(切甘)初恋は甘く切なく
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「さっきプールでした話、過去にしないで…。」
「ごめん…ごめんね…」
私はそのまま、與儀にしがみついた。
優しく撫でられたその手を、今度は払わない。
「リイナちゃんは輪だけど女の子だし、俺だって輪だけど…リイナちゃんを好きになって普通の男になったの、嬉しいんだからね?」
「………うん…」
こんなところで、折れている場合じゃない…。
輪として、そして女として生きる…。
手遅れだね…だって、もう與儀のこと、大好きで仕方ないんだから。
「…ねえ?…ん。」
與儀が私の目の前にきて目を細めて、キスに誘ってきた。
促されるまま私も薄目になって近づき、触れる瞬間に目を閉じた。
そして離れて、盛大にため息をつかれた。
「はあ~~…も、心臓が止まるかと思った……焦ったぁ…。別れるとか、やめてよ…。」
「ご、ごめん……」
「誰があんな状況になったって、俺に仲間もろともなんてできないし…ね?だからリイナちゃんは悪くないからね?」
「うん…」
與儀はいつも、甘い甘いお菓子みたいなふわふわした気持ちをくれる。
幸せ。與儀を好きになって…幸せだ。
やっぱり別れるなんて、できない…。
明るく笑った與儀が、ずっと暗いままにしていた部屋の電気をつけたから、眩しくて目をつぶった。
再び開けた私を、眉を寄せた與儀が見てる。
右手を取られて、唇を当てられた。
男に掴まれた指の跡が残ってる。
それから、首にも唇が降りてきた。
たぶん、絞められた跡が残ってるんだ。
「大丈夫だよ…ね?」
「うん…」
首に顔を埋めたままの與儀の髪を撫でた。
「…みんな心配しているから。できそうなら、ご飯を食べに行こう?」
「うん。」
そして優しく腕を引かれて、立ち上がった。
私は輪。
そして…與儀に恋してる女の子。
それで、いいんだ…。
おわり
2013.07.31