年下の彼
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「トッキーが最近、なんだか元気がないんだよねぇ。だから励ましてあげたくてさ?あの通り、本音は言わない子だから。かなちゃんはなにか知ってる?」
「え?…さあ、わっかりませんねぇ~?」
一瞬、私のせいかなとドキッとした。
一ノ瀬くんが元気ない?
こう見えて意外と勘が鋭い嶺ちゃんが言うのだから、本当のことなのだとは思うけど。
「よぉし送信バキュン!!」
「ちなみに…誰になにを?」
「んん?トッキーにね。いまかなちゃんの部屋にいるんだけどぉ、早く来ないと僕ちんがいただいちゃうぉ?って。」
「はい!?」
「そうしないとトッキー来ないかな?って。」
てへ☆と笑うこの人は本当に私より年上ですか?
「来ないですよ!なんの冗談だって笑われて終わりですし、嶺ちゃんにいただかれてたまりますか!」
「あれー?僕フラれちゃったぁ、しょぼん。」
「もう本っ当に暇なら他をあたるか実家の手伝いをしてきてくださいよ!!」
「えー!?冷たいー!!複雑なこの気持ち!!」
「はぁ…一ノ瀬くんはこんなことでは動じな…」
ピンポーン!!
「はっや!!!」
え、うそでしょ?
「はいはぁい!」
「ちょ、嶺ちゃん勝手に!」
一ノ瀬くんじゃなかったら色々まずい!!…のに、さっさと扉を開けられてしまって。
少し開けたら、バンッと勢いよく開いてビックリした。
「こ、寿さん!!いまの、メールは!どういう…こと、ですか!!」
扉の向こうには…珍しく息を切らした一ノ瀬くんがいまして…。
超ドヤ顔の嶺ちゃんが、私を見ましたよ。
「ほらね?トッキー釣れた!!」
そうして、なし崩しにうちで祝賀会が始まりました…。
「私の祝賀会…ですか…」
メールの件もあり、一ノ瀬くんが若干不機嫌なのが、ひっしひし伝わってくる。
まぁ、あんな呼び出しかたをされたら誰でも怒るわけで…。
そもそもが、嶺ちゃんの私をいただいちゃうぞ発言に飛んできた一ノ瀬くんにも驚いたというか。
「わああい、女の子!って感じの部屋ー!」
「そこ!!物色とかしないでくださいよ!?」
「しませぇん!」
「…本当にあれが、私を祝うムードですか?」
「うーん………」
とりあえず嶺ちゃんからいただいたビニール袋の中身を開いてみたのだけど、入っていたのはギッチリ缶ビールとチューハイ。
「お酒しかないじゃないですか!」
「ちゃんとソフトドリンクも入ってますよー!トッキー未成年だもん、飲ませたら年長者の僕ちんの責任だもんね。」
「…食べ物…は」
「なにか作って~?女の子の手料理に飢えてるのっ」
いきなり来たあげくに食事の仕度!?
「さっきから言ってるのですが…私今日は疲労困憊なんですよぉ……」
「いいですよ。私がやりますので、キッチンをお借りしてもいいですか?」
「あ、いいよいいよ、やるから。嶺ちゃん先輩は私をご指名みたいだし。一ノ瀬くんの祝賀会だしね…。」
「しかし…」
「だーいじょうぶ。お姉さんそんなにヤワじゃないから。」
さすがに京都と奈良を日帰りで、ご当地グルメを食べ回ってきたとは言えなかったけどね。
ちょうど京都で買ったお土産もあるし、なんとかなるでしょう。
「んー…嶺ちゃんはコレとコレで…ああ、最近買い物していなかったなぁ…」
キッチンに入り冷蔵庫を物色してみたけど、簡単なおつまみしかできそうにない。
まぁ、時間的に考えてあまり食べないほうがいいでしょう、みんな。
手伝ってくれる気なのか、同じく一ノ瀬くんもキッチンに入ってきた。
「あの、すみません、言いにくいのですが私は…」
「うん、わかってる。カロリー控えめだよね?一ノ瀬くんはドリンクだし、無理に食べなくていいからね?」
さすがにアルコールで空腹はまずいけど。
一ノ瀬くんは驚いた顔をした。
「何故それを?」
「ん?見ればわかるよ。一ノ瀬くん、すっごく意識も高いし自己管理しっかりしてるっぽいし。」
「そうですか…」
チラッと目線を向けると、顔を赤らめてそらされてしまった。
大人っぽくても、年相応の男の子なんだな……。
そういうところ、可愛い。
思っちゃいけないけど…。