(甘)君は妹
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「あ、の…兄妹として、だよね…?」
「違うよ。一人の女の子として、好き。」
「だって…今までそんなこと一言も…」
「うん、ごめん…さっき気づいたから」
「さっき!!?」
とりあえず離れようとしたか、肩を押されて数センチの距離から離れた。
「さ、さっきの今って、ありえないでしょう!」
「うん、でも、俺が思い立ったらなんも考えず突っ走るの、よく知ってるだろ」
「突っ走りすぎ!!」
先程までの告白ムードはどこへやら、かなでは音也を睨み付けた。
「私を好きって言ったのも、ただ思い立っただけ…?」
「それは違うよ。」
うって変わって真顔になった音也に、かなでは押し黙った。
「兄貴から脱却したい。ほかの誰も見ないで。…一番、傍にいてほしいよ。」
音也はそのまま彼女を抱き締めると、耳元で囁いた。
「好きなんだ……」
突然の告白をかなでは嫌がりもせず、そのままじっと音也に抱かれていた。
返事を思案しているのだろうか。
怖いな、なんて答えがくるか。
恋を自覚した途端に失恋は、さすがにやめてよ…?
「あの…ね、音兄…」
「うん?」
「私、負担にならない?」
「負担って?」
「だって施設出身の中卒だよ…?」
「それを言うなら、俺も施設出身アイドルなんだけど…」
「あ、そっか…」
返事を、期待してもいいのだろうか…?
「絶対に迎えに行くから。もっともっと頑張って、迎えに行くから…。」
「音兄……」
いつか絶対に迎えに行く。
もっと頑張ってトップアイドルになって、その隣に君がいてくれたなら…。
その思いを込めて、音也はきつく抱き締めた。
「わ…私…音兄のこと、ずっと…お兄ちゃんとしてしか思っていなくて…」
「うん…」
「でもこうしていると、もう音兄も男の人なんだね…一緒に寝ていた頃が嘘みたい…」
いつのまにか、肩幅も広くなり、筋肉もついてガッチリした体格。
それは女である自分とは、まったく真逆のもので…。
「音兄のこと、ずっとお兄ちゃんだと思っていたけど…一緒にいたいとは…思う…」
再び顔を覗きこむと、決して兄と思っている人には向けないような、頬を赤く染めた表情をしていた。
優しく口づけると、今度は避けなかった。
「俺も、一緒にいっぱいいっぱい施設に恩返しする。一緒に頑張ろう?」
「うん…そうだね」
施設に戻ると、メンバーたちは様々な方法で子供たちと遊んでいた。
翔はサッカーをし
那月は持ってきたぬいぐるみで遊び
レンは女の子に囲まれていた。
真斗はピアノで童謡を弾いて
トキヤは絵本を読み聞かせて意外にも人気者
セシルは子供に乗られたりじゃれつかれたりと、戸惑いながら遊んでいた。
最後に七人でST☆RISHの歌を歌って、子供たちはキラキラと笑っていた。
こんな笑顔を届けるアイドルになりたい。
七人は、かたくそう思った。
かなでは何度も何度も、ありがとうと言った。
その間、ずっと手をつないでいたことを
誰も知らない。
END
初書き音也です
まだつかめていませんが、よろしくお願いいたします
2013.06.30