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今夜は野宿。
3人で何をするでもなく、焚き火を囲み座っていた。
この心地よい炎の温もり。
ナナシはどちらと話す訳でもなく、ボンヤリとユラユラ揺れる炎を眺めていた。
次第にそれは催眠術か何かのように。
膝を抱え座っていたナナシをいつしか睡魔が襲う。
『眠いのか?』
いち早く気付いたのは角都。
本を片手にしたまま彼女に声をかけた。
ナナシはハッと顔を上げ慌てた様子。
『あったかくて、つい』
『少し休んでいろ』
『イイの?』
思いもよらない角都の優しい言葉に何だか嬉しくなる。
『随分歩きっぱなしだったからな。疲れて当然だ』
『ナナシにゃ優しいんだなぁ、角都。大体、歩きっぱなしはテメェのバイトのせいだろうがよォ』
向かいに座る飛段が皮肉混じりに茶化し、笑いながら角都を見た。
『金作りも任務のひとつ。それにナナシはお前と違い、素直で働き者だ。うるさいお前の相手もしっかりやってくれている。疲れて当然だろう』
『あぁ!?うるさいお前ってなんだそりゃ!』
『いいから黙っていろ。無駄に疲れる』
『こンのっ!』
ジャキッ!と鎌を持つ音が響く。
『もう、やめなよ2人共』
割って入ったナナシの声に、渋々飛段は鎌から手を離した。
ほらみろ、と言った様子で見つめる角都の視線が気に入らなかったが、ここは引き下がる。
ふぅ、と、それを見てナナシもひと安心し、息をつく。
『おい‥‥‥』
『え?』
ポンポンと角都が膝を叩き声をかけてきた。
『寝ていろ』
『膝枕?』
『何もないよりマシだろう』
何だかんだ言って、先程から優しい角都。
冷たい印象もあるがさりげなく気を使ってくれる様は紳士そのものだ。
『ありがと。じゃ、お言葉に甘えて』
コロンと寝転がると見下ろしてきた角都と目が合う。
『重くない?』
『あぁ』
『おやすみ』
ナナシが目を閉じると、感情の読み取れない瞳が微かに笑い、彼女の頭を撫でた。
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