(甘)恋人同士のはじめかた。
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「結局、負けちゃったねぇ」
「ごめんね、せっかくアドバイスくれたのに…」
部屋に戻る道すがら、ひたすらリイナちゃんに謝った。
結局負けちゃって、花礫くんは楽勝!!って顔をして。
リイナちゃんは
『次は負けないからね!』
って言ってたけど、悔しがるより笑ってた。
「私こそ口出ししてごめんね。无ちゃんがあんなキラキラした目で、花礫すごい!!なんて言ってるの見ちゃったら、悔しいのなんて飛んでいっちゃうよね。」
「うん。すっごく楽しかったね。またやりたいなぁ。」
「やろうよ、また。みんなで。」
「うん…」
(みんなで……か。)
さっきから握りたくて仕方ない手が、なかなかリイナちゃんの手にたどり着かなくて空回りしてる。
すぐ横にあるのに。
付き合っているんだから、過剰に心配すること、ないのに。
モタモタしているうちに部屋に着いてしまって、ドアの前で立ち止まる。
もう、寝ないといけない時間。
「じゃあまた明日ね。おやすみ與儀。」
「あ…うん、おやすみ…」
リイナちゃんはドアノブに手をかけて、開いた。
同じ艇で生活をしていて、明日また会える。
毎日毎日…会えるのに。
名残惜しくて、自然に体が動いて、気づくとリイナちゃんの腕を掴んでいた。
ビックリして振り返るリイナちゃん。
「あのさ…っ、ちょっとだけ、いい?部屋に入っても…。」
「え?今?」
急ぐ必要はないのだけど、勢いというか、タイミングというか。
とにかく、今なら。
そう思ったんだけど、通りかかった羊が俺たちの横に立った。
「もうすぐ就寝時間メエ。部屋に戻るメエ。」
「もうちょっとだけダメかな?」
「寝るメエ。」
「10分…いや、5分でいいから!!」
ひたすらねばる俺に羊はしばらく無言になり、リイナちゃんも黙って俺を見てる。
それから羊はくるりと背を向けた。