(甘)君は妹
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「みんな、今日はほんっとうにありがとう!ごめんね…」
小さなロケバスの中、座っているメンバーに何度も何度も謝った。
トキヤのアドバイスにより、今日は急遽、ST☆RISHのメンバーで施設を訪問することになった。
「まずは早乙女さんに相談することですね」
トキヤにそう言われ、仕事が終わり次第社長室に駆け込み、ことの次第を説明した。
シャイニングは顎に手を添え
「ふーむ…」
としばし考えたあと、パチンッと指を鳴らしニカッと笑った。
「アイドルが施設に訪問、なかなか話題性ありそうデース。許可シマショ。」
「ありがとう!おっさん!!」
それから音也は一人一人に電話をかけ、きちんとお願いをして許可を得たのだった。
車内のメンバーは皆、様々な反応を見てた。
「ま、音也の頼みだからな。俺はサッカーでも教えてやるかな!」
「一十木も、なかなか粋なことをやるものだ。協力させてもらうぞ。」
「僕、この日のためにピヨちゃんいーっぱい持ってきたんですよぉ!」
「まぁ、たまにはこういうのもいいかもね」
「ニホンの子供たち、たのしみです」
おおかた前向きな返答をくれるなか、たった一人、目をつむったまま腕を組んでいるトキヤが気になった。
スケジュールを調整してまでやったことを、怒っているのだろうか。
音也の視線に気づいたトキヤは目を開け、口角を軽く上げて目を細めた。
「あなたも、たまにはいいことを提案するのですね。私は子供の扱いには長けていませんが…善処しましょう。」
「!!うん、ありがとう!!」
施設のみんなは喜ぶかな?
かなで、約束守ったよ。
それも、全員連れてくることが叶った。
どんなにビックリするかな。
その様子を思い浮かべるだけで口元がほころぶ。
やがてバスは施設にたどり着き、ゆっくりと停車した。
入り口にはすでに、なつかしい園長先生とかなでが立っていた。
すぐさま降りていくと、彼女も走り寄ってくる。
前回の制服ではなく、今日はジーンズにカーディガンのラフな格好だ。
「音兄!!来てくれたんだね!!」
「うん、約束守ったよ!!それからね…」
次々降りてくるメンバーに、かなでは目を見張った。
「うそ…っ!ST☆RISH!!??」
「お願いして、来てもらったんだ。」
かなでは顔を真っ赤にして、口元を手で覆った。
「わあ…トキヤにレン…翔ちゃんもいるっ…なっちゃんにセシルに聖川さままで!!」
「はじめまして、よろしくお願いします」
「今日はよろしく頼む」
丁寧に挨拶をするトキヤと真斗の後ろで、
「かーわいい女の子ですー!!」
「バカ!やめろ!」
飛びつきそうな勢いの那月を押さえ込む翔。
「とてもキュートです」
とニコニコするセシル。
レンに至っては、いつもの余裕の表情で腰を屈めて#かなでの顔を覗きこんだ。
「これは、とても可愛らしいリトルレディだね。もう少し大きくなったら、お相手願いたいな?」
これにはさらに真っ赤になったかなでに音也はなんだか面白くなく、ズイッとレンの前に無理矢理入った。
「おや…」
とレンは驚いたあと、妙にニヤニヤした顔で音也を見た。
「なるほどね」
「な、なにがだよ!」
音也も自覚なく、カァッと顔が赤くなっていた。
「園長先生、お久しぶりです」
「音也くん、すっかり大きくなって…。さ、入って。みんな待ちかねているから。」
促されるまま施設に入ると、あちらこちらから悲鳴が上がった。
「うわぁ!!本物だぁ!!」
小さな子供たちは駆け寄ってきて、高学年から中学くらいの子たちは顔を赤くして遠巻きに見ている。
「ちょっ…本物のレンだよ!かっこいい!」
「うんうん、翔ちゃんも可愛い…っ」
「まぁ様もキリッとして素敵…っ!」
六人とも子供たちに囲まれてうまく立ち回り、音也はかなでと目を見合わせてにっこり笑った。
「音兄!」
「うわ!おまえでっかくなったなぁ!!」
「だろ!?」
音也も一緒に育った子供たちに囲まれて、久々に楽しい時間を過ごした。
ゲームをし、歌ってと言われれば歌った。
そうして時間が過ぎたころ、まだ子供たちにメンバーが囲まれている間に、音也はかなでと抜け出した。
「今日はありがとう…みんな喜んでたよ。」
「うん、俺も久々に楽しかった!みんなに会えたしね!」
夕日に音也の赤い髪がキラキラ光り、かなでは眩しく目を細めた。
その表情になんだかドキドキして、音也は目をそらした。
…まったく、すっかり可愛くなっちゃってさ。