(甘)じゃれ犬とツン猫のはなし
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リビングルームにて、パソコンでカタカタと報告書を作成している私の向かいで、與儀はニコニコしながら頬杖をついて私を見ている。
さっきからずっとこうですっっっごく気になるんだけど、何か用事でもあるのかな。
これは私から話題をふるべき?でもなんて?
ここは無難に何か用?から入った方がいいよね。
そう思いながら無言でパソコンに向かい合うこと数10分。
そろそろ気まずい…。
この沈黙は私から破るべきなのか。
與儀は気にしないから破らないの?
それとも実はなんで私が何も言わないのか疑問に思っているかもしれない。
ここは思いきって私から行くしかないだろう。
誰かといるのに沈黙が続くのは実はすごく苦手なんだ。
かと言ってなにを言えばいいかうまい話題を振るのはもっと苦手なんだけど。
さっきからここにいる理由を聞くくらいなら…。
「與儀…なにか用?」
よし、言った。
すると與儀はニコニコしたまま、私からの発言が嬉しかったのかますます破顔しながら言った。
「俺ね、月乃ちゃんのこと、だーい好きだよ。」
「…………………」
あれ、おかしいな。
用事の有無を聞いたはずなのに答えが違う。
理由を聞けばそこから話題が広がるかと思ったのに、これじゃなんて言えばいいのか返答に困る。
いきなり変化球なんて私には難易度が高すぎる。
えーと…えーと…
なんでいきなりそんなことを言い出したのか聞いた方がいいの、かな?
なにか意図があるのかもしれないし。
「だ…だから?」
ああ違う間違えた!!
理由を聞きたいんだってば。
こんな言い方じゃ突き放したみたいに聞こえちゃうじゃない!!
だけど…っ…いきなり好きなんて言われたらドッキリするし!
そんなことを言い出した理由なんか、その内容によっては非常に恥ずかしいことになる!!
そう思うとさっきから指先が震えてキーが打てないけど、多分與儀からは見えていない。
「月乃ちゃんは俺のこと、好き?」
だ、だから!
さっきから返答が噛み合ってないんだってば。
さっきの返しについては特に気にしてはいないみたいだけど、お願いだから返した言葉にはちゃんと答えてください…。
私が與儀を好きかどうかなんて、そんなの…当たり前じゃない。
ちゃんと與儀から告白されて、私はそれに応えた。
それで今は私たちは交際中のはずです。
與儀の告白は本当に本当に嬉しくて、ああこんな私のことを好きになってくれる人がいるんだって思ったの。
それが、実は自分もずっと好きだった人ならなおさらだ。
私は可愛くない。
おしゃべりもうまくない、愛想を振り撒くのも苦手だ。
みんなで騒ぐより一人静かにしているほうが好き。
それなのに、與儀は私を好きだって言ってくれたんだから。
そもそもそれがなんで?って感じだけど。
「………なんで。」
ほら、また可愛くないことしか言えなかった。
好きだよ、って言えばいいのに。
與儀はうーん、と首をかしげながら私を見た。
私と真逆で可愛いなこの人は。そして素直。
人のことを悪いようにはとらない。
「いや、俺さ。月乃ちゃんに好きって言われたことないなー、って。」
「……え?そうだっけ?」
「うん。その…俺の告白にさ、応えてくれたときは…"うん"って言ってはくれたけど。応えてくれたってことは、ちょっとは俺のこと…好き?って思ってくれてるのかな?って……。」
うわぁぁあ照れる!恥ずかしいー!!
…………と、與儀は自分で言った言葉に恥ずかしがって顔を隠しながらジタバタした。
そういえば、付き合って欲しいって言われたから、うんって答えた。
恥ずかしかったから…やっとそれしか言えなかったけど、與儀はすごく喜んでくれた。
私はそれを見て満足してしまっていたけど…そっか、言ったことなかったっけ。
「……………………」
「あの、あのね、ちょっとは良いかなーくらいには思ってくれているなら、もっと好きになってくれるように頑張るし!俺!だってなんとも思っていなかったら、応えたりしないと思うから。」
「そう、だね。」
「だよねっ!だから俺、好きって言ってもらえるように頑張るんだぁ。名付けて、月乃ちゃんに好きって言ってもらおう大作戦!!」
「は…はぁ…。」
頑張らなくても…充分に私は與儀が好きだよ…?
ちょっとは良いかなー、なんてレベルじゃないよ。
ちゃんと、好きだから応えたんだよ。
でもそれは思っているだけじゃ意味はなく、言わなきゃ伝わらない。
好きって一度も言ったことないから、與儀は私の気持ちがまだそのレベルだと思ってるんだ。
言わなくてもわかって、なんてワガママだよね。
與儀はちゃんと言ってくれてる…のに、私は言わないなんてダメだよね。
なぜだか拳をグッと握りしめて決意の表情を新たにした與儀に、頑張って言ってみようか…と思った…けど…。
好き
そのたった一言がうまく言えない。
照れと恥ずかしさが先行して邪魔をしてくる。
「…えーと…」
「あ、いいんだよ今は無理に言わなくても!!言いたくなったらでいい!!でもね?」
「…………?」
「俺が月乃ちゃんのこと、大好きだっていうのはずっと知っていてね。」
與儀はそう言って、そっと私の隣に移動してきた。
そして頭に優しく手を置かれてゆっくりと撫でられる。
それがすごく嬉しくて…胸が、ドキドキして苦しい。
無理に言わせるんじゃなく、私が言いたいと思うまで待ってくれる…と。
そんな優しさに、応えたくなる。
さっきからずっとこうですっっっごく気になるんだけど、何か用事でもあるのかな。
これは私から話題をふるべき?でもなんて?
ここは無難に何か用?から入った方がいいよね。
そう思いながら無言でパソコンに向かい合うこと数10分。
そろそろ気まずい…。
この沈黙は私から破るべきなのか。
與儀は気にしないから破らないの?
それとも実はなんで私が何も言わないのか疑問に思っているかもしれない。
ここは思いきって私から行くしかないだろう。
誰かといるのに沈黙が続くのは実はすごく苦手なんだ。
かと言ってなにを言えばいいかうまい話題を振るのはもっと苦手なんだけど。
さっきからここにいる理由を聞くくらいなら…。
「與儀…なにか用?」
よし、言った。
すると與儀はニコニコしたまま、私からの発言が嬉しかったのかますます破顔しながら言った。
「俺ね、月乃ちゃんのこと、だーい好きだよ。」
「…………………」
あれ、おかしいな。
用事の有無を聞いたはずなのに答えが違う。
理由を聞けばそこから話題が広がるかと思ったのに、これじゃなんて言えばいいのか返答に困る。
いきなり変化球なんて私には難易度が高すぎる。
えーと…えーと…
なんでいきなりそんなことを言い出したのか聞いた方がいいの、かな?
なにか意図があるのかもしれないし。
「だ…だから?」
ああ違う間違えた!!
理由を聞きたいんだってば。
こんな言い方じゃ突き放したみたいに聞こえちゃうじゃない!!
だけど…っ…いきなり好きなんて言われたらドッキリするし!
そんなことを言い出した理由なんか、その内容によっては非常に恥ずかしいことになる!!
そう思うとさっきから指先が震えてキーが打てないけど、多分與儀からは見えていない。
「月乃ちゃんは俺のこと、好き?」
だ、だから!
さっきから返答が噛み合ってないんだってば。
さっきの返しについては特に気にしてはいないみたいだけど、お願いだから返した言葉にはちゃんと答えてください…。
私が與儀を好きかどうかなんて、そんなの…当たり前じゃない。
ちゃんと與儀から告白されて、私はそれに応えた。
それで今は私たちは交際中のはずです。
與儀の告白は本当に本当に嬉しくて、ああこんな私のことを好きになってくれる人がいるんだって思ったの。
それが、実は自分もずっと好きだった人ならなおさらだ。
私は可愛くない。
おしゃべりもうまくない、愛想を振り撒くのも苦手だ。
みんなで騒ぐより一人静かにしているほうが好き。
それなのに、與儀は私を好きだって言ってくれたんだから。
そもそもそれがなんで?って感じだけど。
「………なんで。」
ほら、また可愛くないことしか言えなかった。
好きだよ、って言えばいいのに。
與儀はうーん、と首をかしげながら私を見た。
私と真逆で可愛いなこの人は。そして素直。
人のことを悪いようにはとらない。
「いや、俺さ。月乃ちゃんに好きって言われたことないなー、って。」
「……え?そうだっけ?」
「うん。その…俺の告白にさ、応えてくれたときは…"うん"って言ってはくれたけど。応えてくれたってことは、ちょっとは俺のこと…好き?って思ってくれてるのかな?って……。」
うわぁぁあ照れる!恥ずかしいー!!
…………と、與儀は自分で言った言葉に恥ずかしがって顔を隠しながらジタバタした。
そういえば、付き合って欲しいって言われたから、うんって答えた。
恥ずかしかったから…やっとそれしか言えなかったけど、與儀はすごく喜んでくれた。
私はそれを見て満足してしまっていたけど…そっか、言ったことなかったっけ。
「……………………」
「あの、あのね、ちょっとは良いかなーくらいには思ってくれているなら、もっと好きになってくれるように頑張るし!俺!だってなんとも思っていなかったら、応えたりしないと思うから。」
「そう、だね。」
「だよねっ!だから俺、好きって言ってもらえるように頑張るんだぁ。名付けて、月乃ちゃんに好きって言ってもらおう大作戦!!」
「は…はぁ…。」
頑張らなくても…充分に私は與儀が好きだよ…?
ちょっとは良いかなー、なんてレベルじゃないよ。
ちゃんと、好きだから応えたんだよ。
でもそれは思っているだけじゃ意味はなく、言わなきゃ伝わらない。
好きって一度も言ったことないから、與儀は私の気持ちがまだそのレベルだと思ってるんだ。
言わなくてもわかって、なんてワガママだよね。
與儀はちゃんと言ってくれてる…のに、私は言わないなんてダメだよね。
なぜだか拳をグッと握りしめて決意の表情を新たにした與儀に、頑張って言ってみようか…と思った…けど…。
好き
そのたった一言がうまく言えない。
照れと恥ずかしさが先行して邪魔をしてくる。
「…えーと…」
「あ、いいんだよ今は無理に言わなくても!!言いたくなったらでいい!!でもね?」
「…………?」
「俺が月乃ちゃんのこと、大好きだっていうのはずっと知っていてね。」
與儀はそう言って、そっと私の隣に移動してきた。
そして頭に優しく手を置かれてゆっくりと撫でられる。
それがすごく嬉しくて…胸が、ドキドキして苦しい。
無理に言わせるんじゃなく、私が言いたいと思うまで待ってくれる…と。
そんな優しさに、応えたくなる。