(甘)恋人同士のはじめかた。
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「仕方ないメエ。まだ就寝時間まで少しあるメエ。10分だけメエ。」
「あ、ありがと!!」
そのままポテポテと歩いていく羊を見送って、はたと気づく。
なにを必死になっているんだよ、俺!!
必死に10分ねばって、どんな用事だろうなんて思われていたら…っ。
ただ一緒にいたかっただけ…なんて。
でも。
さっき思わず掴んだ腕は、やっぱり男にはない、女の子特有の柔らかさがあって。
思い出してドキドキした。
もっと触りたい。
「どうしたの?」
って、首を傾げているリイナちゃん。
そのリイナちゃんに、きちんとまっすぐに向き合った。
「もう少しだけ、二人で一緒にいたかったんだ。…ごめんね。」
あきれられるかも…って思ったけど、リイナちゃんの頬が少し赤くなった。
「そっか…うん。じゃ、入る…?」
「あ…う、うん。」
たった10分。なのに。
部屋に招き入れてくれたリイナちゃんの動きが少しギクシャクしていて…。
気持ちが少し見えた、気がした。
俺を好きでいてくれてるって。
思っていいんだよね?
もう俺、片思いじゃない。
両思いで、恋人なんだって。
この部屋に一度も入ったことがないわけじゃないのに、すごく緊張する。
「あのさ…リイナちゃん。」
「…なに?」
緊張、するけど。
ドキドキしながらゆっくり、ゆっくり近づいた。
俺より小さいから、見上げられて…ギューッて、したくなる。
「抱き締めて、いい?」
「え…?あ、うん…」
片想いから両想いになって…恋人同士のはじめかたなんて、よくわからない。
わからないけど、きっと決まりなんてないんだ。
すこしづつ、なっていくんだ。
抱き締めたいと思ったときにすればいい…。
そうやって、なっていけばいいんだよね?
小さく頷いてくれたから、両腕を伸ばして…ゆっくり包み込んだ。
俺の腕に静かに体を預けてくれてる。
暖かくて、やわらかい。
俺のドキドキが伝わっちゃうかな。
身長的に仕方ないけど、ずるいなぁ…。
俺だって、リイナちゃんがドキドキしてくれているか知りたいよ。
こんなに好きだから。
「ごめんね、これだけで…とくに用事はないんだけど…。」
それなのにねばった俺が、滑稽に映っていなければいいんだけど。
リイナちゃんはそっと俺の背中に腕を回して、胸にギュッと顔を押し付けてきた。