三の指輪
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『飛段は体細く見えるけど、手はやっぱり男っぽいよね』
『そのセリフは、そんな俺の手に体をもてあそばれたいと受け取っ‥‥‥』
『ってイイわけないでしょ、バカ』
『んーだよ、誘い文句みたいな事言いやがって』
『どんな脳味噌持ったらそんな発想出来るわけ』
『想像力豊かと言え』
呆れたように溜め息をつくナナシ。
“ヤラシイ妄想じゃん”と突っ込もうとしたが、屁理屈での倍返しが予測出来たので話題を変える。
『ねぇ飛段。その指輪ちょうだい?』
『ハァ?いきなり何言ってんだお前。そりゃ俺に組織抜けろって意味か』
当然キレる銀髪オールバック。
ナナシは暁には居るものの非構成メンバー。
誰かが欠けた時の為の補助要員。
よって正規の構成メンバーがしているような指輪は持っていない。
『借りるだけ。第一無くても誰も気付かないでしょ?』
『そういう問題じゃねェ。大体、お前の指にゃブカブカだろ。つうか指輪が欲しいならメンバーの誰かを殺って奪え』
指輪を嫌味ったらしく見せつける、彼のセリフにピキッときながら、奪えそうかどうかメンバーの顔を思い浮かべてみた。
イタチ→無理。イケメン大事。
鬼鮫→顔が無理だからとりあえず無理。
サソリ→あれで中年は有り得ないので無理。ついでにドSに関わりたくない。
デイダラ→両手が卑猥なので無理。
角都→慕ってるので無理。
リーダー→多分変態なので無理。
小南→紅一点になれるチャンスだが胸で負けているので無理。
ゼツ→酸素は大事。無理。
『ゴメン、みんな無理。どう考えても、飛段しかいないわ』
『どーゆー考え方してんだテメェは!?大体、俺は不死身だ!殺られるわけねェだろ』
『だから、こうやって下手(したて)に出てお願いしてるんでしょ』
『どこが下手だ!ど・こ・がァ!』
堂々としたカツアゲだろうが!と叫ぶ飛段だが、これ以上ナナシに付き合っていると疲れる事に気付く。
一応年上の男、ここは頑張ってクールダウン。冷静になった。
『どっか穴が空くまで待つんだな。多分ねぇだろうけど』
『ケチ!』
ナナシは不貞腐れてそっぽを向く。
『ケチ』などと理不尽な言い分をぶつけられ、拗ねた態度をとられ、何も悪い事をしていないのに何故か悪いことをした気分になる飛段。
反面、短気だからムカッときていたりもしたがここは年上大人の男!
握った拳を振り上げプルプルさせながらも頑張って耐えた。
しかし、こんなムードも嫌だ。
だからといって何も悪いことをしていないのだから、謝る理由はどこにもない。
そんな中、ふと地面に視線を落とした。
『お!』
何か思い付いたようで、それを手に取りチマチマ作業し始める。
そっぽを向いていたナナシも、急に静かになった飛段に気付き思わず振り向いた。
『何やってんの?』
手元を覗き込み問いかけるが、それを無視して彼は黙々と何かを続ける。
『っし、出来た!』
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