(切甘)I'm Home
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必死に祈ったけど、ルアちゃんは首を横に振った。
「…ごめん、わからない。」
「そんな…っ。」
「おかしいよ、他のことは覚えているのに、與儀と…その…恋人って部分だけ忘れるなんて。あり得ないよ…本当に、私たちは付き合ってるの…?」
「信じられないなら、ツクモちゃんでもイヴァ姐さんでも聞いてみてよ。本当のことだから。」
「と言われても…他はいたって普通だし…忘れている感覚がない…よ。」
「本当に?全く?」
「うん…。」
こんなひどい話、ないよ…。
やっと無事に戻ってきたはずの恋人が、いきなり恋人じゃなくなっていたなんて。
すぐそこにいるのに、すごく遠くに感じた。
このやり場のない気持ちを、俺はどこにぶつけたらいい?
どんなに考えてもわからず、ただ目の前で困惑するルアちゃんを見ているしかなかった。
このままじゃ本当に以前に戻ってしまう。
恋人じゃなかった頃に、ただの仲間になっちゃう。
そんなのは嫌だ。
今さら、あの幸せな日々をなかったことにするなんて…できるわけがないよ!
「俺はルアちゃんのことが大好きだし、ルアちゃんもそうだって言ってくれたよ。俺が大好きだって。もちろん恋愛的な意味で!」
「私が與儀を……?」
「そうだよ!!」
思い出して…お願いだから。
あの任務の日だって、朝まで一緒にいたこと。
キスをしながらゲートをくぐったこと。
甘えん坊なルアちゃんはいつだって俺に抱きついてきてなかなか離れてくれなくて、俺はそれが可愛くて仕方なかったことを。
本当にど忘れみたいなもので、よくよく考えたら思い出してスッキリした…そんなふうになることも祈ってみたけど、ルアちゃんの沈んだ顔色は変わらない。
「ごめん…わからない。その…與儀が好きかどうかも…。」
「…っ……」
「あの…っ…仲間としては、すごく大事だよ?だけど…。」
恋人とは、思えない。
そういうこと……かぁ。
「なんで…っ」
こんなに大切な気持ちを、無くしちゃうなんて。
おいてけぼりにされた俺はどうしたらいいの。
…ううん、それより、やっぱり少しでも記憶に影響が出ているなら、体のほうの心配をするべきだ。
これから先、なにか別の症状が出ないとは限らない。
それなのに…
なんで俺は、こんなにも悲しい自分の気持ちだけでいっぱいいっぱいになっているんだろう。
記憶喪失なんて異常なことなのに、忘れられたショックのほうが大きいなんて。
「えっと…、ツクモちゃんとかにも話を聞いてみるよ。何か思い出すかもしれないし。…ね?」
そんなふうに、取り繕うように笑わないで…。
ずっと幸せに暮らしてきたのに、どうして今になってこうなったんだろう。
お願い…思い出して。
「なんでも話すよ。俺たちが今までどんな風に過ごしてきたかとか、どうやって付き合い始めたかも、全部話すから…っ!!」
「與儀、ちょっと落ち着いて…っ」
「落ち着けないよ!!」
焦ったって意味はないのはわかっているけど、このままこれで終わりにしたら、本当に終わっちゃう気がした。
だから俺は戸惑っているルアちゃんの腕を掴むと、そのまま引き寄せた。
「與…っ?」
後頭部を押さえ込んで自分の唇をルアちゃんの可愛い唇に押し当てると、肩を強く押されたから、離れないようにって体に力を入れた勢いで、俺たちはソファーに倒れ込んだ。
押し倒された形になってビックリしているルアちゃんの上に乗って、逃げようともがくのをまた押さえつけて無理矢理にキスをした。
「んんっ…っや、待って…っ」
首をそらすたび離れる唇を、追いかけてまた塞ぐ。
そのたびチュッ…チュッ、と音と吐息が部屋に響く。
だけどそこに愛はない、これはキスじゃなく、意味のないただの唇のぶつけ合い。
それでも、止められない。お願いだから、思い出して。
どれだけ幸せなキスを重ねてきたか。
「んっ…っ…ふ」
「んっ…」
柔らかい感触は、なにも変わってない。
ルアちゃんと、ずっとずっとしたかったキス。
ずっと欲しかった愛しい唇。
………なのに。
こんなのはキスなんかじゃない。
ただ強引に唇を押しつけているだけ。
「…どれだけキスをしても…ここにルアちゃんの気持ちが込もっていないなら…意味なんかないよ…っ」
力づくのキスは、すればするほどただ虚しくなるだけだった。
「…っ」
このままじゃダメだ。そう思うのに。
俺は気持ちが焦るまま、心に湧く虚しさには蓋をして、ルアちゃんの服に手をかけた。
「っ…やっ……」
ボタンを外して露になった首筋に唇を押し当てると、ルアちゃんは身を強張らせた。
…本気の拒絶。それにも気づかないふりをして首筋にキスをしながら体をそっと撫でたけど
「い、や…っ…やめて、與儀…っ!!嫌…っ」
あんなに愛し合った日々を思い出して欲しかった。いつもみたいに触れればきっと、って……それだけなのに。
全力で嫌がりながら、俺の行為に恐怖で震えてる……本気で体を震わせている、その姿にとてつもなく胸が痛んだ。
なにしてるんだろ、俺……大好きなルアちゃんを、俺のせいでこんなに怖がらせるなんて……。
俺との行為を、あんなに愛し合った日々を、怖いと思わせるなんて。
一方的に感情をぶつけるなんて。…最低だ。
「…ごめ……っ」
「…與儀…!?」
また涙がこぼれそうになって、これ以上情けない姿は見せたくなかったから、そのままソファを降りて部屋を飛び出した。
袖でいくら拭いても涙は止まらない。
俺たちはもう、恋人じゃない。
それは、どちらかに自然に気持ちがなくなる、ごくありふれた別れとは全然違う形。
ある日突然シャットダウンされた。……何の前触れもなく。
やるせない気持ちのまま、やけっぱちで通路を歩いていると、曲がり角で誰かにぶつかった。
「痛っ!誰よもう!?」
「…イヴァ…姐さん…。」
「なによ與儀!?通路を歩くなら気をつけなさ……なに、アンタ。もしかして泣いてる?」
「…う…ううう…うあああ…っ…」
「な、なに!?なんなの!?」
「俺…っ…絶対嫌われた…っ!!うわぁぁぁんっ!!」
「なんなの!?もう!!」
.
「…ごめん、わからない。」
「そんな…っ。」
「おかしいよ、他のことは覚えているのに、與儀と…その…恋人って部分だけ忘れるなんて。あり得ないよ…本当に、私たちは付き合ってるの…?」
「信じられないなら、ツクモちゃんでもイヴァ姐さんでも聞いてみてよ。本当のことだから。」
「と言われても…他はいたって普通だし…忘れている感覚がない…よ。」
「本当に?全く?」
「うん…。」
こんなひどい話、ないよ…。
やっと無事に戻ってきたはずの恋人が、いきなり恋人じゃなくなっていたなんて。
すぐそこにいるのに、すごく遠くに感じた。
このやり場のない気持ちを、俺はどこにぶつけたらいい?
どんなに考えてもわからず、ただ目の前で困惑するルアちゃんを見ているしかなかった。
このままじゃ本当に以前に戻ってしまう。
恋人じゃなかった頃に、ただの仲間になっちゃう。
そんなのは嫌だ。
今さら、あの幸せな日々をなかったことにするなんて…できるわけがないよ!
「俺はルアちゃんのことが大好きだし、ルアちゃんもそうだって言ってくれたよ。俺が大好きだって。もちろん恋愛的な意味で!」
「私が與儀を……?」
「そうだよ!!」
思い出して…お願いだから。
あの任務の日だって、朝まで一緒にいたこと。
キスをしながらゲートをくぐったこと。
甘えん坊なルアちゃんはいつだって俺に抱きついてきてなかなか離れてくれなくて、俺はそれが可愛くて仕方なかったことを。
本当にど忘れみたいなもので、よくよく考えたら思い出してスッキリした…そんなふうになることも祈ってみたけど、ルアちゃんの沈んだ顔色は変わらない。
「ごめん…わからない。その…與儀が好きかどうかも…。」
「…っ……」
「あの…っ…仲間としては、すごく大事だよ?だけど…。」
恋人とは、思えない。
そういうこと……かぁ。
「なんで…っ」
こんなに大切な気持ちを、無くしちゃうなんて。
おいてけぼりにされた俺はどうしたらいいの。
…ううん、それより、やっぱり少しでも記憶に影響が出ているなら、体のほうの心配をするべきだ。
これから先、なにか別の症状が出ないとは限らない。
それなのに…
なんで俺は、こんなにも悲しい自分の気持ちだけでいっぱいいっぱいになっているんだろう。
記憶喪失なんて異常なことなのに、忘れられたショックのほうが大きいなんて。
「えっと…、ツクモちゃんとかにも話を聞いてみるよ。何か思い出すかもしれないし。…ね?」
そんなふうに、取り繕うように笑わないで…。
ずっと幸せに暮らしてきたのに、どうして今になってこうなったんだろう。
お願い…思い出して。
「なんでも話すよ。俺たちが今までどんな風に過ごしてきたかとか、どうやって付き合い始めたかも、全部話すから…っ!!」
「與儀、ちょっと落ち着いて…っ」
「落ち着けないよ!!」
焦ったって意味はないのはわかっているけど、このままこれで終わりにしたら、本当に終わっちゃう気がした。
だから俺は戸惑っているルアちゃんの腕を掴むと、そのまま引き寄せた。
「與…っ?」
後頭部を押さえ込んで自分の唇をルアちゃんの可愛い唇に押し当てると、肩を強く押されたから、離れないようにって体に力を入れた勢いで、俺たちはソファーに倒れ込んだ。
押し倒された形になってビックリしているルアちゃんの上に乗って、逃げようともがくのをまた押さえつけて無理矢理にキスをした。
「んんっ…っや、待って…っ」
首をそらすたび離れる唇を、追いかけてまた塞ぐ。
そのたびチュッ…チュッ、と音と吐息が部屋に響く。
だけどそこに愛はない、これはキスじゃなく、意味のないただの唇のぶつけ合い。
それでも、止められない。お願いだから、思い出して。
どれだけ幸せなキスを重ねてきたか。
「んっ…っ…ふ」
「んっ…」
柔らかい感触は、なにも変わってない。
ルアちゃんと、ずっとずっとしたかったキス。
ずっと欲しかった愛しい唇。
………なのに。
こんなのはキスなんかじゃない。
ただ強引に唇を押しつけているだけ。
「…どれだけキスをしても…ここにルアちゃんの気持ちが込もっていないなら…意味なんかないよ…っ」
力づくのキスは、すればするほどただ虚しくなるだけだった。
「…っ」
このままじゃダメだ。そう思うのに。
俺は気持ちが焦るまま、心に湧く虚しさには蓋をして、ルアちゃんの服に手をかけた。
「っ…やっ……」
ボタンを外して露になった首筋に唇を押し当てると、ルアちゃんは身を強張らせた。
…本気の拒絶。それにも気づかないふりをして首筋にキスをしながら体をそっと撫でたけど
「い、や…っ…やめて、與儀…っ!!嫌…っ」
あんなに愛し合った日々を思い出して欲しかった。いつもみたいに触れればきっと、って……それだけなのに。
全力で嫌がりながら、俺の行為に恐怖で震えてる……本気で体を震わせている、その姿にとてつもなく胸が痛んだ。
なにしてるんだろ、俺……大好きなルアちゃんを、俺のせいでこんなに怖がらせるなんて……。
俺との行為を、あんなに愛し合った日々を、怖いと思わせるなんて。
一方的に感情をぶつけるなんて。…最低だ。
「…ごめ……っ」
「…與儀…!?」
また涙がこぼれそうになって、これ以上情けない姿は見せたくなかったから、そのままソファを降りて部屋を飛び出した。
袖でいくら拭いても涙は止まらない。
俺たちはもう、恋人じゃない。
それは、どちらかに自然に気持ちがなくなる、ごくありふれた別れとは全然違う形。
ある日突然シャットダウンされた。……何の前触れもなく。
やるせない気持ちのまま、やけっぱちで通路を歩いていると、曲がり角で誰かにぶつかった。
「痛っ!誰よもう!?」
「…イヴァ…姐さん…。」
「なによ與儀!?通路を歩くなら気をつけなさ……なに、アンタ。もしかして泣いてる?」
「…う…ううう…うあああ…っ…」
「な、なに!?なんなの!?」
「俺…っ…絶対嫌われた…っ!!うわぁぁぁんっ!!」
「なんなの!?もう!!」
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