(甘)プリンスさまの男子会
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「へえ…?」
「…レン、なにを言ったの?」
一人感心する神宮寺に、一十木がおそるおそる聞く。
まさか、不埒なことでも言ったのではあるまいな…?
そうだったならば許さん。
徹底的に叩きのめす…!!
「別に…。それとも聖川みたいな男か?って聞いただけさ。」
なっ……。
その場全員の視線が、こちらに集中する。
思考がかたまってしまい、いまの神宮寺の言葉をうまく脳内で整理ができない。
「マサ?おーい」
「完全に固まっていますねぇ…。」
「免疫がないやつは、これだから……」
なぜ…俺のことを聞かれ、あのように赤くなりながら逃げるのだ……。
やっと動けるようになり、ガタンッと立ち上がり神宮寺を睨みつけた。
「嘘を言うな!どうせなにか破廉恥なことでも言ったのだろう!!彼女が純粋だから、からかって…」
「おいおい、俺がレディに対してそんなことをするか。どうやらレディは、堅物がお好みらしいな。そりゃ、俺には無理なわけだ。」
「!!」
先程の様子を思い出してしまい、再び体が固まる。
まさか、そんな。
否定しようとする俺と、期待している俺が頭の中で小競り合う。
バンッ
と、一十木に思いきり背中を叩かれた。
「ぐっ……」
「早く追いかけなって。」
「しかし…」
「あのまま一人にできる?じゃなきゃ俺が行ってきちゃうよ?」
それは、困る。
心を決め、部屋を出て走った。
気づけば俺の中からは恋愛禁止という言葉は飛んで行ってしまい…
ただ、なぜあんなにも赤くなったのか、理由が知りたくなっていた。
あちこち捜し回り、裏庭でようやく見つけたとき、綾瀬はしゃがみこんで俯いていた。
「…綾瀬」
声をかけた途端、綾瀬はビクッと跳ねて立ち上がった。
視線を迷わせ赤くなっているのは…やはり…そう、なのか?
それとも、俺の思い違いか?
俺たちは同じ気持ちだと、思っていいのか。
「すみません…いきなり飛び出して」
「いや、気にするな…。その…神宮寺に、何か言われたのか?」
意地悪な言い方だっただろうか。
しかし、知りたい。
お前の口から。
「なんでも!!なんでもない!!」
「そうか…?」
期待してもいいのだろうか。
お前も同じ気持ちだと。
せつなくて、だが心地よく心臓が鼓動を刻む。
初恋なのだ。
お前が……。
こんな気持ちにさせてくれるのは、お前が初めてだ。
お前のどこかがではなく、すべてが愛しい。
いつかそれを、伝えられるだろうか?
「あの…真斗くんのタイプは…優しい人…とか」
「ああ、そんなことを言ったな…」
「…私も、優しい人が好きです。真斗くんみたいな…。あ、もちろんみんなも優しいけど…これで、質問の答えになる…?」
不安げに見つめてくるその瞳も、愛しい。
また固まってしまいそうな思考を、フルに稼働させる。
「充分だ。俺も、お前のように優しい女性が好きだ。」
そして、お前のすべてが好きだ。
いつか、そう言わせてほしい。
そのとき、笑顔で答えてくれたなら…
俺はもうずっと、お前を離さない。
ーーーENDーーー
2013.06.30