…リイナと離れて生活をする日々は目の前に変わらずにある。
もちろん、生きていてくれたらそれで良い。
これまでの数年を思えば物理的に少し離れるくらいなんだとは思うが。
人間ってものは、特に俺はどこまでも欲張りでワガママな性質をしているなと自分で自分に苦笑いをする。
「……帰りたくないな。」
ずっとここにいたい。
リイナとこうしていたい。
どこまでも強欲な本音をついこぼすも、リイナは何も言わなかった。
リイナの性格なら、何を言っているんですか?仕事があるでしょう、と言われそうなものだが、言われなかったということはリイナも同じ気持ちだと自惚れていいんだろうか。
案の定、なかなか素直に想いを言葉にしないこのお嬢さんは、口に出さない代わりに俺を抱きしめ返している腕に力を込めた。
この小さな身体と細い腕でとても重たいものを抱えたリイナを……輪への入團と零組への異動で政府から二度も存在を消されたリイナを、いっそどこかに連れ去って隠してしまいたくなる。
お互いの存在しか感じられない世界で2人だけで生きられたら。
けど、それもまた俺たちの望む現実とは違う。だから。
「なあ、あの日の約束の続きを、今叶えたいって言ったらダメか?」
「続き、ですか?」
貳組の艇のハッチで初めて気持ちを通わせたあの日。
この一斉捜査が終わったら一晩一緒にいようと約束した。
次にいつ会えるかわからないから、リイナの気持ちを一晩中でも聞き出したかった。
リイナを抱きしめながら、お互いに眠くて限界になるまで語り合いたかった。
俺もどれだけリイナが好きかを、リイナがうんざりするまで聞かせたかった。
叶えることができなかったその時間をいま過ごしたいと言ったら…お前は困るだろうか。
「……一晩、お前と一緒に過ごしたい。もちろんお前が望まないことは一切しないから。」
「………っ」
約束がどのことか思い至ったのか、腕の中でリイナの肩がピクリと動く。
本当は今すぐにでもお前のすべてを奪いたい………というのが本音だが。
何もかもをいっぺんに手に入れようと欲張ったら、それこそ永遠に叶わなくなる気がする。
どこかの海の国のお姫様の物語みたいに、リイナが泡になって消えてしまいそうで。
だから今はずっとこうして抱き合うだけでいい。俺たちはこれから始まるんだから。
それだけでもダメだろうかと内心ドキドキしていると、リイナは俺の胸に頬を擦り寄せた。
「本当にがっつく人ですね。艇長に就任して早速のサボタージュですか。」
「別にサボるつもりじゃないけどな。こういう強欲な男は嫌いか?」
「……いいえ。」
それからリイナはゆっくり腕の力を緩めて少しだけ俺から離れた。
身体には腕を回したままで俺を見上げてくる。
その顔は綺麗に笑っていた。
「望むもののために努力する男性は嫌いではないですよ。」
「じゃ、望み続けるし頑張り続けるから、ずっと俺を好きでいてくれよ。」
「ふふ…っ…では、頑張ってください。」
本当に、連れ去って閉じ込めたくなるくらいに可愛い笑顔だ。
だが、城の奥深くでただ大事にされるだけの深層の姫君になることは、お前は望まない。
リイナが自分の望む道を歩んで、こうしてずっと笑っていられるよう、毎日を幸せに思い生きられるように、俺はできるだけのことをしよう。
「…なあ、リイナ。」
「はい?」
俺はリイナに顔を近づけると、その額に額を合わせた。
リイナの長いまつげが当たりそうだ。
これなら間違いなく、リイナの視界には俺以外は入る余地はないだろう。
もちろん俺の視界にはリイナしか入らない。
丸い瞳がじっと俺を見つめてくる。
「……今夜はお前が俺への気持ちを白状するまで、嫌と言うほど尋問するからな。」
「私、なかなかしぶといですよ?」
挑戦的な目をされたが、今夜ここに留まることは拒否されなかった。
だから、尋問は受け入れるってことで良いんだよな?
「はいはい、宝物は簡単には手に入らないから宝物なんだよな。」
リイナに軽く流されるのも慣れたもんだ。
俺がどれだけリイナが好きで心底惚れているかもたっぷり聞かせてやる。
夜が明けるまで語り合ってもいいし、話し疲れて眠くなったら抱きしめて一緒に眠ろう。
好きな女の子と、ましてや恋人と同じベッドなんて俺の理性がかなり試されるが、リイナが嫌がることなら絶対にやらない。
リイナが俺に全部を委ねてもいいと思ってくれたら、その時ゆっくりと大事に大切にお前に触れよう。
いつかの未来でここから連れ去る夢を見ながら、目の前の宝物をたくさん愛する。
お前がギブアップして俺を好きだとはっきり言うまで、俺がいくらでもお前への愛を叫ぶから。
お前はそれを聞いて嬉しそうに笑ってくれたら、それでいい。
「…リイナ。」
早速、第一回目を叶えるために、俺はリイナの耳元に唇を寄せた。
「ーーーあ⋯⋯⋯⋯てる、ぜ?」
「……っ」
俺が囁いた五文字の言葉にほんのりと頬を赤くしながら口角を上げたリイナは、やはり世界一綺麗で可愛かった。
世界一愛しい、俺だけのお姫様。
それに素直にときめいた俺は…
囚われたのはリイナじゃなく俺のほうだったことを、充分に思い知らされたんだ。
「⋯ね、朔くん。少し私のお話をしてもいいですか?」
「なんだ?いくらでも聞くぜ。」
改まった態度のリイナにそう答えてやると、リイナは穏やかな笑みを浮かべて語り出した。
「⋯⋯体内にインキュナが侵入したあの夜。私は重傷を負い瀕死の中、自分の身体が激しく作り替えられていく感覚を味わい、このままヴァルガになってしまうくらいならいっそと覚悟を決めて、自分で自分の命を終わらせようとしたんです。」
「っ!それは⋯」
「途中で意識を失ってしまったので、実行はできなかったんですけどね。できなくてよかったと今なら思います。」
深刻な話かと思いきや、リイナは明るい表情と声を出した。
⋯⋯そうだな。
俺が助けに行くことは叶わなかったが、そんなことにならなくて本当に良かった。
結果的にヴァルガにもならず、今ここに生きていてくれることが、本当に奇跡だったんだな。
「次に目が覚めた研案塔でまだ自分に命がある事を知り、與儀くんのように細胞が奇跡的に融合して共存している事を燭先生から聞かされました。そこで、時辰統括官がわざわざいらしてくださり、零組への異動の話を持ちかけてくださったのです。秘匿の身にはなってしまうけれど、せっかく助かった命で人間らしく日々を大切に生きて、得た力を役立てて欲しいと。」
「へぇ、時辰がそんなことをねぇ。」
記憶処理を施し投獄されるより、薬で制御しながら輪に戻ったほうが人道的ではある。
代償は大きいが、リイナならその道を選ぶだろう。
俺だってそうなったら、仲間たちと別れても零組を選ぶと思う。
昔、もっと厳しかった頃だったら、少しでも細胞の混入があった人間は問答無用で処分されていた。⋯そういう時代もあったからな。
今の時辰のやり方はお優しいと、よく嫌味を言われているが。
零組が作られなければ、間違いなくリイナも処刑されていただろう。
「⋯朔くん。私はね、零組闘員になったら仲間内では死んだ扱いになると聞いた時、一番にあなたのことを考えたんですよ。」
「え?」
「一人で力尽きた際、このまま命を落としたら、二度とあなたには会えない⋯せめてもう一度だけでいいから、あなたに好きだと言われてキスをしてほしかったと思った事を⋯それで躊躇い自決のタイミングを見失った事を思い出して。⋯もし私が零組に入り、私が死んだと聞いたあなたは、どんな思いをするのだろうかと。それだけが気がかりで⋯⋯。」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
明るかった表情が少しだけ切なげになり、俺の背中に回っている腕の力が強くなった。
リイナの気持ちを代弁するように、服を掴んでいる手がきつくなる。
反射的に俺もリイナを抱く腕の力が強くなった。
そこで俺の心配をしてくれたリイナの気持ちが、痛ましくて嬉しかった。
⋯そして、リイナは自分の命を自分で消すかどうかの際で俺を想ってくれた。
結果、消すタイミングを失い気絶したことがリイナの命を繋ぐ奇跡に向かったのか。
⋯あなたは私のあなたへの想いで間接的に私を守ってくれた。私の騎士という役目と約束を果たしてくれました、と⋯リイナは小さく呟いた。
「可能性は低いですけど⋯生きてさえいれば⋯毎日頑張っていたら、どこかで遠くからこっそりあなたの姿を見かける機会はあるかもしれない。あなたの活躍の話も聞けるかもと。せめてそれを楽しみにしようって。でも朔くんの方はそれが叶わないから⋯、私のことを忘れて生きていってほしかったんです。あなたにはずっと明るく笑っていて欲しかったから。⋯でもね、本当は忘れられるの、ちょっとだけ寂しいなって思っていたりもして。悲しんではほしくないのに。私、ワガママでしょう?」
「そんなワガママは当たり前だし、まだまだ可愛いもんだよ。もっとワガママになっていいくらいだ。⋯俺が、リイナを忘れて生きていけるわけがないだろう。毎日忘れられなくて、毎日想っていたよ。本当はどこかで生きているんじゃないか、一目でいいから会いたい、声が聴きたいってな。」
「⋯⋯はい。私も毎日、禁を犯してもあなたに連絡がしたくて⋯リシアナさんからあなたの話を聞くたび、私は生きています、ここにいますと、教えたくてたまらなかった。あの日一瞬だけあなたの恋人になれた、あの瞬間が忘れられなかったんです⋯⋯。」
「リイナ⋯⋯⋯⋯。」
そう言って抱きついて俺の胸に顔を埋めたリイナを、俺も強く抱き締めた。
あの一瞬の時間に、リイナもずっと囚われてきたんだな。
「これが私の闇の部分です。すごくワガママで、自分が一番可愛くて。あなたが苦しむとわかっていなから、それでも私を忘れずに想い続けてほしくて、それがとても嬉しいんです。」
「大丈夫だ、喜んで受け入れて全肯定してやる。俺もお前に想い続けていてほしい。これからはずっと恋人同士だからな。もう思い出の中だけで生きるのは終わりだ。思い出は一緒に時々振り返って楽しもうぜ。」
「⋯⋯⋯⋯はい。」
これだけ気持ちを伝えてくれているリイナが、可愛くて愛しくてたまらない。
俺たちはここからまた始まる。
新たな関係で一緒に隣を歩いて生きていける。
一度喪って後悔した分、これからは俺も惜しみなく気持ちを伝えていこう。
「⋯⋯朔くん。もうギブアップします。私は⋯⋯あなたが好きです。好きなんです⋯ずっとあなたに、私に恋をしてほしかった⋯⋯どうして意地を張らずに、もっと早くに自分から言わなかったのかと、どれだけ悔やんだか分かりません。」
「⋯っ⋯ああ、ありがとうな⋯⋯。俺は、もうずっと昔からお前だけに恋をしているよ。俺も、もっと早く言えばよかったって何度も後悔したよ。お前が好きだっていっぱい言えば良かった。」
ずっとお前に恋をして欲しかったのは俺も同じ。
お前が恋をする男はどんな男だろうと考えて、知りたくて、勝手にその男に嫉妬して、⋯俺がその男になりたかった。
世界中の男たちに嫉妬をぶつけられても、リイナの恋人という立場になりたかった。
なのに臆病で、素直に想いを口にできなかったのも、同じだ。
少し離れてリイナの右手を取ると、騎士よろしくその指先に唇を押し当てた。
お姫様への忠誠はこれで。
恋人への愛の誓いに、今度は額に口づけてから赤く染まった頬にもひとつ。
キスの嵐に戸惑い照れている可愛い唇も、たっぷりと想いを込めて自分の唇で塞いだ。
これから傷つくことがあっても、どんなに苦しくても、俺はリイナを愛することを決して止めない。
痛みごと抱きしめて愛していく。
生きるためにこの体に抱えた大きな代償は、俺も一緒に抱えていく。
二度とお前を一人になんかしない。
騎士はいつだって姫君の傍から離れないものだ。
「そのうち、もう一人のリイナにも挨拶をさせてくれないか?この前はちょっと良くない出会い方だったからな。」
「うーん⋯構いませんが⋯なんとか仲良くしてくださいね。なかなか元気な子なので。」
「ははっ、それは楽しみだな。」
「でも、咄嗟とはいえ朔くんを脅してしまったことは反省していたみたいです。私の記憶から、朔くんが私の大切な人だと気づき手にかけることもできなかったようですね。」
「そりゃ、なかなか良い子そうで仲良くやっていけそうだな。」
あの時、あの子が俺に一瞬だけ見せた迷いの表情。
あれはリイナの記憶から俺のことに気づいたんだろう。
もしかしたらリイナの気持ちを考えて、禁を犯してリイナの存在を俺に知らせようか迷ったのかもしれない。
だが勝手にそれをやってしまえば、自分だけでなく俺も宿主のリイナも危うくなる。
だから脅して、殺さず逃げるしかなかった。
きっと俺なら察して他にバラさないだろうと信じてくれたのかもしれない。
⋯⋯なんだ、めちゃくちゃ良い子じゃないか。
「とても良い子ですよ。⋯会ってしまったのが、あなたの就任が決まっていたタイミングで本当に良かったです。おかげでお咎めなしで済みました。」
「⋯それはお互いにマジで良かったな。対面したのは腕輪信号でバレていただろうに、だからなにもなかったわけか。」
「はい、あの時は本当に焦りましたね。」
時間が許す限り、抱き合いながら、笑い合いながら色々な話をする。
離れていた数年を一気に埋めるように、俺たちは心を寄せて恋人の時間を過ごした。
リイナの私室に移動してからは、一晩また2人での時間を過ごしたが、片時も離れずに一緒にいた。
もう二度と、一生忘れることがないように、全身でリイナの温もりと感触を自分の体に記憶させる。
自分の艇に戻ってからも密に連絡を取り、こちらへはあまり来られないリイナの分も、咎められないギリギリで零組に会いに行く。
時には艇長同士で仕事の意見が食い違い、言い合いもする。
リイナはやはり隠密の艇の艇長としてとても優秀だった。
後にリイナと再会できた平門も、表情はあまり変わらないが喜んでいるのがよくわかったし、リシアナにはずっと黙っていた事を真摯に謝罪されて笑って流したら、安心した顔をしていた。
俺たちの交際のことはかなり心配で複雑らしいけどな。
実はリシアナだけは、学園時代からリイナが俺に片思いをしていたことを本人から相談され知っていたらしく、なかなか本気でいかないお互いにずっとやきもきしていたとか。
やっぱ恋バナしていたんじゃねえか。
「朔くん。これからももっといっぱい、私を好きだと言ってください。抱き締めて、キスもいっぱいしてほしいです。」
「俺の可愛いお姫様の、望みのままに。⋯ていうか、俺がしたいからする。」
「キャッ!?もう、朔くん!!?どこを触っ⋯!!」
「お前も、もっと俺のことが好きだって言えよな?」
「⋯二度と!一生言いません!!」
「なんでだよ!?」
これが俺たちの紡ぐ物語だ。
愛しい恋人を、俺は一生離すことはないだろう。
おわり
2026.06.23
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
第零艇設定はとても気に入っており、ヒロインがどのようにして零組所属になったのか?の過去編はずっと書きたかったひとつでした。
別世界線で平門の裏夢にも零組ヒロインの恋人がいるので、そちらもいずれ書きたいと思っております。
零組の設定上、どうしても切甘にするしかなく⋯⋯途中つらい展開になりまして、私も書いていてつらかったです。
そこから裏夢の恋人同士になった二人に繋がっていきますので、ご興味があればぜひそちらもよろしくお願いします!
雨衣
もう一度触れたいとずっと願ってきた。
勝手に触れたがリイナの抵抗は感じなかったから、盗み見るようにそっとまぶたを開いて見れば、目の前にじっと受け入れている閉じたまぶたがあった。
そのまぶたもゆっくり開いて、俺たちは唇を合わせたまま至近距離で見つめ合った。
1秒も目を離すのが惜しいくらいにお互いの姿を焼き付ける。
俺を見つめるリイナの瞳が溶けているように見えて、いまリイナはちゃんと俺を、俺だけを見ていることに気持ちが昂る。
一瞬離してまた間髪入れず塞ぎ、さっきより深く口づけると、もっとリイナが欲しくてたまらないとその唇を食んで啄んだ。
「……んっ」
リイナの甘い吐息が溢れる。
その切ない声に触発され後頭部に手を回して強く引き寄せ、唇を擦り合わせたり食む動作を繰り返す。
何年分もの想いをぶつける俺のしつこいキスにリイナは俺の背中に回している両手の指先で服を掴みながら、また目を閉じて唇を食み返してきた。
たどたどしい動きはリイナがあまりこういうキスに慣れていないことを物語っている。
そういう余裕もなかったんだろうが、今までずっとリイナにキスを教える誰かがいなかったことが素直に嬉しかった。
ずっと俺を想い続けて、他の誰かに心を移すことがなかったのだと自惚れる。
俺だってずっとリイナだけだった。
これから先もずっと、こうして想いを共有して触れ合わせたいと望むのはリイナだけ。
ずっとリイナだけがいい。他は一切いらない。
だからもう二度と引き離されることがないように切に祈る。
騎士は愛しいお姫様から離れることはなく、常に傍にいてその身も心も命も守るものだ。
その瞳に映り続けることだけを願いながら、永遠の愛と忠誠を誓う。
俺の心を捕らえたお姫様を、俺に囚えていたい。
時間の感覚も忘れて甘い唇を堪能していると、もう永遠に続く長い時を触れ合わせているような錯覚に陥った。
それでも足りない。もっとリイナが欲しいと心が疼く。
恋人同士になってまだ2回目のキスで、離れていた時間を埋めるように欲張りに貪る。
唇の触れ合いだけでなく、後頭部の手はそのままでもう片方の手でリイナの横髪を梳き、頬に触れて指先で首筋をなぞり落ち、肩に添えて撫でる。
ピタリと身体を合わせて、目の前の恋人が二度と消えてしまわないよう、そして確かにここにいるという証を感じたくて、ひたすらにリイナの存在を手の平と全身で確かめた。
それからゆっくりと、名残惜しみながら唇を離して少し見つめ合ったあと、再び両腕でリイナを閉じ込めた。
俺の胸に大人しく顔をうずめているその髪にも唇を押し当てる。
愛しくてたまらず頭を撫でたり背中を撫でたりと、とにかくひたすらにリイナの感触を自分の手と身体に覚え込ませる。
どんなにずっと一緒にいたいと思っても、今が夢の中じゃないなら現実は残酷にも時間は進み、ずっと傍にはいられない。
リイナが生きているこの世界が夢じゃなければいいと願うが、現実であれば現実の世界…リイナと離れて生活をする日々は目の前に変わらずにある。
もちろん、生きていてくれたらそれで良い。
これまでの数年を思えば物理的に少し離れるくらいなんだとは思うが。
人間ってものは、特に俺はどこまでも欲張りでワガママな性質をしているなと自分で自分に苦笑いをする。
「……帰りたくないな。」
ずっとここにいたい。
リイナとこうしていたい。
どこまでも強欲な本音をついこぼすも、リイナは何も言わなかった。
リイナの性格なら、何を言っているんですか?仕事があるでしょう、と言われそうなものだが、言われなかったということはリイナも同じ気持ちだと自惚れていいんだろうか。
案の定、なかなか素直に想いを言葉にしないこのお嬢さんは、口に出さない代わりに俺を抱きしめ返している腕に力を込めた。
この小さな身体と細い腕でとても重たいものを抱えたリイナを……輪への入團と零組への異動で政府から二度も存在を消されたリイナを、いっそどこかに連れ去って隠してしまいたくなる。
お互いの存在しか感じられない世界で2人だけで生きられたら。
けど、それもまた俺たちの望む現実とは違う。だから。
「なあ、あの日の約束の続きを、今叶えたいって言ったらダメか?」
「続き、ですか?」
貳組の艇のハッチで初めて気持ちを通わせたあの日。
この一斉捜査が終わったら一晩一緒にいようと約束した。
次にいつ会えるかわからないから、リイナの気持ちを一晩中でも聞き出したかった。
リイナを抱きしめながら、お互いに眠くて限界になるまで語り合いたかった。
俺もどれだけリイナが好きかを、リイナがうんざりするまで聞かせたかった。
叶えることができなかったその時間をいま過ごしたいと言ったら…お前は困るだろうか。
「……一晩、お前と一緒に過ごしたい。もちろんお前が望まないことは一切しないから。」
「………っ」
約束がどのことか思い至ったのか、腕の中でリイナの肩がピクリと動く。
本当は今すぐにでもお前のすべてを奪いたい………というのが本音だが。
何もかもをいっぺんに手に入れようと欲張ったら、それこそ永遠に叶わなくなる気がする。
どこかの海の国のお姫様の物語みたいに、リイナが泡になって消えてしまいそうで。
だから今はずっとこうして抱き合うだけでいい。俺たちはこれから始まるんだから。
それだけでもダメだろうかと内心ドキドキしていると、リイナは俺の胸に頬を擦り寄せた。
「本当にがっつく人ですね。艇長に就任して早速のサボタージュですか。」
「別にサボるつもりじゃないけどな。こういう強欲な男は嫌いか?」
「……いいえ。」
それからリイナはゆっくり腕の力を緩めて少しだけ俺から離れた。
身体には腕を回したままで俺を見上げてくる。
その顔は綺麗に笑っていた。
「望むもののために努力する男性は嫌いではないですよ。」
「じゃ、望み続けるし頑張り続けるから、ずっと俺を好きでいてくれよ。」
「ふふ…っ…では、頑張ってください。」
本当に、連れ去って閉じ込めたくなるくらいに可愛い笑顔だ。
だが、城の奥深くでただ大事にされるだけの深層の姫君になることは、お前は望まない。
リイナが自分の望む道を歩んで、こうしてずっと笑っていられるよう、毎日を幸せに思い生きられるように、俺はできるだけのことをしよう。
「…なあ、リイナ。」
「はい?」
俺はリイナに顔を近づけると、その額に額を合わせた。
リイナの長いまつげが当たりそうだ。
これなら間違いなく、リイナの視界には俺以外は入る余地はないだろう。
もちろん俺の視界にはリイナしか入らない。
丸い瞳がじっと俺を見つめてくる。
「……今夜はお前が俺への気持ちを白状するまで、嫌と言うほど尋問するからな。」
「私、なかなかしぶといですよ?」
挑戦的な目をされたが、今夜ここに留まることは拒否されなかった。
だから、尋問は受け入れるってことで良いんだよな?
「はいはい、宝物は簡単には手に入らないから宝物なんだよな。」
リイナに軽く流されるのも慣れたもんだ。
俺がどれだけリイナが好きで心底惚れているかもたっぷり聞かせてやる。
夜が明けるまで語り合ってもいいし、話し疲れて眠くなったら抱きしめて一緒に眠ろう。
好きな女の子と、ましてや恋人と同じベッドなんて俺の理性がかなり試されるが、リイナが嫌がることなら絶対にやらない。
リイナが俺に全部を委ねてもいいと思ってくれたら、その時ゆっくりと大事に大切にお前に触れよう。
いつかの未来でここから連れ去る夢を見ながら、目の前の宝物をたくさん愛する。
お前がギブアップして俺を好きだとはっきり言うまで、俺がいくらでもお前への愛を叫ぶから。
お前はそれを聞いて嬉しそうに笑ってくれたら、それでいい。
「…リイナ。」
早速、第一回目を叶えるために、俺はリイナの耳元に唇を寄せた。
「ーーーあ⋯⋯⋯⋯てる、ぜ?」
「……っ」
俺が囁いた五文字の言葉にほんのりと頬を赤くしながら口角を上げたリイナは、やはり世界一綺麗で可愛かった。
世界一愛しい、俺だけのお姫様。
それに素直にときめいた俺は…
囚われたのはリイナじゃなく俺のほうだったことを、充分に思い知らされたんだ。
「⋯ね、朔くん。少し私のお話をしてもいいですか?」
「なんだ?いくらでも聞くぜ。」
改まった態度のリイナにそう答えてやると、リイナは穏やかな笑みを浮かべて語り出した。
「⋯⋯体内にインキュナが侵入したあの夜。私は重傷を負い瀕死の中、自分の身体が激しく作り替えられていく感覚を味わい、このままヴァルガになってしまうくらいならいっそと覚悟を決めて、自分で自分の命を終わらせようとしたんです。」
「っ!それは⋯」
「途中で意識を失ってしまったので、実行はできなかったんですけどね。できなくてよかったと今なら思います。」
深刻な話かと思いきや、リイナは明るい表情と声を出した。
⋯⋯そうだな。
俺が助けに行くことは叶わなかったが、そんなことにならなくて本当に良かった。
結果的にヴァルガにもならず、今ここに生きていてくれることが、本当に奇跡だったんだな。
「次に目が覚めた研案塔でまだ自分に命がある事を知り、與儀くんのように細胞が奇跡的に融合して共存している事を燭先生から聞かされました。そこで、時辰統括官がわざわざいらしてくださり、零組への異動の話を持ちかけてくださったのです。秘匿の身にはなってしまうけれど、せっかく助かった命で人間らしく日々を大切に生きて、得た力を役立てて欲しいと。」
「へぇ、時辰がそんなことをねぇ。」
記憶処理を施し投獄されるより、薬で制御しながら輪に戻ったほうが人道的ではある。
代償は大きいが、リイナならその道を選ぶだろう。
俺だってそうなったら、仲間たちと別れても零組を選ぶと思う。
昔、もっと厳しかった頃だったら、少しでも細胞の混入があった人間は問答無用で処分されていた。⋯そういう時代もあったからな。
今の時辰のやり方はお優しいと、よく嫌味を言われているが。
零組が作られなければ、間違いなくリイナも処刑されていただろう。
「⋯朔くん。私はね、零組闘員になったら仲間内では死んだ扱いになると聞いた時、一番にあなたのことを考えたんですよ。」
「え?」
「一人で力尽きた際、このまま命を落としたら、二度とあなたには会えない⋯せめてもう一度だけでいいから、あなたに好きだと言われてキスをしてほしかったと思った事を⋯それで躊躇い自決のタイミングを見失った事を思い出して。⋯もし私が零組に入り、私が死んだと聞いたあなたは、どんな思いをするのだろうかと。それだけが気がかりで⋯⋯。」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
明るかった表情が少しだけ切なげになり、俺の背中に回っている腕の力が強くなった。
リイナの気持ちを代弁するように、服を掴んでいる手がきつくなる。
反射的に俺もリイナを抱く腕の力が強くなった。
そこで俺の心配をしてくれたリイナの気持ちが、痛ましくて嬉しかった。
⋯そして、リイナは自分の命を自分で消すかどうかの際で俺を想ってくれた。
結果、消すタイミングを失い気絶したことがリイナの命を繋ぐ奇跡に向かったのか。
⋯あなたは私のあなたへの想いで間接的に私を守ってくれた。私の騎士という役目と約束を果たしてくれました、と⋯リイナは小さく呟いた。
「可能性は低いですけど⋯生きてさえいれば⋯毎日頑張っていたら、どこかで遠くからこっそりあなたの姿を見かける機会はあるかもしれない。あなたの活躍の話も聞けるかもと。せめてそれを楽しみにしようって。でも朔くんの方はそれが叶わないから⋯、私のことを忘れて生きていってほしかったんです。あなたにはずっと明るく笑っていて欲しかったから。⋯でもね、本当は忘れられるの、ちょっとだけ寂しいなって思っていたりもして。悲しんではほしくないのに。私、ワガママでしょう?」
「そんなワガママは当たり前だし、まだまだ可愛いもんだよ。もっとワガママになっていいくらいだ。⋯俺が、リイナを忘れて生きていけるわけがないだろう。毎日忘れられなくて、毎日想っていたよ。本当はどこかで生きているんじゃないか、一目でいいから会いたい、声が聴きたいってな。」
「⋯⋯はい。私も毎日、禁を犯してもあなたに連絡がしたくて⋯リシアナさんからあなたの話を聞くたび、私は生きています、ここにいますと、教えたくてたまらなかった。あの日一瞬だけあなたの恋人になれた、あの瞬間が忘れられなかったんです⋯⋯。」
「リイナ⋯⋯⋯⋯。」
そう言って抱きついて俺の胸に顔を埋めたリイナを、俺も強く抱き締めた。
あの一瞬の時間に、リイナもずっと囚われてきたんだな。
「これが私の闇の部分です。すごくワガママで、自分が一番可愛くて。あなたが苦しむとわかっていなから、それでも私を忘れずに想い続けてほしくて、それがとても嬉しいんです。」
「大丈夫だ、喜んで受け入れて全肯定してやる。俺もお前に想い続けていてほしい。これからはずっと恋人同士だからな。もう思い出の中だけで生きるのは終わりだ。思い出は一緒に時々振り返って楽しもうぜ。」
「⋯⋯⋯⋯はい。」
これだけ気持ちを伝えてくれているリイナが、可愛くて愛しくてたまらない。
俺たちはここからまた始まる。
新たな関係で一緒に隣を歩いて生きていける。
一度喪って後悔した分、これからは俺も惜しみなく気持ちを伝えていこう。
「⋯⋯朔くん。もうギブアップします。私は⋯⋯あなたが好きです。好きなんです⋯ずっとあなたに、私に恋をしてほしかった⋯⋯どうして意地を張らずに、もっと早くに自分から言わなかったのかと、どれだけ悔やんだか分かりません。」
「⋯っ⋯ああ、ありがとうな⋯⋯。俺は、もうずっと昔からお前だけに恋をしているよ。俺も、もっと早く言えばよかったって何度も後悔したよ。お前が好きだっていっぱい言えば良かった。」
ずっとお前に恋をして欲しかったのは俺も同じ。
お前が恋をする男はどんな男だろうと考えて、知りたくて、勝手にその男に嫉妬して、⋯俺がその男になりたかった。
世界中の男たちに嫉妬をぶつけられても、リイナの恋人という立場になりたかった。
なのに臆病で、素直に想いを口にできなかったのも、同じだ。
少し離れてリイナの右手を取ると、騎士よろしくその指先に唇を押し当てた。
お姫様への忠誠はこれで。
恋人への愛の誓いに、今度は額に口づけてから赤く染まった頬にもひとつ。
キスの嵐に戸惑い照れている可愛い唇も、たっぷりと想いを込めて自分の唇で塞いだ。
これから傷つくことがあっても、どんなに苦しくても、俺はリイナを愛することを決して止めない。
痛みごと抱きしめて愛していく。
生きるためにこの体に抱えた大きな代償は、俺も一緒に抱えていく。
二度とお前を一人になんかしない。
騎士はいつだって姫君の傍から離れないものだ。
「そのうち、もう一人のリイナにも挨拶をさせてくれないか?この前はちょっと良くない出会い方だったからな。」
「うーん⋯構いませんが⋯なんとか仲良くしてくださいね。なかなか元気な子なので。」
「ははっ、それは楽しみだな。」
「でも、咄嗟とはいえ朔くんを脅してしまったことは反省していたみたいです。私の記憶から、朔くんが私の大切な人だと気づき手にかけることもできなかったようですね。」
「そりゃ、なかなか良い子そうで仲良くやっていけそうだな。」
あの時、あの子が俺に一瞬だけ見せた迷いの表情。
あれはリイナの記憶から俺のことに気づいたんだろう。
もしかしたらリイナの気持ちを考えて、禁を犯してリイナの存在を俺に知らせようか迷ったのかもしれない。
だが勝手にそれをやってしまえば、自分だけでなく俺も宿主のリイナも危うくなる。
だから脅して、殺さず逃げるしかなかった。
きっと俺なら察して他にバラさないだろうと信じてくれたのかもしれない。
⋯⋯なんだ、めちゃくちゃ良い子じゃないか。
「とても良い子ですよ。⋯会ってしまったのが、あなたの就任が決まっていたタイミングで本当に良かったです。おかげでお咎めなしで済みました。」
「⋯それはお互いにマジで良かったな。対面したのは腕輪信号でバレていただろうに、だからなにもなかったわけか。」
「はい、あの時は本当に焦りましたね。」
時間が許す限り、抱き合いながら、笑い合いながら色々な話をする。
離れていた数年を一気に埋めるように、俺たちは心を寄せて恋人の時間を過ごした。
リイナの私室に移動してからは、一晩また2人での時間を過ごしたが、片時も離れずに一緒にいた。
もう二度と、一生忘れることがないように、全身でリイナの温もりと感触を自分の体に記憶させる。
自分の艇に戻ってからも密に連絡を取り、こちらへはあまり来られないリイナの分も、咎められないギリギリで零組に会いに行く。
時には艇長同士で仕事の意見が食い違い、言い合いもする。
リイナはやはり隠密の艇の艇長としてとても優秀だった。
後にリイナと再会できた平門も、表情はあまり変わらないが喜んでいるのがよくわかったし、リシアナにはずっと黙っていた事を真摯に謝罪されて笑って流したら、安心した顔をしていた。
俺たちの交際のことはかなり心配で複雑らしいけどな。
実はリシアナだけは、学園時代からリイナが俺に片思いをしていたことを本人から相談され知っていたらしく、なかなか本気でいかないお互いにずっとやきもきしていたとか。
やっぱ恋バナしていたんじゃねえか。
「朔くん。これからももっといっぱい、私を好きだと言ってください。抱き締めて、キスもいっぱいしてほしいです。」
「俺の可愛いお姫様の、望みのままに。⋯ていうか、俺がしたいからする。」
「キャッ!?もう、朔くん!!?どこを触っ⋯!!」
「お前も、もっと俺のことが好きだって言えよな?」
「⋯二度と!一生言いません!!」
「なんでだよ!?」
これが俺たちの紡ぐ物語だ。
愛しい恋人を、俺は一生離すことはないだろう。
おわり
2026.06.23
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
第零艇設定はとても気に入っており、ヒロインがどのようにして零組所属になったのか?の過去編はずっと書きたかったひとつでした。
別世界線で平門の裏夢にも零組ヒロインの恋人がいるので、そちらもいずれ書きたいと思っております。
零組の設定上、どうしても切甘にするしかなく⋯⋯途中つらい展開になりまして、私も書いていてつらかったです。
そこから裏夢の恋人同士になった二人に繋がっていきますので、ご興味があればぜひそちらもよろしくお願いします!
雨衣
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