(甘)未来計画
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たどたどしい、けれど可愛らしいピアノの音色が、部屋に響く。
何度か間違えながら、なんとか弾き終えた真衣ちゃんは、恥ずかしそうに、こちらを見た。
真斗くんと二人で拍手をすると、ぱぁっと明るい笑顔を向けてくれた。
「お兄ちゃま!真衣、できたよ!」
「ああ、とても良かったぞ。」
真斗くんの大きな手が小さな真衣ちゃんの頭に置かれて、なんとも微笑ましい空気が流れてる。
兄妹っていいものだね。
真衣ちゃんは可愛いし、そんな真衣ちゃんを見る真斗くんは、とても素敵なお兄さん。
今日は、真斗くんの妹さんの真衣ちゃんが遊びにきている。
どうしても真斗くんに会いたいと言い、困りながらじいやさんが寮に連れて来た。
今日はお父さんがいないのだとかで。
真斗くんは仕方ないなと言いながら真衣ちゃんを迎え入れ、ピアノを弾かせて欲しいとうちに来た。
前に一緒に早乙女キングダムに行ったのを覚えていてくれたのか、私にも会いたかったと言ってくれた。
ピアノを優雅に弾く真斗くんの姿に真衣ちゃんは目をキラキラさせ、自分も弾きたいと言って…
「俺は独学だからな…」
と言うので、私がドレミファから少しづつ教えて、かえるのうたを弾けるようになった。
「お姉ちゃん…どうだった?」
「うん、とっても上手だったよ。」
さすが真斗くんの妹さん…と感心してしまうくらい、真衣ちゃんの飲み込みは早くてびっくり。
これなら、あっという間に覚えてもっと上手になりそう。
「真衣も家では、じぃに教わるといい。お兄ちゃまも、そうして覚えたのだ。」
「うん!でも…」
つぶらで大きな瞳が、私に向けられた。
「また、お姉ちゃんにおしえてもらってもいい…?」
「もちろん!」
「わぁい!」
可愛いな…。
そうして、また何度も何度も繰り返し弾く真衣ちゃんを見守る真斗くんの顔は、優しさで溢れていた。
真斗くんの携帯にじいやさんから電話が入り、私のうちにいることを告げると…じいやさんはなんだか複雑そうな顔をしながら、真衣ちゃんを迎えに来た。
まだ私たちのことを認めていただくには、時間がかかりそう。
そろそろ帰る時間ということで、真衣ちゃんは泣きそうな顔をした。
「真衣、また来るといい。」
「うん……お姉ちゃんも、またあそんでくれる?」
「うん、また来てね。楽しみに待ってるよ。」
「うん!」
「さ、お嬢様。旦那様がそろそろ戻って参りますので…」
「はぁい…じゃあまたね、お兄ちゃま…」
寂しそうな顔がなんだか可哀想で、私も胸が痛みむ。
真斗くんも寂しそう。
やっぱり心配だよね…。
「また、三人で遊ぼう?」
「そうだな…」
次はいつになるかはわからないけれど…私も真衣ちゃんがすっかり可愛くなった。
だから、いつでも遊びにきてほしい。