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広い演習場。
ひょんな事から始まった鈴取り合戦。
カカシの腰とナナシの腰には鈴がぶら下がっていた。
『で、ボクはここにいればいいんですか?』
『そう。審判とかいいから時間になったら、そこの時計鳴るから、止めるだけでいいよ』
制限時間内に互いの鈴を取った方が勝ち。
という単純明快なルールの元、見届け人&セットした時計止める係にヤマトを置いて、スタートの合図と共に鈴取りが始まった。
忍術の応酬。
体術の応酬。
平地から森へと移動しながら上忍2人のやりとりが続いていた。
が、しばらくして。
『まだやる?』
肩で息をするナナシは、片膝を付いてしゃがみこみ幹で体を支えている。
少し離れた向いの木に立つカカシは2個の鈴を腰に下げ、問いかけた。
『うぅん。もういい』
時間内であれば取り返すのもオッケーというルールだが、体力的にもう無理だと悟った彼女は諦めたように答えた。
『じゃ、反省会でもしようか』
カカシはナナシのいる木へと飛び移る。
鈴取りとはいえ、2人とも上忍。
勝負は真剣そのものでピリッと張り詰めた空気を纏っていたが、一気にその緊張感が無くなり和やかなものへと変わる。
時間潰しにそのまま2人して、木の上での“反省会”という雑談を始めた。
『あ、テンゾウ待たせたままだったの忘れてた』
会話の途中、ふと思い出したヤマトの存在。
カカシがホケッとしたその一瞬だった。
ナナシが動く。
“チャリーン”
『あ゙っ!?』
カカシの腰に下げられていた鈴をナナシは隙をついて奪ったのである。
制限時間3分前の出来事だった。
そのまま時間になり、鈴取り合戦は終了。
『卑怯とか言わないでね。油断したカカシが悪いんだから』
木の下でナナシは鈴を手に、チャリチャリ振りながらニッコリと笑ってみせた。
カカシは顔に手をやり“やられた”と長い溜め息。
勝負はもうついていたと思っていたが、それでも鈴に対する緊張は切ってはいなかった。
油断したのは本当に一瞬だった。
そこを突かれた。
『カワイイ顔して‥‥‥敵に回したくない相手だよ』
思わず本音を呟く。
『何か言った?』
カカシは苦笑いしか出来ないまま、ストンと彼女のいる地上へと降りた。
『勝負はナナシの勝ち、って言ったんだよ』
その言葉にナナシは、鈴をカカシに放った。
溜め息をついていたカカシだが彼女の嬉しそうな姿に、負けながらも笑顔になる。
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