(甘)癒してあげる
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お風呂に入ってドライヤーをかけていたら、玄関でガタッと音がした。
いったんドライヤーを止めて廊下に顔を出すと、ちょうどトキヤくんが帰宅して靴を脱ぐところで。
「おかえりなさい、早かったんだね。」
「ええ、撮影が順調に進みまして。ただいま。お風呂ですか?」
「うん、いま上がったところ。」
サワサワと髪を撫でられ、くすぐったくて目を閉じた。
「半乾きですね、まだ途中でしたか。早く乾かしてきなさい?」
「はーい。」
「私もお風呂をいただきます。」
トキヤくんは1度リビングに荷物を置きに入った。
私はまた洗面所に入ってドライヤーの続きをする。
早くしないと、邪魔になっちゃうね。
毛先がなかなか乾かないんだけど、タオルで擦ったりすると、痛みますよ!と怒られるから…。
洗い流さないタイプのトリートメントオイルをつけて、乾かす。
トキヤくんと一緒にいるようになってから、すっかり女子力が上がった気がするよ。
そうこうしているうちにトキヤくんが入ってきて、うしろでバスタオルやクリームなんかの準備をしてる。
さっき女子力うんぬんについて一人考えていたばかりだったから、なんだか笑えた。
私のニヤニヤに気づいて、鏡越しに怪訝な顔をされる。
「なんです?」
「んーん。ごゆっくり。すぐ終わるから。」
なんだか納得できていないご様子ですが、トキヤくんは私に背を向けて脱ぎ出した。
キレイな背筋だなぁ、って、相変わらずウットリする。
そのまま小さいタオルを持って入っていくのを見送って、私もドライヤーを終えた。
ぺたぺたと化粧水とクリームを塗り込んでいると、中からシャカシャカと体を洗う音がする。
なんとなく思い立って、バッとドアを開けたら、やっぱり体を洗うトキヤくんがびっくりして振り返った。
「な…いきなりドアを開けるんじゃありません!驚きましたよ!」
「あ、ごめん…たまには背中を流してあげようかなぁ?なんて。」
「はぁ…?間に合っていますよ。それに、あなたもお風呂上がりですから。また汗をかきますよ。」
「まぁまぁ。」
なかば強引に中に入って、パジャマを膝の上までめくって床についた。
「人の話は聞きなさい。」
「たまにはね、トキヤくんの疲れを癒してあげたいし…こうしてコミュニケーションをとりたいな、って。」
「………」
「スポンジ、貸して?」
最近はあまり時間がなくて、一緒にいる時間がなくなったのも事実だから。
それはトキヤくんも同じ気持ちだったみたい。
スポンジを渡してくれたから、ギュッと絞って泡を出して、トキヤくんの背中を洗った。
「力加減はどう?」
「…くすぐったいです。」
「じゃ、ちょっと強くするね。」
ゴシゴシ…と
うなじから、形のいい肩甲骨、背中の中心の線から背筋まで円を描いて磨いていく。
「どうですかぁ?」
「…もう結構です。あとは自分でやりますから。」
「え?まだ半分しかやってないよ?」
「充分ですよ、ありがとうございます。」
パッとスポンジをとられた。
お気に召さなかったのかなぁ…と、浴槽からかけ湯をしてドアに向かった…とき。
続きをしないトキヤくんが固まったまま動かない。
「どうしたの?」
「いえ…平気です。」
あれ
心なしか、前屈みになってる気がするよ。
「それより…早く出てください。」
「…………」
なにかピンときたので
私はトキヤくんのうなじを指先でなぞりました。
ビクッとなる、トキヤくんの身体。
「ねえトキヤくん…」
「なんです…」
「私ね…久しぶりに、寝室で待ってるからね。」
「はい?」
驚いた顔を向けられたので、ニッコリ返した。
「一人でここで解決しないでね?」
瞬間
かぁあ…っと、トキヤくんは真っ赤になった。
「待ってるからね。ベッドで。」
そのままパタンと閉めて、宣言を実行すべく寝室に入った。
今ごろトキヤくんは、わたわたしながら早く入浴を終わらせるべく急いでいるだろう。
私も実はドキドキしながら…
トキヤくんがあがってくるのを待ってた。
おわり
2013.07.06