仲
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任務報告書を提出しようと歩いていると。
『今帰りですか、お嬢さん?』
聞き慣れた声に呼び止められて振り向いたナナシ。
『あ、ゲンマ。お疲れ』
未提出の報告書でトントン肩を叩きながら、疲れた顔なのか元からそうなのか。
見慣れた仏頂面の同僚がそこに立っていた。
『3週間ぶりか?いつ帰ってたんだよ』
『昼過ぎ。色々やってたらこんな時間になってて‥‥‥今やっと報告書提出』
『偶然だな。俺も今からコレ出しに行くんだ』
と、2人並んで報告書片手に廊下を歩く。
互いの任務の成果や愚痴や他愛のない話。
『ね、ゲンマ』
『なんだよ』
『私さぁ、すーっごい、お腹空いてるんだけど』
突然そんな事を口走るナナシにゲンマは“?”な顔。
『“?”じゃなくって。お腹空いてるの。すごく』
『空いてるのって言われてもよ』
あからさまに、“晩ご飯奢ってよ!勿論美味しいモノ!”と、ナナシは図々しいおねだり攻撃を仕掛けているのだが、ゲンマは気付いていない様子で、彼女のイラつきがあっという間に頂点に達する。
『バカ!』
『バカって‥‥‥ンな人に八つ当たりするくらい腹減ってんなら、飯作ってやるから俺ん家来いよ』
『ゲンマん家?‥‥‥行く!』
どこかのお店を想像していたが、ゲンマの家とは願ったり叶ったり。
ここは仲を深められるチャンスだ。
『美味しくなかったら許さないから』
と、憎まれ口を叩くが心の中は踊っていた。
『不味かったら何でも言うこと聞いてやるってんだよ』
ポン、と後ろ頭を軽く叩きながら笑うゲンマにナナシも笑みを返すのだった。
終
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