一万打ヒット記念短編集
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花礫
『青少年恋愛事情』
「てめぇ…マジふざけんなよ」
先程、私に蹴りを入れられた脇腹を押さえながら、花礫くんはキッと睨んできた。
怖くなんかない。
つい今しがた…今現在の状況を考えれば。
私と花礫くんは“恋人“という立場になってまだ日が浅く、なのにもかかわらず、いきなりキスのあと私の部屋のベッドで押し倒された。
びっくりして咄嗟に出た足が、見事に花礫くんの脇腹にヒット。
花礫くんはさすがによろけて私の上からどいた。
「女のバカ力が!輪が一般人に暴力かよ!」
「女だからだよ!身の危険を感じたんだから!!暴力じゃなく正当防衛!!」
「身の危険だぁ?」
私の言葉がいたく気にさわったらしく、起き上がる私を睨みながら腕を掴んでくる。
でも、痛くはしない。それが花礫くん。
「嫌なわけ?」
「そうじゃないけど…花礫くんにはまだ早いよ!」
「お前もたいして変わらないだろうが。つか歳だけでガキ扱いすんな!」
「…年齢的には子供でしょ、お互いに。」
あ。
花礫くんの眉間にピシッ…と青筋が浮いた。
触ってはいけない琴線に触れてしまった。
花礫くんはガキ扱いが大嫌いだ。
「そこらの奴と一緒にすんな!これでも適当にやってる大人より濃い人生歩いてきてんだよ!」
「わ、わかってるけど…っ。」
だからって、清いお付き合いからいきなりステップアップしちゃうって…どうなのかな…。
もじもじとしている私に、花礫くんはとんでもないことを口走った。
「あのさ。お前、処女だろ。」
「なっ…!!」
本当に何を言ってくれちゃうの、この青少年!!
どんな人生歩いてきたらこうなっちゃうの!?
「それは別にいいんだよ。俺も初めてだし。」
「あ…そうなんだ…」
ああびっくりした。
とっくに経験済みなのかと思ってた。
あまりに余裕っぽく押し倒してくるから。
ちょっといきなりすぎはしたけど。
「初めて同士、ちょうどいいだろ。」
「なにがちょうどいいのかが、わかりません…。」
「一言言いたいんだけど。」
「…なに?一応聞くけど。」
「ヤりたいんだけど。」
「させるかっ!!!」
ああもう…なんでこんな…ベッドで漫才みたいなやりとり、しなきゃいけないの。
そうなるにしても、ムードなさすぎだし。
「こんな堂々としたチェリーがいるんだ…ビックリだわ。」
「うるせえよっ」
思春期か。思春期なんですか?
性に目覚めるお年頃ですか。
って言ったら、また怒るんだろうな。
あまり年齢的には私も変わらないし…。
「せめてもっとこう、ムードを作るとか、ないの?そういう雰囲気につい流されたくなっちゃいそうな…。」
「…………」
うわぁ…明らかに、うざ…って顔をされました。
與儀へ並みに酷くない?
「一応…夢見る女子なお年頃なんですけど…」
「そういうの無理だし。」
「あっさり否定ですか。」
求めるだけ無駄なのかなぁ。
うーん…。
なんで私…花礫くんが好きになっちゃったんだろう。
ガックリ肩を落とす私を見て、花礫くんはそっと私の隣に座った。
「…まぁ、そういうのが好きなら、努力しないでやらなくも、ない。」
「…え?」
「こっち来て。」
背中に回された腕がグイッと私を花礫くんに引き寄せ、ちょん…と唇が唇に触れた。
それだけだけど…充分にドキドキする。
「怖い?まぁ、怖いか…。相手も初めてなら余計に。」
「べつに…」
怖くなんか、って言ったら嘘だけど。
花礫くんが初めてだからとか、そういうのは関係ない。
相手が経験豊富だろうと、怖いものは怖い。
珍しく自嘲気味な発言に…やっぱり花礫くんは優しいと思った。
ああ、だから好きなんだ。
「…でも。俺は自分の初めてがお前だと、嬉しいし。お前の初めても俺だと、それも嬉しいんだけど。」
「え……」
「初めてでもヤりたいものはヤりたいし。」
「こンのバカタレー!!」
せっかく、いまキュンとしたのに!!
自分でフラグクラッシュしたよ、この人!!!
「は!?バカだと!?」
気づいて!!
ていうか、またちゃっかり押し倒された。
今度こそ逃げられないように、両手は花礫くんの手でしっかりシーツに縫い付けられて。
させるかっ!と渾身の力を込めて足を花礫くんの胸につけてギリギリと押し返すけど、花礫くんもギリギリと力を込めて動かない。
きりのない攻防戦。
私の…貞操と貴重な初体験がかかってるんだぁあ!!
こんなロマンのない初体験があるか!!
「てめえぇ…抵抗するにしても、もっと色気ある抵抗ができねぇのか!」
「童貞のムードクラッシャーに言われたくないいい!!!」
「自分だって経験ねぇだろ!童貞バカにすんな!!」
「してないし!!」
ここまできたら意地だ。
付き合っているとはいえ、ずっとこんな漫才みたいなやりとりをしていて、いきなり恋人ムードにシフトして…なんてできるかっ!!
「いい度胸だコラ」
「ぅあっ!!」
し、しまった。
花礫くんを押さえていた足を横に払われて、まるで自ら開脚して受け入れたような体勢にさせられた。
すかさず足の間に花礫くんの体が滑り込んでくる。
「勝負あり。観念しろ。」
「この発情期の犬!!」
「誰がだっ」
うわぁあん…!
やっぱりなんで好きになっちゃったんだっ!!!
後悔先に立たず。
やはりもう一度、蹴りを……と。
それで頭の中をぐるぐるめぐるうち、花礫くんはさっきまでの少年っぽさはどこへやら…
急に大人びた表情をした。
ずるい…そんな顔。
でもどうせ、またムード壊すようなことを言うんでしょ?って思っていたのに。
がっついてくるようなキスの嵐がふって、びっくりして固まってしまった。
なに。こんなキス、知らない。
荒々しく吐息をこぼしながら、私の唇を食んだり舐めたりしてくる。
ゾクッ……と、体が震える。
嫌な感じではなく。
乱暴な、食らいつくともいえるそのキスが、心地いいと感じてしまっている。
花礫くんらしいキスだな…なんて。
「んっ…」
「…そんな声出されたらヤバい。」
ジッ…と見つめられて、今度は真逆にとても優しく慈しむようなキスに変わった。
チュッ…チュッ…と小刻みに触れて、ゆっくりと柔らかい舌が入り込んでくる。
ぎこちなくて、でも気持ちいい。
どうしよう
こんなキスされたら…抵抗なんて、できないよ。
「まだ、ヤる気にならない?」
「…聞くの、それ。」
「さすがに、本気で嫌がってるのを無理矢理ヤる気はしねぇ。でも、マジでリイナが欲しい。だからその気になれよ。」
「……ぅ…」
ちょっとだけ揺れてる自分がいる。
流される、ってこういうことか。
「性欲に負けてとか、そんなんじゃねえから。それだけは覚えてろ。」
「う、うん…」
わかっているよ?わかっているけど…。
いいのかな…本当に。
返事をしていいものか。
ドキドキしすぎて、言葉にならない。
ふいに私の両腕を押さえつけていた手が離れ、花礫くんは体を起こしてシャツを脱いだ。
くっ…歳のわりに色っぽい。
…って、そうじゃない!!
「なんで脱ぐの!?」
「ヤるから。」
「まだ認めてないよ!!こら!ちゃっかり私を脱がそうとしないで!!」
「でも、ちょっとはその気になっただろ。」
私の上着に手をかけながら、ニヤリと笑われる。
悔しいけどときめく。
じたばた暴れても、こんな顔をされたら力なんて入らない。
だけど、片手でベルトを外し始めたから本気で焦った。
「あのほら!!无ちゃんが心配するよ?花礫くんが帰ってこないって泣いちゃうよ?」
「安心しろ。すでに手は回してある。」
「は?手?」
「羊に寝かしつけを頼んだ。今頃ぐーすかやってんだろ。」
「まさか最初からこのつもりで来たの!?」
「俺にぬかりはねぇ。」
堂々と言いなさった!!
「花礫くん卑怯!ずるい!」
「それが惚れた男に対する言い草か?」
「誰が惚れてるって!?」
「…ほんっっと、いい根性してるな。」
だって…
最初から一夜を共にするつもりで无ちゃんにまで手を回すなんて。
策士といえば策士だけど。
「これくらいの根性がなきゃ輪なんてやっていられないから!」
「へえ。そりゃ、いい心掛けだな。……けど、俺はヴァルガじゃねえ!!」
「うわぁあ!!んむっ!!」
再び唇を塞がれて、舌をねじ込まれた。
まただ。頭の中からしびれるような感覚。
こんなキスが、あるんだ。
「は…」
「ん…っ」
お互いの唇がお互いの唾液で濡れて、くちゅくちゅと音が響く。
時々、勢い余って歯がぶつかるのは、二人して不慣れだから。
それだけ激しいキスに夢中になっていく。
その激しさには似合わず、優しい手が私の頬を静かに撫でた。
無理矢理に脱がされるようなことはなくて。
あくまで、私の合意を求めているんだ。
「俺は…たしかにアイツ…平門ほど大人の余裕はねぇし、與儀みたいな甘やかし方も、甘えることもできねぇ。けどな…惚れた女のことなら負けねぇ。」
「花礫く…」
「お前は俺の前では輪じゃなく、ただの女でいろ。めちゃくちゃ愛してやる。」
「…っ…」
やっぱり…花礫くん、好きだ。
大好き……。
「返事は?」
「は…い。」
「……ん。」
そして、花礫くんは私にしか見せないような笑顔で、笑った。
「が…花礫くんが…デレた!!」
「は!?」
「うわぁあ…ちょっと!貴重なデレだ!!やだもう可愛い!!!」
「てめぇ…人が真面目に話してるってのに…」
ピキピキ…と怒りマークを浮かべ、思いきり据わった目で見下ろされた。
あ。まずい。
「可愛いだと!?上等だ!!本気で犯す!!!」
「うわぁあー!!!」
ごめんね
照れて、こんなふうにしかできなくて。
でも、私もめちゃくちゃ大好きだからね。
…私たちらしくて
いいのかもしれないね。
おわり
花礫長くなった…
あとキャラが迷子になっていてすみません。
『青少年恋愛事情』
「てめぇ…マジふざけんなよ」
先程、私に蹴りを入れられた脇腹を押さえながら、花礫くんはキッと睨んできた。
怖くなんかない。
つい今しがた…今現在の状況を考えれば。
私と花礫くんは“恋人“という立場になってまだ日が浅く、なのにもかかわらず、いきなりキスのあと私の部屋のベッドで押し倒された。
びっくりして咄嗟に出た足が、見事に花礫くんの脇腹にヒット。
花礫くんはさすがによろけて私の上からどいた。
「女のバカ力が!輪が一般人に暴力かよ!」
「女だからだよ!身の危険を感じたんだから!!暴力じゃなく正当防衛!!」
「身の危険だぁ?」
私の言葉がいたく気にさわったらしく、起き上がる私を睨みながら腕を掴んでくる。
でも、痛くはしない。それが花礫くん。
「嫌なわけ?」
「そうじゃないけど…花礫くんにはまだ早いよ!」
「お前もたいして変わらないだろうが。つか歳だけでガキ扱いすんな!」
「…年齢的には子供でしょ、お互いに。」
あ。
花礫くんの眉間にピシッ…と青筋が浮いた。
触ってはいけない琴線に触れてしまった。
花礫くんはガキ扱いが大嫌いだ。
「そこらの奴と一緒にすんな!これでも適当にやってる大人より濃い人生歩いてきてんだよ!」
「わ、わかってるけど…っ。」
だからって、清いお付き合いからいきなりステップアップしちゃうって…どうなのかな…。
もじもじとしている私に、花礫くんはとんでもないことを口走った。
「あのさ。お前、処女だろ。」
「なっ…!!」
本当に何を言ってくれちゃうの、この青少年!!
どんな人生歩いてきたらこうなっちゃうの!?
「それは別にいいんだよ。俺も初めてだし。」
「あ…そうなんだ…」
ああびっくりした。
とっくに経験済みなのかと思ってた。
あまりに余裕っぽく押し倒してくるから。
ちょっといきなりすぎはしたけど。
「初めて同士、ちょうどいいだろ。」
「なにがちょうどいいのかが、わかりません…。」
「一言言いたいんだけど。」
「…なに?一応聞くけど。」
「ヤりたいんだけど。」
「させるかっ!!!」
ああもう…なんでこんな…ベッドで漫才みたいなやりとり、しなきゃいけないの。
そうなるにしても、ムードなさすぎだし。
「こんな堂々としたチェリーがいるんだ…ビックリだわ。」
「うるせえよっ」
思春期か。思春期なんですか?
性に目覚めるお年頃ですか。
って言ったら、また怒るんだろうな。
あまり年齢的には私も変わらないし…。
「せめてもっとこう、ムードを作るとか、ないの?そういう雰囲気につい流されたくなっちゃいそうな…。」
「…………」
うわぁ…明らかに、うざ…って顔をされました。
與儀へ並みに酷くない?
「一応…夢見る女子なお年頃なんですけど…」
「そういうの無理だし。」
「あっさり否定ですか。」
求めるだけ無駄なのかなぁ。
うーん…。
なんで私…花礫くんが好きになっちゃったんだろう。
ガックリ肩を落とす私を見て、花礫くんはそっと私の隣に座った。
「…まぁ、そういうのが好きなら、努力しないでやらなくも、ない。」
「…え?」
「こっち来て。」
背中に回された腕がグイッと私を花礫くんに引き寄せ、ちょん…と唇が唇に触れた。
それだけだけど…充分にドキドキする。
「怖い?まぁ、怖いか…。相手も初めてなら余計に。」
「べつに…」
怖くなんか、って言ったら嘘だけど。
花礫くんが初めてだからとか、そういうのは関係ない。
相手が経験豊富だろうと、怖いものは怖い。
珍しく自嘲気味な発言に…やっぱり花礫くんは優しいと思った。
ああ、だから好きなんだ。
「…でも。俺は自分の初めてがお前だと、嬉しいし。お前の初めても俺だと、それも嬉しいんだけど。」
「え……」
「初めてでもヤりたいものはヤりたいし。」
「こンのバカタレー!!」
せっかく、いまキュンとしたのに!!
自分でフラグクラッシュしたよ、この人!!!
「は!?バカだと!?」
気づいて!!
ていうか、またちゃっかり押し倒された。
今度こそ逃げられないように、両手は花礫くんの手でしっかりシーツに縫い付けられて。
させるかっ!と渾身の力を込めて足を花礫くんの胸につけてギリギリと押し返すけど、花礫くんもギリギリと力を込めて動かない。
きりのない攻防戦。
私の…貞操と貴重な初体験がかかってるんだぁあ!!
こんなロマンのない初体験があるか!!
「てめえぇ…抵抗するにしても、もっと色気ある抵抗ができねぇのか!」
「童貞のムードクラッシャーに言われたくないいい!!!」
「自分だって経験ねぇだろ!童貞バカにすんな!!」
「してないし!!」
ここまできたら意地だ。
付き合っているとはいえ、ずっとこんな漫才みたいなやりとりをしていて、いきなり恋人ムードにシフトして…なんてできるかっ!!
「いい度胸だコラ」
「ぅあっ!!」
し、しまった。
花礫くんを押さえていた足を横に払われて、まるで自ら開脚して受け入れたような体勢にさせられた。
すかさず足の間に花礫くんの体が滑り込んでくる。
「勝負あり。観念しろ。」
「この発情期の犬!!」
「誰がだっ」
うわぁあん…!
やっぱりなんで好きになっちゃったんだっ!!!
後悔先に立たず。
やはりもう一度、蹴りを……と。
それで頭の中をぐるぐるめぐるうち、花礫くんはさっきまでの少年っぽさはどこへやら…
急に大人びた表情をした。
ずるい…そんな顔。
でもどうせ、またムード壊すようなことを言うんでしょ?って思っていたのに。
がっついてくるようなキスの嵐がふって、びっくりして固まってしまった。
なに。こんなキス、知らない。
荒々しく吐息をこぼしながら、私の唇を食んだり舐めたりしてくる。
ゾクッ……と、体が震える。
嫌な感じではなく。
乱暴な、食らいつくともいえるそのキスが、心地いいと感じてしまっている。
花礫くんらしいキスだな…なんて。
「んっ…」
「…そんな声出されたらヤバい。」
ジッ…と見つめられて、今度は真逆にとても優しく慈しむようなキスに変わった。
チュッ…チュッ…と小刻みに触れて、ゆっくりと柔らかい舌が入り込んでくる。
ぎこちなくて、でも気持ちいい。
どうしよう
こんなキスされたら…抵抗なんて、できないよ。
「まだ、ヤる気にならない?」
「…聞くの、それ。」
「さすがに、本気で嫌がってるのを無理矢理ヤる気はしねぇ。でも、マジでリイナが欲しい。だからその気になれよ。」
「……ぅ…」
ちょっとだけ揺れてる自分がいる。
流される、ってこういうことか。
「性欲に負けてとか、そんなんじゃねえから。それだけは覚えてろ。」
「う、うん…」
わかっているよ?わかっているけど…。
いいのかな…本当に。
返事をしていいものか。
ドキドキしすぎて、言葉にならない。
ふいに私の両腕を押さえつけていた手が離れ、花礫くんは体を起こしてシャツを脱いだ。
くっ…歳のわりに色っぽい。
…って、そうじゃない!!
「なんで脱ぐの!?」
「ヤるから。」
「まだ認めてないよ!!こら!ちゃっかり私を脱がそうとしないで!!」
「でも、ちょっとはその気になっただろ。」
私の上着に手をかけながら、ニヤリと笑われる。
悔しいけどときめく。
じたばた暴れても、こんな顔をされたら力なんて入らない。
だけど、片手でベルトを外し始めたから本気で焦った。
「あのほら!!无ちゃんが心配するよ?花礫くんが帰ってこないって泣いちゃうよ?」
「安心しろ。すでに手は回してある。」
「は?手?」
「羊に寝かしつけを頼んだ。今頃ぐーすかやってんだろ。」
「まさか最初からこのつもりで来たの!?」
「俺にぬかりはねぇ。」
堂々と言いなさった!!
「花礫くん卑怯!ずるい!」
「それが惚れた男に対する言い草か?」
「誰が惚れてるって!?」
「…ほんっっと、いい根性してるな。」
だって…
最初から一夜を共にするつもりで无ちゃんにまで手を回すなんて。
策士といえば策士だけど。
「これくらいの根性がなきゃ輪なんてやっていられないから!」
「へえ。そりゃ、いい心掛けだな。……けど、俺はヴァルガじゃねえ!!」
「うわぁあ!!んむっ!!」
再び唇を塞がれて、舌をねじ込まれた。
まただ。頭の中からしびれるような感覚。
こんなキスが、あるんだ。
「は…」
「ん…っ」
お互いの唇がお互いの唾液で濡れて、くちゅくちゅと音が響く。
時々、勢い余って歯がぶつかるのは、二人して不慣れだから。
それだけ激しいキスに夢中になっていく。
その激しさには似合わず、優しい手が私の頬を静かに撫でた。
無理矢理に脱がされるようなことはなくて。
あくまで、私の合意を求めているんだ。
「俺は…たしかにアイツ…平門ほど大人の余裕はねぇし、與儀みたいな甘やかし方も、甘えることもできねぇ。けどな…惚れた女のことなら負けねぇ。」
「花礫く…」
「お前は俺の前では輪じゃなく、ただの女でいろ。めちゃくちゃ愛してやる。」
「…っ…」
やっぱり…花礫くん、好きだ。
大好き……。
「返事は?」
「は…い。」
「……ん。」
そして、花礫くんは私にしか見せないような笑顔で、笑った。
「が…花礫くんが…デレた!!」
「は!?」
「うわぁあ…ちょっと!貴重なデレだ!!やだもう可愛い!!!」
「てめぇ…人が真面目に話してるってのに…」
ピキピキ…と怒りマークを浮かべ、思いきり据わった目で見下ろされた。
あ。まずい。
「可愛いだと!?上等だ!!本気で犯す!!!」
「うわぁあー!!!」
ごめんね
照れて、こんなふうにしかできなくて。
でも、私もめちゃくちゃ大好きだからね。
…私たちらしくて
いいのかもしれないね。
おわり
花礫長くなった…
あとキャラが迷子になっていてすみません。