(甘)プリンスさまの男子会
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「じゃあ、レンの女の子のタイプってなんなの?」
「ふっ…俺は全世界のレディの恋人だからね。俺の好みなんてものは必要はないだろう?」
「…だと思った。」
ならば、貴様を呼ぶ必要もないだろう…。
しかし、先程話していた内容だけに、本人が来ると妙に焦る。
それを知ってか知らずか、よりによって神宮寺が俺に顔を向けて嫌な笑みを浮かべた。
「で、聖川はどうなんだ?」
「なにがだ」
軽くにらんでみるが、奴は全く動じもせず飄々としている。
「女の子の好みさ。お前みたいな堅物がどう答えるか、興味があるね。…ねぇ、レディもそう思うだろう?」
「え…?」
目をやると、急に話を振られた綾瀬は驚きながら、俺に目を向けてくる。
少しは、俺の女性の好みを気にしてくれてはいるのだろうか?
お前だと、言いたくなる。
そもそも好みだからではなく、いつのまにかお前自身を好きになっていた、と。
一十木と四ノ宮は、黙って見守っている。
自分でなんとかせねば。
「なんてことはない。ただ、優しい女性だ。」
「ふうん?アイドルとしてはまぁ無難でパーフェクトな答えだな。しかし、優しい女性なら誰でもいいわけじゃないんだろう?」
「…なにが言いたい」
彼女自身に気づかれぬよう、神宮寺はちらりと綾瀬に目を向けた。
まさか、いま答えを出せというわけではあるまいな…。
そのあと俺に視線を戻し、挑発的な笑みを浮かべ綾瀬の肩を抱いた。
この…っ!!
「まあいい。俺は、レディの好みの男が気になるな。」
「へ?わ、私!?」
おそらく肩に手を回されたことと、突然の質問に綾瀬は頬を赤く染めた。
こればかりはもう、看過できん。
「神宮寺!!彼女にやすやすと触れるな!!」
「そう言うが、実はお前も気になるんだろう?レディはどんな男が好きなのか。」
気にならない…わけではないが…。
もし神宮寺のような男がいいと言われたなら、俺はそうなる自信はない。
一十木や四ノ宮…一ノ瀬や来栖のようなタイプでもそうだ…俺には無理だ。
俺は俺でしかない。
しかし…少しでも相手の好みに近づきたい…という気持ちが、少しはわかった気はする。
綾瀬は、俺のような男をどう思うだろう?
俺ではだめか、と聞きたくなる。
俺を選んでもらえたなら、全力で大切にするというのに。
「私ごときがそんな…っ!男の人のタイプなんて…っ」
うむ…その奥ゆかしさも、いい…。
「そう言わずに。アイドルとして、女性目線からの男のタイプを是非聞きたいね?個人的にも…ね。」
「え、あ、アイドルとして…?」
「そう。参考までに。」
悔しいが…誘導のしかたが上手い。
だてに女性を相手にしてはいないな…。
そう言われては、真面目な綾瀬は協力しようとするだろう。
「なんならこの中から選んでもいい。イッキみたいな元気なタイプか?それともシノミーのような優しいタイプ?それとも俺?」
「あ、それは俺も聞きたい!」
「僕もです。」
き…貴様ら…!!
「え、あの…っ!そんな、皆から選ぶなんて…っ」
綾瀬の顔が、みるみる赤くなっていく。
まんざらでもないのか?
この中に…好みのタイプがいるのか?
「あ…でも、綾瀬はHAYATOのファンなんだっけ。じゃあトキヤが近いのかな?」
一ノ瀬…だと?
「…それは…」
うろたえる綾瀬の耳元に神宮寺は近づき、なにやらボソッと囁いた。
こちらからは何も聞こえない。
そうされた途端、綾瀬は爆発でもしかねない勢いで赤くなり、大きな瞳をさらにこぼれ落ちそうなくらいに見開いた。
「そんなことは…っ!!ありませんーっ!!!」
「あっ…」
赤いままの顔を両手で押さえ、綾瀬は神宮寺の腕から抜け出し、脱兎のごとくものすごい早さで走り去っていった。