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いつもより甘い時間を過ごした2人。
時刻は深夜2時を回っていた。
ベッドから出ると浴室へと向かう。
浴槽に向き合って入っていたが、チョイチョイと手招きされゲンマに後ろから抱き締められる形で浸かるナナシ。
やっぱり今日は少しでも離れたくないようだ。
彼女はその行動が可愛くて嬉しくて仕方ない。
『夜更かしが過ぎたな‥‥‥疲れただろ?』
『疲れたけど、今週はもう休みだから平気』
『あぁ、それで起きてたのか』
『うん。ゲンマは任務あるの?』
『長期任務終えたばかりだからな。流石に明日は休ませて欲しいと伝えて貰うように頼んでおいた』
『じゃあ、今日はふたりでゆっく‥‥‥』
『休む暇ねぇからな』
『え?』
言葉を遮られ返ってきた答えに意味がわからず『?』となる。
『まだ、お前のこと抱き足りねぇ』
『っ!?任務終わりだよね。疲れてないの?』
『‥‥‥お前がそうさせる』
背中に熱い胸板を感じながら肩を抱かれ、耳元で色気を纏った低い声が囁いた。
先程までの行為を思い出し体が反応する。
とはいえ、今日はもう睡魔と疲労で限界なのもわかっている。
けれど恋人に求められると応じてあげたいというもの。
『え、っと‥‥‥』
色んな熱でのぼせそうになりながら、思考が働かなくて言葉もうまく紡げないが。
『今日はもう寝て‥‥‥起きてから。うん!起きてからなら1日中でも、が、頑張るから!』
くるりと振り向くと、必死に考えた結果を恥ずかしがりながら伝えた。
まさかの答えにゲンマは驚いて目を丸くし、声を殺して笑った。
『ホント、可愛いやつだな』
『な、なんで笑ってるの!?』
『いや、予想外に積極的な答えだったもんで』
『えっ!?』
『そうか‥‥‥1日中かぁ』
考え深い表情で、どこか遠くを見つめているゲンマは口元だけ笑う。
『あの、ちがっ‥‥‥!?』
羞恥に拍車が掛かり、きちんと否定もできないまま、真っ赤になった顔を両手で覆って小さくなってしまったナナシ。
そんな彼女をしっかりと背後から抱きしめて、現実へと戻ってきたゲンマが、耳元に唇を当てる。
『起きてからと言わず、俺はこのまますぐにでも抱きたいくらいなんだけどなぁ‥‥‥』
チュッというキスの音が耳元で響くと、ビクッと反応してナナシの肩が震えた。
『うぅ‥‥‥すぐには‥‥もう無理だよぅ』
泣き出しそうな甘えた声で振り向く彼女にゲンマは溜息をもらす。
抱きしめるだけじゃ物足りない。
愛しさが爆発してどうにかしてしまいそうだ。
任務後の、嫌悪に満ちた気分も嫌な記憶も、この数時間で幸せな気分に塗り替えられてしまった。
ナナシの存在はそれほどまでに大きい。
来てよかった。会って良かった。
そう実感した。
『仕方ねぇな』
『ンッ‥‥』
指先で顎を持ち上げるとキスをする。
『今はこれで我慢するか‥‥‥』
ギュッと抱き締め耳元にもキスを落とす。
甘い時間は凄く幸せで嬉しいナナシだが。
『ゲンマ、さっき言った起きてから‥‥‥1日じゅ‥‥‥』
『すーげぇ、楽しみだな』
『あの‥‥‥っ!』
白々しくも話を遮られ、疲労と睡魔とのぼせた頭では、結局断りの言葉を伝えることが出来ないままに終わってしまった。
ただナナシの中には、ゲンマとそんな風に過ごす事を期待している部分もあった。
次の日、どうなったのかは2人しか知らない事ではあるが。
更に次の日、ゲンマが気持ち悪いくらいに爽やかで笑顔だった、という噂があったとかなかったとか。
◆終◆
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