(甘)家族になろう
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「どうしたの?」
「ん…今日も無事に帰ってきてリイナちゃんに会えたのが嬉しくて。」
同じこと、考えていたんだ。
そう思うと、顔が熱くなる。
私が與儀の無事を確認して安心するように、與儀も私と同じ気持ちなのだと。
「私も…無事に帰ってきてくれて安心した。ずっと祈っていたから。」
「リイナちゃん…ありがとう…。」
ギュッと手も握られて、指と指も絡ませ合う。
私も與儀の頭に、トン、と頭をくっつけた。
優しい大好きな時間。
全身で與儀を感じる。
「リイナちゃんの手、小さいね。すっぽり包めちゃう。」
「與儀が大きいんだよ。」
與儀の手は熱くて大きくて、私なんて簡単に包めてしまう。
細長い指。私の大好きなところのひとつ。
このひとときが、私を癒してくれる。
「腕、大丈夫?」
「うん、お風呂が辛かったけどね。」
「…手伝ってあげようか」
「な……えっ!?」
「冗談です。」
瞬間湯沸し器みたいに與儀の顔が真っ赤になって、面白くて笑った。
すると與儀は、ムーッとふくれた顔をした。
「そんなこと言うなら…襲っちゃうからねっ!!」
いきなりドサッとソファに押し倒されて、首筋にチュッとキスをされた。
今度は私が真っ赤になる番。
「ちょっ…!!」
「冗談だよー!ちょおっと危なかったけど。」
與儀は笑って顔を上げて、慌てる私を見た。
でも押し倒された体勢のまま、覆い被さって抱き締められる。
きつく、きつく。
それが、何となく今の與儀の気持ちを表しているような気がした。
やっぱり、どこかいつもとちがう。
「ぎゅう~っ。リイナちゃん、いい匂い。」
「シャンプーだよ…。」
本当に襲われるかと思って、ドキドキしちゃった。
いざとなると、與儀も男なんだもん。
「ね、なにかあった?」
私は與儀の背中を撫でながら、さっきから感じていた違和感を與儀にぶつけてみた。
與儀は私を見て苦笑いをしながら、そっと私の上からどく。
「…わかっちゃう?」
「うん。與儀のことなら。」
「…そっか…。」
寂しげな笑顔に、胸が痛くなった。
1拍おくように息を吐いて、與儀の唇がゆっくりと開いた。
「家族って、いいね…。」
「家族?」
「小さい子を真ん中にして手を繋ぐお父さんとお母さんを見て、なんか胸が温かくなったんだ。」
家族。
輪になるかわりに、失ったもの。
そして、與儀の家族は……。
だから、強く憧れを感じたのかな。
ふと見ると、與儀の手が震えてる。
温かい家族の話をしているようには、見えない。
「今日…葬送してきたのも……親子だったんだ……。お母さんと、まだ小さな子……。」
「え……?」
「経緯はわからないけど…お母さんは、自分の体も壊れていきながら、ヴァルガ化していく子供を守ろうとしてた。それを…俺は強制的に消したんだよ……。」
「與儀……」
「お父さんはきっと、いなくなった奥さんと子供を、ずっと探すんだ…なんでいなくなったのか、無事でいるのか…無事でいてほしいって願いながら、もう二度と会えない、のに…俺が、消したから………っ。」
キレイなカーブを描く薄紫の瞳に、涙が浮かんでいく。
きっと悲しみと痛みでいっぱいだろう與儀の胸の中を思うと、私もつらくなった。
「消したんじゃないよ。與儀は、その人たちを救ったんだよ。ね?」
「だけど…」
「そのままだったら、完全に壊れていたかも。人を殺していたかも…それって、とてもつらいことだよ…。だから與儀は、その人たちを救ったんだよ。」
私も、被害者のヴァルガを葬送しなければいけないとき、胸が痛む。
そのたび、消したのではなく救ったのだと思うようにしてる。
自分勝手で正当化かもしれない。
だけど、そうしないと私の心が壊れてしまう。
輪の自分が壊れてしまったら、被害者が増えていく。
誰がそれを止めるの?
「與儀はとても優しいから…そうして泣いて胸を痛めてくれる人がいるだけでも、きっと救われるよ。」
「そうなのかな……。」
下を向いてうなだれている與儀に腕を回して、思いきり抱き締めた。
「そう思っても辛いよね。でもだーいじょうぶ。與儀が辛くなったら、私がいつでもこうしてあげる。一緒に泣く。ずっと傍にいるからね。」
「リイナちゃん……」
耳もとで、鼻をすする音がした。
とても優しいひと。
だから大好き。
ヴァルガに対しても、こうして気持ちを向けられるひと。
それを甘いと誰かが言っても、私は…それが與儀のいいところだと思ってる。
その甘さで大怪我を負ったらと思うと、怖さもあるけど。
「ん…今日も無事に帰ってきてリイナちゃんに会えたのが嬉しくて。」
同じこと、考えていたんだ。
そう思うと、顔が熱くなる。
私が與儀の無事を確認して安心するように、與儀も私と同じ気持ちなのだと。
「私も…無事に帰ってきてくれて安心した。ずっと祈っていたから。」
「リイナちゃん…ありがとう…。」
ギュッと手も握られて、指と指も絡ませ合う。
私も與儀の頭に、トン、と頭をくっつけた。
優しい大好きな時間。
全身で與儀を感じる。
「リイナちゃんの手、小さいね。すっぽり包めちゃう。」
「與儀が大きいんだよ。」
與儀の手は熱くて大きくて、私なんて簡単に包めてしまう。
細長い指。私の大好きなところのひとつ。
このひとときが、私を癒してくれる。
「腕、大丈夫?」
「うん、お風呂が辛かったけどね。」
「…手伝ってあげようか」
「な……えっ!?」
「冗談です。」
瞬間湯沸し器みたいに與儀の顔が真っ赤になって、面白くて笑った。
すると與儀は、ムーッとふくれた顔をした。
「そんなこと言うなら…襲っちゃうからねっ!!」
いきなりドサッとソファに押し倒されて、首筋にチュッとキスをされた。
今度は私が真っ赤になる番。
「ちょっ…!!」
「冗談だよー!ちょおっと危なかったけど。」
與儀は笑って顔を上げて、慌てる私を見た。
でも押し倒された体勢のまま、覆い被さって抱き締められる。
きつく、きつく。
それが、何となく今の與儀の気持ちを表しているような気がした。
やっぱり、どこかいつもとちがう。
「ぎゅう~っ。リイナちゃん、いい匂い。」
「シャンプーだよ…。」
本当に襲われるかと思って、ドキドキしちゃった。
いざとなると、與儀も男なんだもん。
「ね、なにかあった?」
私は與儀の背中を撫でながら、さっきから感じていた違和感を與儀にぶつけてみた。
與儀は私を見て苦笑いをしながら、そっと私の上からどく。
「…わかっちゃう?」
「うん。與儀のことなら。」
「…そっか…。」
寂しげな笑顔に、胸が痛くなった。
1拍おくように息を吐いて、與儀の唇がゆっくりと開いた。
「家族って、いいね…。」
「家族?」
「小さい子を真ん中にして手を繋ぐお父さんとお母さんを見て、なんか胸が温かくなったんだ。」
家族。
輪になるかわりに、失ったもの。
そして、與儀の家族は……。
だから、強く憧れを感じたのかな。
ふと見ると、與儀の手が震えてる。
温かい家族の話をしているようには、見えない。
「今日…葬送してきたのも……親子だったんだ……。お母さんと、まだ小さな子……。」
「え……?」
「経緯はわからないけど…お母さんは、自分の体も壊れていきながら、ヴァルガ化していく子供を守ろうとしてた。それを…俺は強制的に消したんだよ……。」
「與儀……」
「お父さんはきっと、いなくなった奥さんと子供を、ずっと探すんだ…なんでいなくなったのか、無事でいるのか…無事でいてほしいって願いながら、もう二度と会えない、のに…俺が、消したから………っ。」
キレイなカーブを描く薄紫の瞳に、涙が浮かんでいく。
きっと悲しみと痛みでいっぱいだろう與儀の胸の中を思うと、私もつらくなった。
「消したんじゃないよ。與儀は、その人たちを救ったんだよ。ね?」
「だけど…」
「そのままだったら、完全に壊れていたかも。人を殺していたかも…それって、とてもつらいことだよ…。だから與儀は、その人たちを救ったんだよ。」
私も、被害者のヴァルガを葬送しなければいけないとき、胸が痛む。
そのたび、消したのではなく救ったのだと思うようにしてる。
自分勝手で正当化かもしれない。
だけど、そうしないと私の心が壊れてしまう。
輪の自分が壊れてしまったら、被害者が増えていく。
誰がそれを止めるの?
「與儀はとても優しいから…そうして泣いて胸を痛めてくれる人がいるだけでも、きっと救われるよ。」
「そうなのかな……。」
下を向いてうなだれている與儀に腕を回して、思いきり抱き締めた。
「そう思っても辛いよね。でもだーいじょうぶ。與儀が辛くなったら、私がいつでもこうしてあげる。一緒に泣く。ずっと傍にいるからね。」
「リイナちゃん……」
耳もとで、鼻をすする音がした。
とても優しいひと。
だから大好き。
ヴァルガに対しても、こうして気持ちを向けられるひと。
それを甘いと誰かが言っても、私は…それが與儀のいいところだと思ってる。
その甘さで大怪我を負ったらと思うと、怖さもあるけど。