(片思い)LOVEとLIKEの境界線
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答えにヒヤヒヤする俺に、リイナちゃんはニコッと笑った。
「どうしたの?私も與儀のこと好きだよ?」
「……………」
言われて嬉しい言葉のはずなのに、切ないのは…
その唇から発した好きからは、恋とかそういう感情のニュアンスを読み取ることはできなかったから。
たぶんリイナちゃんのは…
LIKE
仲間として"好き"
俺は
LOVE
君に恋をしている
どうしたら伝わるの?
「あはは、ありがと。嬉しい!!」
胸は切なくなりながら、笑っておどけて見せて
ますます隠すしかないんだ…。
違うよ、LOVEなんだよ?って、そこまで突き詰めて言うことはできなくて。
だってリイナちゃんは俺を異性だと認識はしていても、恋愛対象という意味での男としては見ていないから。
俺は君を1人の女の子…恋愛対象として見ているなんて言ったら、君はきっと戸惑う。
特別意識をしていなかった相手に想われているなんて、きっと困っちゃうから。
確実に、俺はフラレてしまう。
この気持ちに気づいたばかりのころは、とにかく恥ずかしくて、でも一緒にいられるのが嬉しかった。
でも、いまは一緒にいるだけで切ない。
それは、リイナちゃんは俺を男として見ていないのを、知っているから。
ただの仲間だから。
俺の気持ちを知らないから。
俺の気持ちを知ったら…ねえ、どうする?
俺を意識して、男として見てくれるの。
俺は…俺だって男なのに。
君は女の子なのに。
どうしても恋にはならない。それがまたつらくて泣きそうになる。
「あれ?なにしてるの?」
「え?…うわ」
うわわ!
ボーッと作業をしていたから、飾りを通していたヒモが絡まっちゃってる!!
うわぁ…ほどかなきゃ。
慌てて頑張ってヒモを解こうとしたけど、焦れば焦れるほどますます絡まるばかり。
「わ…ど、どうしよ…」
「ちょっと貸して?」
「うん…ぇ」
向かいに座っていたリイナちゃんに何気なく隣に座られて、至近距離まで近づく。
うわ…うわぁあ…。
近い、近いよ……っ。
若干、体もくっついちゃってる…!!??
わぁぁあ!!!!
「ちょっと、そっちの端っこ持ってて?」
「う…うん……」
俺がヒモの端を持ってて、リイナちゃんが小さな指で、絡まっているところをするすると器用にほどいていく。
ついその様子を、じっと見てしまって。
まつげ、長いなぁ。
思いきり抱き締めたいなぁ、とか思っちゃう。
どうしたら、俺にドキドキしてくれるの。
俺みたいな男じゃ、ダメ?
やっぱり、平門さんや朔さんとか…あ、燭先生とか…もっと大人で落ち着いてる人のほうがいい…?
「もう、どうしたらこんなに絡まるの…」
しかたないなぁ、と呆れたような声がズキッとなる。
やっぱり、だめだなぁ…俺は。
「はい、ほどけた…あ」
「あ…」
カシャーンッ…
震えていた指から力が抜けて、ヒモからスルリと飾りが取れてバラバラに床に散らばった。
「わ、ご、ごめんっ!」
「あ、ううん…」
うわ…あきれられた…
絶対、さっきからなにやってるんだって思われてる。
「しょうがないなぁ」
(あ…)
「ごめん…」
ドジをしたのに、リイナちゃんは笑ってくれた。
かがんで拾い集めるのまで、手伝ってくれちゃって。
俺も慌ててかがんで、二人で拾い集める。
時折、頭がぶつかりそうなほど近づいて、そのたびに離れた。
一人ソワソワと落ち着かなくて、なんだかドジも増えた。
それって、かなり動揺してるってことだよね…。
好きすぎて。
「はぁ………」
「……また、ため息つく。」
「えっ?ついてた…?」
全然自覚がなくて、でもリイナちゃんは訝しんだ表情で俺を見てくる。
機嫌悪い?気を悪くさせちゃったかな…。
そうだよね、何度も自分の前でため息をつかれたら、嫌だよね…。