一万打ヒット記念短編集
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平門
『意外とアレですね』
パラ………
カリカリカリ…
「…平門さん、ひとつ聞きたいのですが…」
「なんだ?」
先程から、執務室で仕事をこなしている平門さんに、抱いていた疑問を思いきってぶつけてみた。
背中に感じるぬくもりと、すっぽりと私を包む腕。
「何故、私はいま、平門さんのお膝に乗っけされているのでしょう?」
そう。
平門さんはチェアに腰掛け、何故か私を膝に乗せて抱っこをしながら、書類に目を通し、書き込んだりをしている。
「嫌なのか?」
「嫌って次元じゃなく、素朴な疑問です。」
しかもこの次々に目の前で処理されていく書類……一介の闘員である私が見てしまってもいいのかな。
上だけの重要書類とかではないの?
「嫌いではないだろう?」
とん、と肩に顎を乗せられ、ますます体がくっつく。
さすがに恥ずかしい。
「誰か来たら、どうするんですか」
「心配するな。いきなり入ってくるような奴は、ここにはいない。」
「そうですか…」
「もうすぐ終わるから、それまで我慢していなさい。終わったら好きなだけ…」
「聞かない。それ以上は聞かない!!」
なんの我慢ですか!
明らかに、膝に乗っけされていることを我慢しろって意味じゃないでしょ、それ。
「素直じゃないな」
「あなたが意外とアレなだけです…」
クク…と、耳元で静かな笑い声が聞こえる。
この人は読めない。
穏やかな笑顔を浮かべる眼鏡の奥で、何を考えているのか。
「まぁそう急くな。こちらも早く終わらせたくて焦っているんだからな。」
「全く急いていません…降りていいですか…普通に終わるのを待っていますから!!」
誰もいないからってこんな…。
恥ずかしくて、どうにかなりそう。
「残念だ」
そう言いながらも、離すつもりはない、といいたげに、私の体に絡まる両腕。
諦めるしかない…かな…。
そうしている間にも、たんたんと書類は片付いていく。
状況は抜きにして、仕事のやり手具合は目を見張る。
そんな人が部下とくっつくなんて、誰が思う?
ま、そんな人に惹かれて一緒にいるわけなんだけど…。
この腕だって、正直大好きだし。
格好は恥ずかしいけど、嫌じゃないのは確か。
平門さんが私を甘やかすなんて、あまりないんだもの。
(…あ、でも…これって平門さんが甘えてる…のか、な?)
どっちだろう…うーん。
わからないまま首を傾げていると、スルッと抜けた平門さんの右手が、おろしている私の髪を撫でて、前にまとめた。
「考え事か?上の空みたいだな。」
「…平門さんのことを考えていたんです。」
「そうか…。何を考えていた?」
「ひ、秘密です。」
平門さんが私に甘えているのかも?
……なんて、言えるわけがない。
だけど平門さんはそれを許さなくて。
「隠し事か?」
「違いま…わ!?」
否定するより先に視界がいきなり真っ暗になりビックリして声がでた。
頭に何かある…そんな感触がして、そっと手を添えてその謎の物体をなぞって形を確認してみる。
これは…シルクハット?
どうやら平門さんが、自分のシルクハットを私にかぶせたみたい。
ちょうど平門さんの頭に被るそのシルクハットのサイズは私には少し大きくて。
私の頭をすっぽりと覆ってまるで目隠しみたいになった。
取ろうとした手を掴まれて、両手まとめて、どうやら机の上?にまとめられてしまって動けなくなった。
暗くて何も見えない。
「平門さん?何する…んっ…ひゃっ」
髪を掻き分けられてあらわになったうなじに、ヌルッと熱い感触を感じてゾワッと全身が粟立った。
「な、なに!?なんですか!?」
その正体がわからなくて、怖くて…でも場所が場所なだけに、恥ずかしながら妙な気持ちになる。
うなじに当たっているそれは、上から下へツツ…と下がっていく。
「ひゃっ…ん」
目隠しのせいか触感が敏感になってる。
じたばたしてみるけれど、押さえつけられた両手は動かない。
「相変わらず弱いな。視角を塞いだから余計か?」
平門さんが喋ったことで、何かがたどった後に熱い吐息がかかりピクッとした。
もしかして…もしかしてだけど。
…舐めた!?
いまのは平門さんの…舌!?
うわわわ…か、考えたくなかった。
端から見たらこの事態、恥ずかしすぎる。
よりによってシルクハットで目隠しなんて。
「平門さん…っ!も、離して。シルクハット取って!!」
「さて、どうするか。」
絶対取る気、ない。
ちぅ…とうなじの下の首筋に吸い付かれる。
お腹の辺りに回されていた左手が、ソロッと私の体のラインをなぞった。
「吸い付かないで…」
「髪で隠れるだろう?」
そういう問題じゃない…のに。
嫌じゃない…自分がいる。
意地悪モードの平門さん。
「…こんな使い方、帽子乙女が怒りますよ…?」
「うちの乙女たちは忠実だからな。俺の乙女はどうやらヤキモチか?」
「違います…っ!!」
もしや帽子乙女が見てるかと思ったらどうにかなってしまいそうなんです。
「では、こちらの乙女は何を考えていたのかな…?」
「う…」
脇腹の辺りを撫でられてくすぐったい。
身をよじって抵抗しても、勝てるわけはないけど。
「平門さんは…甘えることってありますか…?」
「甘える?」
「甘やかすだけじゃなく、甘えることがあるかです。」
「考えたことがないな。」
それはそうだ。
平門さん自身に、人に甘えたくなる感情があるのかはわからないし
あるとしても、表には決して出さない。
私に、対しても…。
「どちらかと言うと、甘やかすほうだろう?」
「滅多に甘やかさないくせに…。」
「心外だな。充分に甘やかしているだろう。今も。」
「ふ……ぁ」
先程吸い付かれた場所に、舌が這った。
「今だけでなく、ベッドでもたくさん甘やかしているつもりなんだがな。」
「なっ…!!!」
こんなことをしている平門さんが、いまどんな顔をしているのかは見えない。
だけど。絶対楽しんでる。
「事実だろう。」
「知りませんよ…っ」
「では、もう少し待っていろ。仕事が片付いたら、夜たっぷり甘やかしてやる。」
「いりません…っ」
また首筋から笑い声が聞こえた。
「こちらの乙女は本当に素直じゃないな。」
いきなり目の前が明るくなり、眩しさに目を瞑った。
シルクハットを取られたんだ。
よかった。目隠しのまま何をされるのかと思った…。
気をもみすぎだと思うけど、個人的に次に帽子乙女に会うのが気まずい。
主じゃない私が被っちゃってよかったのかどうか。
視界が明らかになると、やっぱり卓上でひとまとめにされている自分の両手が目に入った。
「今夜、素直にさせてやる。覚悟しておきなさい?」
「えっ」
バッ…と首を後ろに向けると
何やら企んでいる策士な笑顔が眼鏡の奥に垣間見えた。
「わ、私…今夜はツクモちゃんと寝ます…っ」
「ツクモは今夜は夜勤だ。」
「じゃ、イヴァ姐さ…」
「長期任務でいないのを知っているだろう。」
「………ょ…」
與儀、と口走りそうで止めた。
一瞬有無を言わさないオーラを感じたから。
うっかり口にしたなら、どんな目に遭うやら。
だけどどのみち今夜…
とても口にはできないような目に、私は散々遭ったのでした。
うう…
ご想像にお任せします…。
おわり
甘えた平門さんも見てみたい…かも。
『意外とアレですね』
パラ………
カリカリカリ…
「…平門さん、ひとつ聞きたいのですが…」
「なんだ?」
先程から、執務室で仕事をこなしている平門さんに、抱いていた疑問を思いきってぶつけてみた。
背中に感じるぬくもりと、すっぽりと私を包む腕。
「何故、私はいま、平門さんのお膝に乗っけされているのでしょう?」
そう。
平門さんはチェアに腰掛け、何故か私を膝に乗せて抱っこをしながら、書類に目を通し、書き込んだりをしている。
「嫌なのか?」
「嫌って次元じゃなく、素朴な疑問です。」
しかもこの次々に目の前で処理されていく書類……一介の闘員である私が見てしまってもいいのかな。
上だけの重要書類とかではないの?
「嫌いではないだろう?」
とん、と肩に顎を乗せられ、ますます体がくっつく。
さすがに恥ずかしい。
「誰か来たら、どうするんですか」
「心配するな。いきなり入ってくるような奴は、ここにはいない。」
「そうですか…」
「もうすぐ終わるから、それまで我慢していなさい。終わったら好きなだけ…」
「聞かない。それ以上は聞かない!!」
なんの我慢ですか!
明らかに、膝に乗っけされていることを我慢しろって意味じゃないでしょ、それ。
「素直じゃないな」
「あなたが意外とアレなだけです…」
クク…と、耳元で静かな笑い声が聞こえる。
この人は読めない。
穏やかな笑顔を浮かべる眼鏡の奥で、何を考えているのか。
「まぁそう急くな。こちらも早く終わらせたくて焦っているんだからな。」
「全く急いていません…降りていいですか…普通に終わるのを待っていますから!!」
誰もいないからってこんな…。
恥ずかしくて、どうにかなりそう。
「残念だ」
そう言いながらも、離すつもりはない、といいたげに、私の体に絡まる両腕。
諦めるしかない…かな…。
そうしている間にも、たんたんと書類は片付いていく。
状況は抜きにして、仕事のやり手具合は目を見張る。
そんな人が部下とくっつくなんて、誰が思う?
ま、そんな人に惹かれて一緒にいるわけなんだけど…。
この腕だって、正直大好きだし。
格好は恥ずかしいけど、嫌じゃないのは確か。
平門さんが私を甘やかすなんて、あまりないんだもの。
(…あ、でも…これって平門さんが甘えてる…のか、な?)
どっちだろう…うーん。
わからないまま首を傾げていると、スルッと抜けた平門さんの右手が、おろしている私の髪を撫でて、前にまとめた。
「考え事か?上の空みたいだな。」
「…平門さんのことを考えていたんです。」
「そうか…。何を考えていた?」
「ひ、秘密です。」
平門さんが私に甘えているのかも?
……なんて、言えるわけがない。
だけど平門さんはそれを許さなくて。
「隠し事か?」
「違いま…わ!?」
否定するより先に視界がいきなり真っ暗になりビックリして声がでた。
頭に何かある…そんな感触がして、そっと手を添えてその謎の物体をなぞって形を確認してみる。
これは…シルクハット?
どうやら平門さんが、自分のシルクハットを私にかぶせたみたい。
ちょうど平門さんの頭に被るそのシルクハットのサイズは私には少し大きくて。
私の頭をすっぽりと覆ってまるで目隠しみたいになった。
取ろうとした手を掴まれて、両手まとめて、どうやら机の上?にまとめられてしまって動けなくなった。
暗くて何も見えない。
「平門さん?何する…んっ…ひゃっ」
髪を掻き分けられてあらわになったうなじに、ヌルッと熱い感触を感じてゾワッと全身が粟立った。
「な、なに!?なんですか!?」
その正体がわからなくて、怖くて…でも場所が場所なだけに、恥ずかしながら妙な気持ちになる。
うなじに当たっているそれは、上から下へツツ…と下がっていく。
「ひゃっ…ん」
目隠しのせいか触感が敏感になってる。
じたばたしてみるけれど、押さえつけられた両手は動かない。
「相変わらず弱いな。視角を塞いだから余計か?」
平門さんが喋ったことで、何かがたどった後に熱い吐息がかかりピクッとした。
もしかして…もしかしてだけど。
…舐めた!?
いまのは平門さんの…舌!?
うわわわ…か、考えたくなかった。
端から見たらこの事態、恥ずかしすぎる。
よりによってシルクハットで目隠しなんて。
「平門さん…っ!も、離して。シルクハット取って!!」
「さて、どうするか。」
絶対取る気、ない。
ちぅ…とうなじの下の首筋に吸い付かれる。
お腹の辺りに回されていた左手が、ソロッと私の体のラインをなぞった。
「吸い付かないで…」
「髪で隠れるだろう?」
そういう問題じゃない…のに。
嫌じゃない…自分がいる。
意地悪モードの平門さん。
「…こんな使い方、帽子乙女が怒りますよ…?」
「うちの乙女たちは忠実だからな。俺の乙女はどうやらヤキモチか?」
「違います…っ!!」
もしや帽子乙女が見てるかと思ったらどうにかなってしまいそうなんです。
「では、こちらの乙女は何を考えていたのかな…?」
「う…」
脇腹の辺りを撫でられてくすぐったい。
身をよじって抵抗しても、勝てるわけはないけど。
「平門さんは…甘えることってありますか…?」
「甘える?」
「甘やかすだけじゃなく、甘えることがあるかです。」
「考えたことがないな。」
それはそうだ。
平門さん自身に、人に甘えたくなる感情があるのかはわからないし
あるとしても、表には決して出さない。
私に、対しても…。
「どちらかと言うと、甘やかすほうだろう?」
「滅多に甘やかさないくせに…。」
「心外だな。充分に甘やかしているだろう。今も。」
「ふ……ぁ」
先程吸い付かれた場所に、舌が這った。
「今だけでなく、ベッドでもたくさん甘やかしているつもりなんだがな。」
「なっ…!!!」
こんなことをしている平門さんが、いまどんな顔をしているのかは見えない。
だけど。絶対楽しんでる。
「事実だろう。」
「知りませんよ…っ」
「では、もう少し待っていろ。仕事が片付いたら、夜たっぷり甘やかしてやる。」
「いりません…っ」
また首筋から笑い声が聞こえた。
「こちらの乙女は本当に素直じゃないな。」
いきなり目の前が明るくなり、眩しさに目を瞑った。
シルクハットを取られたんだ。
よかった。目隠しのまま何をされるのかと思った…。
気をもみすぎだと思うけど、個人的に次に帽子乙女に会うのが気まずい。
主じゃない私が被っちゃってよかったのかどうか。
視界が明らかになると、やっぱり卓上でひとまとめにされている自分の両手が目に入った。
「今夜、素直にさせてやる。覚悟しておきなさい?」
「えっ」
バッ…と首を後ろに向けると
何やら企んでいる策士な笑顔が眼鏡の奥に垣間見えた。
「わ、私…今夜はツクモちゃんと寝ます…っ」
「ツクモは今夜は夜勤だ。」
「じゃ、イヴァ姐さ…」
「長期任務でいないのを知っているだろう。」
「………ょ…」
與儀、と口走りそうで止めた。
一瞬有無を言わさないオーラを感じたから。
うっかり口にしたなら、どんな目に遭うやら。
だけどどのみち今夜…
とても口にはできないような目に、私は散々遭ったのでした。
うう…
ご想像にお任せします…。
おわり
甘えた平門さんも見てみたい…かも。