(甘)リトルレディの憂鬱
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「えっと…言い訳になっちゃうんだけどね。俺、リイナちゃんのこと本当に好きだし、だから可愛いなーってすっごく抱き締めたくなっちゃうんだよね。でも俺が抱き締めようとすると逃げるでしょ。なのにさっきイヴァ姐さんに抱っこされても嫌そうじゃなかったし…俺に触られるのが、嫌?」
「い、嫌じゃない…っそれは、あの…恥ずかしいというか…えっと…私も言い訳になっちゃうんだけどね、さっきの、與儀のどこが好きかって話なんだけど…。」
「う、うん。」
「ごめん、やっぱりわからない。」
「…えっ!?」
「あの、あのね。嫌な意味じゃなくて…その…好き…しか浮かばなくて…優しいとことか、……顔、とか……挙げようと思えばできるんだけどね。どれも本当なんだけどなんかしっくりこなくてね。」
…うまく、言えない。
想いを言葉にするのはこんなに難しいのか…。
なら、もういいや…と思って、私は持っていた靴を床に置いて履いた。
また少し縮まった身長差の中、私からゆっくり距離を近づけて、思いきって與儀の腕に自分の腕を絡めてみた。
「え?あの…?」
しがみつく形じゃなく、ちゃんと腕を絡めて、與儀にもたれることができてる。
まだ少し高いけど、つらくない。
與儀は突然の私の行動にワタワタしているけど、やっぱり男らしい二の腕に頭を預けるのは心地良かった。
「…全部、好き。イヴァが言うヘタレな所も。こうして腕を組んで歩いたり、ただくっついたりしていたいのは與儀だけ。可愛いって言われるのは嬉しいけど、知っての通り私はチビだから…それが、すごく嫌いで…可愛いって言葉に過剰反応していたかも…。」
「リイナちゃん…。」
せめて顔を見ていないから、本音を言えるのかもしれない。
ただ腕に絡みついてもたれる私の頭に、與儀の絡んでいない方の手がそっと乗ってきた。
そして、優しく優しく撫でられる。
「俺もね、リイナちゃんの全部が大好きだから、小さいリイナちゃんも大好きだよ。俺にとっては好きなところのひとつなんだけど、それを気にしていたならごめんね。でも、リイナちゃんが自分で嫌っている部分も、俺は大好きだからね。」
「……うん、ありがとう…。」
「あと、逃げておいてなんだけど。さっきのも、本当に気にしていないからね?」
「ほ、本当に…?」
「うん!だって、リイナちゃんは口には出さないけど、ちゃんと表情や態度で好意を示してくれているし。なのに口じゃ正反対のことを言うから、それがもう可愛くて。あ、バカにしているわけじゃないからね!?」
「…う、うん……そんなに、出てる…?」
「出てるよ、俺が可愛いとか言うと、うるさい!って言いながら顔は照れてたりするよ。」
……あぁぁぁああ…
やっぱり穴を掘って埋まってしまいたい…。
イヴァが言っていた意味がわかった。
私を知っている人はみんな、私がただの恥ずかしがりでひねくれ屋だって知っているって…ばっちり本音が顔に出ているからだ。
「えと…もうひとつ言うとね、そのあと、言っちゃった…ってあからさまに落ち込んだ顔をするのも、めっちゃ可愛いよ。だからつい俺は手が出ちゃうって言うか…あれ、どこ行くの?」
「―……埋まってきます…。」
「なんでっ!?」
「むしろリノルの雪に頭から突っ込むかヴィントの湖に飛び込みたい……骨は拾わず肥やしにして。」
「いやいやいや!!それ確実にダメなやつだから!!早まらないで!!」
突っ張っていたメンタルは見事打ち砕かれ…
靴を脱いでススス…とドアに向かった私を、與儀が抱き締めて慌てて制止した。
…元の身長差に戻ってしまったので、完全に與儀の腕と胸に包囲されてしまった私の体。
悪態をつくより恥ずかしい部分を、私はさらけ出していたわけか…。
べ、べつに與儀に可愛いって言われたからって…う、嬉しくなんかないんだからね!!と顔で表現していたと。
どこのツンデレですか。
それを密かにニヤニヤ見ていたとかやっぱり変態だこの人。
「俺のこと…好き?」
「…………好き。大好き」
「なら、いい…もう、それだけで俺、死ねちゃうくらい嬉しい…。」
「まだ死なれちゃ困る…。」
「うん、もちろん。ずっと一緒にいるんだからね~。」
腕はうまく組めないし、端から見たら恋人同士には見えないかもしれない。
大人っぽい服装をしても似合わない。
それでも、大嫌いだった部分を大好きになってくれた人がいる、それだけでいい。
少しづつ、少しづつ…思っていることを口に出せるようになったらいいな。
やっぱり好きな人には好きって言いたい。
抱き締めて欲しいときに、抱き締めてって言いたいから。
それから私は、なるべく口が出そうになったときは数秒置いて気持ちを整理してから話す、を繰り返し努力するようになりました。
ツンデレが良かったのに…と一部から残念がられたのはまた別のお話。
おわり
2015.5.18
こんにちは!
今回は
「小柄なことにコンプレックスがあり、思った事と真逆のことばかり言ってしまう天の邪鬼ヒロインが與儀に気持ちを伝えるために頑張る話」
でした。
天の邪鬼ってツンデレ?ともちょっと違うのかな?と思いつつ…
小柄がコンプレックスということだったので、どうせだからコンプレックスになるくらいの小柄にしよう!!と思い
だいたい140センチ後半くらいを想定しています、歳はツクモより年上だけど與儀より年下な20歳くらい。
成人で補導されまくるってコンプレックスになりそうだなと。
181センチの與儀との身長差は約40センチ近く。
腕組みはギリギリですね。
ちなみに公式で无は157センチ、キイチは151センチなのでキイチより小柄です。
无と並んだらそりゃあギュッとしたくなるよなぁと思いながら書きました。
お待たせしてしまいまして、申し訳ありません…!!!
リクエストありがとうございました!