(甘)プリンスさまの男子会
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
課題をやるために、四ノ宮と一十木と俺の部屋に集まっていたときだった。
一段落をしたところで、ふと一十木が、ペンをコロコロと転がしながらふいに口を開いた。
「…そういえばさ。マサはどんな子がタイプなの?」
「タイプ…とは?」
質問の意図がわからず首を傾げると、一十木はさらに俺に近づき笑った。
「だからさ、どんな女の子が好きかってこと。今まであんまりこんな話したことなかったから気になってさ。」
「…あまり、女性を自分の好みに当てはめて考えたことはないが……。」
「うそ…本当に?」
…事実だ。
女子のことはよくわからんし、そもそも好みに当てはめて考えるなど、失礼ではないのだろうか…。
「いやいや…アイドルになったら、あちこちでインタビューされた時に聞かれる質問の定番だよ。」
「そうなのか?」
「うん…すぐに答えられるように、だいたいの答えを考えておいたほうがいいと思うけど。」
ふむ……それは確かに、一理ある。
アイドルたるもの、いかなるときでも求められたことには答えねば。
「ファンもさ、マサの好みのタイプ、一番知りたいと思うよぉ?」
「そうですねぇ~。少しでも好みに近づきたいって頑張る女の子、可愛らしいと思います。」
「それぞれに良いところがあるだろうに…無理に合わせる必要はないのでは…」
「堅いなぁ…それが女の子なんだって。」
ううむ…
やはり、俺はあまり女性のことを知らないようだ。
学園に来てからは、何度か女性と接する機会はあったのだが…。
確かにアイドルを目指すならば、ファンの大半は女性だろう…。
もっと女性というものを知るべきか。
皆はどうなのだろうと思い、聞いてみた。
「ちなみに、一十木と四ノ宮はどうなのだ?その、女性のタイプとは。」
「俺は、やっぱり笑顔かな。笑顔が可愛い子って、一緒にいて楽しいよね。」
「なるほど、確かにそうだな。女性の笑顔はいいものだ。」
それならば、様々なタイプの女性が当てはまり受け入れられやすい答えかもしれん。
たとえば元気な女性がいいと言ってしまえば、大人しい女性を傷つけることになるだろう…。
なかなか奥が深いな…。
「僕はですねぇ、やっぱり小さくて可愛い女の子です。ぎゅうってしたくなります。たとえばかなでちゃんとか!」
「なっ!!!」
「あ、マサ…那月のはあれだよ、小動物と同じ感覚だから…那月も、個人名を出すのはまずいと思うよ」
「そうですかぁ…。」
勢いで立ち上がりそうになった俺を、すぐさま一十木が諭した。
……なんだ、驚いた。
友と恋敵など、考えたくもない。
「ふむ…」
力加減はしてもらいたいものだが、背が高い四ノ宮ならば、大概の女性は小さな女の子に当てはまるだろう…。
なるほど、二人とも完璧だ。
そこまで考えていたとは。
「で、マサは?」
俺は自分なりの答えをじっくり思案した。
…なぜ二人とも、そのようにワクワクした目で見るのだ。
「強いてあげるならば…優しくて淑やかな女性…だろうか。いや、淑やかとなると…快活な女性は困ってしまうだろうか…」
「そこまで考えなくても…」
「真斗くんは真面目ですねぇ。」
しかし、女性を傷つけるわけにはいかないだろう…。
これは、なかなか難しいな…。
「優しくて、淑やか…といえば。まるでかなでちゃんみたいな人ですね?」
「…っ…」
動揺する心を、慌てて静める。
いかん、落ち着け。