(狂愛)深愛のアメジスト
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「君、大丈夫!?」
たった今起きた出来事が信じられず茫然とする私を、キレイなアメジスト色の二つの瞳が心配そうに見つめてる。
それでハッと我にかえると、さっき私をどうにかしようとしていた得体の知れない存在はいつの間にかいなくなっていて…かわりに、私を抱き上げている金髪の長身の男性。
「は、い…」
ようやくそれだけ声に出すと、必死な表情で私の様子を伺っていた男性は、ようやくホッと息をついて笑った。
「ごめんね、いきなりビックリしたよね。痛いところはない?具合が悪いところは?」
ゆっくり地面に降ろされた私の目の前に、怪我をしているその男性の手が見えた。
私よりあなたのほうが痛そう…って、未だ現実感がない中で私は思って…。
自分の髪に結んでいたリボンをほどいて、その手に巻いた。
「え!?いいよ!汚れちゃうし、かすり傷だから!」
でも、私は首を横に振って結んだ。
男の人にリボンなんて恥ずかしいかな…と思ったけど、男性は嫌がるようなそぶりは全く見せなかった。
「あ…ありがとう。新しいのを買って返すね。絶対!」
男性は瞳を見開いて驚いて…そして、また素敵な笑顔で笑った。
その表情に安心してフッと体が脱力して。
ようやく自分が極度の緊張で固まっていたことに気づいた。
一気に力が抜けた私を、また強い腕が抱き止めてくれた。
「だいじょうぶ、もう怖いことは終わったから。」
息をするのがやっとなくらい、震えが出てきた私の耳に、心地よく響く優しい声。
新しいのなんて…
その笑顔と真っ直ぐなお礼の言葉で、私はそれだけで充分です。
.