(切甘)一緒にいようね。
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「もぉ~…俺だって暇じゃないのに…」
ぶつぶつと文句を言いながら衣装部屋の前まできて、はたと気づいた。
どんな髪飾りか、聞いていない。
(…わかりやすいとこに置いてあればいいけど…。)
間違ったのを持っていったら確実に怒られる。
まぁ、わからなかったら携帯に連絡しよう…そう思いながら、ドアを開いた。
イヴァが戻ったと思い振り向いたリイナは、入ってきて立っていたのが與儀だったので驚いた。
中に入って、ドレスの後ろ姿のリイナがこちらを見て、與儀は思わず動きを止めた。
………否、止まった。
ドレス姿に目を見張り、心臓の鼓動が早くなっていく。
リイナのドレスは、純白に大きめのリボンとふんわりとしたレースをあしらった長いスカート、頭にはキラキラのティアラと、ベールを纏った…ウェディングドレスだったから。
「與儀…!?」
そのウェディングドレス姿をいきなり與儀に見られたことにリイナは固まり、與儀は息を飲んだ。
「すご…く…キレイ…」
まさか見られるとは思わなかった、リイナの花嫁衣装に、自然と言葉が出た。
キレイにメイクをしたリイナの頬が、赤く染まっていく。
ウェディングドレスを着たい、とイヴァに思いきって言ったときは、その本人ですら、本当に着られるとは思わなかった。
與儀は後ろ手にドアを閉め、ゆっくり近づいてくる。
リイナは恥ずかしくて俯いた。
しかし與儀が屈んで、覗いてくる。
「キレイだよ…?ちゃんと見せて…?」
優しく囁かれ、ゆっくり顔を上げた。
リイナを見る與儀の目もとても優しく、唇が弧を描いて微笑んでいる。
「い…一度でいいから、着てみたくて…。」
「うん……。すごく似合ってる。」
「本当に?」
「すうっっごく、キレイ。」
「……ありがとう。」
純粋な褒め言葉に、恥ずかしくも嬉しくなった。
リイナがあまりにキレイで、與儀は心臓が爆発しそうになっている。
俺のための装いだって、自惚れてもいい…?
そう思うと同時に胸が苦しくなり、思いきって腰から頭を下げた。
「…ごめん!!」
「え?なに!?」
突然の謝罪にビックリしてしまい、戸惑った。
「俺…ちゃんと考えればよかった。本当にごめん!」
「なに?なんのこと?」
「…そのドレスに似合うような指輪を、ちゃんとあげればよかったって思って…。」
「指輪?この前くれたでしょ?ニャンペローナ…」
「その、ニャンペローナだからつけてくれないのかな、って…。」
少し上げた與儀の顔がとても悲しそうで、リイナもなんだか切なくなった。
もしかして、つけていなかったことを気にしていたのだろうか。