泡沫
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『ねぇカカシ、私の水着返して』
ナナシはカカシにビキニのトップスを取られ、今ほぼ裸の状態。
そんな格好で海から上がっても、浜辺を歩けない。
『俺はそのままでもイイんだけど‥‥‥っと、他の男に裸を見せるワケにはいかないね』
大きな独り言がもれる。
『んじゃ。はい、コレ』
最中もずっと握り締めていた水着を、カカシは水中から持ちあげた。
が。
『何ソレ‥‥‥』
ナナシの目が点になる。
『あれ?昆布?アハハ!昆布になってるよ?水着は?』
カカシが握り締めていたのは昆布だった。
『アハハじゃなーい!こっちが聞きたいんだけど!なんで!?なんで昆布なんて持ってんの!私の水着は!?』
『んー。これ巻く?』
『イヤーッ!』
バシッとはたくと、昆布は遠くに飛んでいった。
『あ~ぁ‥‥‥昆布が‥‥‥』
ボチャン!と水飛沫をあげ消えてしまった昆布に、カカシはガッカリ声。
『呑気な事言ってないで私の水着どこにやったの!?』
キレながら半泣きのナナシはカカシに詰め寄る。
『まぁまぁ、そう怒んないで。イイ考えがあるから』
『ホ、ホント?』
どこか疑り深い目で見つめる彼女だが、頼れるのはカカシだけだ。
縋るように見つめていると、何処からともなく何かを取り上げた。
『ハイ、これ!』
『へ?』
『ホラ、コレをこーやって胸に‥‥‥落ちないようにチャクラで張りつけて‥‥‥』
ペタシ、ペタシと胸に当てチャクラで吸着!
そして得意げに完了!
『ホタテ貝でマーメイドの完成!』
ゴッツーンッ!
鈍い打撃音は、ナナシの頭突きが炸裂した音だった。
見事、カカシの顎にヒット。
ホタテ貝は外れカカシはクラッと一瞬失神したが、すぐに意識を取り戻し彼女に揺さぶられる。
『バカーッ!私、忍じゃないからチャクラなんて練れないよー!』
『や、突っ込むトコそこじゃないでしょーよ』
朦朧としながら、自分のお茶目な(?)ホタテ貝ジョークに気付かないナナシに、思わず突っ込んでしまった。
バカバカと連発する怒りと半泣きのナナシ。
と、叫ぶ彼女の視界の遥か遠くにプカプカ浮くモノを発見。
『あ゙ーっ!私の浮き輪!あんなとこまで流されてる!?』
カカシに攻撃した時に投げた浮き輪がフヨフヨ波間に浮かんでいた。
無いと思っていたが遠くに流されていたようだ。
水着に浮き輪。
もう踏んだり蹴ったりだ。
『あれ?ナナシの水着が引っ掛かってる』
『ウソ!?』
何とか意識を正常に取り戻したカカシ。
浮き輪の上に引っ掛かった彼女の水着を発見した。
※※※※※※※※※
『早く早く!もっと早く泳いで!』
ペチペチとカカシの肩を叩くナナシ。
水着発見後、煽られるままカカシは彼女おんぶするようにして、浮き輪を目指し平泳ぎをしていた。
『人魚みたいに尻尾があったら私も泳げるかなぁ?』
『ナナシが人魚‥‥‥?ハハハ、人使いの荒い人魚姫だねぇ』
そんなことを呟く。
『何か言った~?』
『人魚にはやっぱりホタテ貝を‥‥‥』
『貝はいらない!』
言い返すナナシに彼はただ笑っていた。
『ナナシが人魚なら、俺は泡になんかさせないけどねぇ‥‥‥』
真剣に考えながら、独り言を言う。
『ねぇ、ナナシ』
『なに?』
『‥‥‥好きだよ』
冗談っぽくも本気の言葉を言いながら、カカシは浮き輪を目指して泳ぐのだった。
★終★
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