(切甘)それでも愛を離せない
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「…元気になったら…また、私と任務、頑張ってくれる…?」
「もちろん!!」
「ありがとう…。」
愛しさを込めて交わしたキスは、とても柔らかくて優しい味。
ずっと会わないことなんて、今までなかったから…。
ちとせちゃんは落ち着いたのか、ようやく涙を止めて笑ってくれた。
やっぱり大好きな、やっと会えた笑顔。
それに、久しぶりに触れたぬくもり。もう、このぬくもりを手放すなんて無理。
俺にはやっぱり、ちとせちゃんがいないとダメなんだ。
「あ~……早く、いっっぱいギュッてしたいなぁ~…。」
「うん…私もされたいなぁ。」
「じゃ、ゆっくり休んで治してね。これからは、俺もお見舞いに来ていい…?」
「…うん、ありがとう。待ってるね。」
やっぱり、ちとせちゃんの笑顔…大好き。
これからも一緒にいて、愛してるって伝えられるね。
いっぱいこの笑顔と、泣き顔も見て、触れてぬくもりを感じるんだ。
これからもずっと、ずっと。
「ね…與儀」
「なに?」
「私…そんなに怒ると怖い…?」
「えっ………あ~…」
「…そこ、否定はしないわけね。」
う……すでに顔が怖い、です。
そりゃ…本気出されると…ねえ。
惚れた弱みもあるし……俺がちとせちゃんに敵うわけないでしょ~?
「あ、燭先生よりは、怖くない。」
「それフォローなの…?」
「一応……。」
なんだか複雑そうにして、すねた顔がまた可愛かった。
あ~…ギュッとしたい…。
でも、ちとせちゃんの身体に障るからいまは軽いキスで我慢かな。
艇に戻ってきたらいっぱい…ね?
しばらく離してあげないから。…ううん、もうずっと離さない。離してって言われても、離してなんてあげないからね。
「いっぱい、心配もかけてくれていいんだからね?」
「與儀もね。」
クスッ…と二人笑い合って、手をキュッと握った。
もう一回キスしちゃおっかな…と思ったら、燭先生が様子を見に来ちゃって…ビクッと逃げ腰の俺をちとせちゃんが笑ってる。
「なんだ、その汚れた格好は。」
「う…す、すみません…。」
俺の格好に厳しく眉を寄せた、燭先生のほうが、ずっと怖い…。
怒られて怖くても、ちとせちゃんが大好き。
任務をいっぱい頑張って、お見舞いにもなるべく行って…。
回復したら、笑って言うんだ。
『おかえり』
って。
そして、抱き締めて離さない。
☆☆☆
こんな私を、與儀は笑って許してくれた。
泣きたいくらいに安心した私は、やっぱり與儀に甘えているのかな。
だけど泣きたいくらいに、與儀が好き。
もしも與儀が危ないとき、私も助けてあげられないかもしれない。
それでも與儀はきっと、笑うね…。
私も、そんな自分になりたい。
私にはやっぱり、與儀が大事で必要な存在。
いつでも、笑って抱き締めてくれる腕があるから。
ちょっと泣き虫だけど、そこがまた良い大切な人。
私の帰る場所は與儀の腕の中だよ。
だからどうか、こんな私だけど一緒にいてください。
頑張って元気になって、また輪として艇に…與儀のもとに帰るから。
笑ってまた言ってね。
『おかえり』
……………って。
おわり
2013.09.18
リクエストありがとうございます。
輪として動いた與儀と、そのために怪我をしたヒロイン、それぞれの悲しみと葛藤。
輪として誇りをもち生きていても、やっぱり中身は感情のある人間で、心と頭がバラバラになってしまうことってあっても可笑しくはないのですよね…。
それでもお互いを大切に想うのも人間なのだと思います。
ご期待に添えられたでしょうか…。
リクエストありがとうございました!