(甘)ルームウェアにて
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「んーーっ」
白い湯気の立つ熱い湯船の中で、私は手を組んで思いきり背伸びをした。
依頼されていたBGMのお仕事がようやく終わって、やっとゆっくりできる時間ができたのです。
当然お仕事中もお風呂は入っていたけれど、時にはシャワーだけで済ませてしまう時もあって…
こんなにのびのびと湯船に浸かれたのは、本当に久しぶり。
とっておいたお気に入りの入浴剤も入れて、ふわふわしたお花の香りに包まれて、ぽかぽか…いい気持ち。
疲れが一気に抜けて、お湯の中で溶けていくみたい…。
あ、寝ちゃいそう…ダメダメ…。
ひとしきりお風呂を楽しんだあと、濡れた体を拭いて湯上がり用のウェアに着替えをしたところで、電話が鳴った。
「はい、もしもし…?」
『かなか?』
「…真斗くん?」
電話の向こうから聞こえてきたのは、私の…彼氏さんの真斗くん。
深夜だからか遠慮がちだけど、久しぶりに聞いた声に思わずドキドキした。
「どうしたの?」
『ああ…すまない、遅いので迷ったのだが…久しぶりに仕事が少し早めに終わってな。お前の声が聞きたくなった。』
ああ…また、ドキドキしてる。
早乙女学園を卒業したあと、無事に事務所に所属できた真斗くんは、デビューしてから少しづつお仕事が入り、あまり会えなくなっていた。
お仕事が順調なのはとても良いこと。
でも…少し、寂しかったりも…する。
『もう休んでいたところか?』
「あ、ううん…仕事がやっと終わったから、ゆっくりしてた…」
『そうか…』
何かを言いたげに、語尾に含みをもたせた話し方をする真斗くん。
つい…会いたい、と言ってしまいそう。
まだ22時を過ぎたばかりの今なら…
そう思って、慌てて消した。
だって、明日も忙しいだろうから…。
迷惑をかけるわけにはいかない。
だけど、電話の向こうで何やら呼吸をするような音が聞こえて…また遠慮がちな声が私の耳に届いた。
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