本当の居場所
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『はい、これバスタオルと着替え』
カカシの家に着くなり、ナナシはどうせ乾かすならと、洗濯機を借りる。
“シャワーも浴びたら?”と言うカカシの言葉にも甘えることにした。
『俺も一緒に入ろうか?』と、シレッと言ってきたセリフは、真顔で勢いよく脱衣所の扉を閉めることで無視をする。
しばらくして、カカシに借りた服姿でリビングに現れたナナシ。
体も温まりサッパリし満足なのだが。
下着もすべて洗濯したものだから今はこのシャツしか身に付けていない。
膝上丈のため油断すると見えてしまいそうで。
平静を装っているが、内心は落ち着かなかった。
『シャワーありがと』
『温まった?』
『お陰様で』
ナナシはチョンと座ると部屋を見渡す。
綺麗に片付いた部屋。
フカフカのラグが心地いい。
自分の家のようにリラックス出来る空間のはずなのに、妙な緊張感があるのはこの格好のせいだろう。
『後ろ、髪あげてると雰囲気変わってイイね』
傍に座るカカシが後ろから観察している。
うなじを見せたスタイルが新鮮なようだ。
『‥‥‥恥ずかしいから、そんなに見ないで』
『ん~?だってさぁ、こういう時しか見れないし。そんな風に恥ずかしがってるのも』
嬉しそうに笑いながらナナシを眺める。
『俺の服着たコが居るのもイイなぁ。そのブカブカな感じとか服から出てる太ももとか』
今度は足を崩して座っているナナシの足を見ながら言う。
『ワザと短い服にしたでしょ』
座ると太ももから下がいい感じに見えてしまう。
グイグイ伸ばして隠そうとするが長さにも限界がある。
『俺サイズなんだからどの服も同じ長さだって』
さも当然のように言うが、カカシの事なので本当かどうかわからない。
そんなことを考えていると、後ろから腰にスルリと腕を回し抱き寄せられ、肩越しにカカシが見つめてきた。
おかげで身動きが取れない。
『お風呂上がりのイイ匂い』
首筋に顔を埋めてくる。
『どさくさに紛れて‥‥‥』
『ダメだった?』
『ダ、ダメとかじゃなくて‥‥‥』
『今はもうプライベートな時間だよね?』
『‥‥‥うん』
『はい、こっち向いてー』
ナナシの顎に指を添えるとクイッと自分の方へ顔を向けさせた。
『やっと2人きりになれたんだし、色々しなきゃ時間が勿体無いよ』
意味深なカカシの台詞にたじろいでしまうが、顔を背けることが出来ない。
『それで家に呼んだの?』
『そんなわけないでしょ。あんな状態で帰せると思う?‥‥‥ま、あの格好にそそられて今の状況に持ってきたのはナイショだけど』
『内緒になってない‥‥‥』
確信犯の笑みに呆れるところもあるが、カカシらしい正直さに許してしまう。
『あの‥‥‥カカシ』
『ん、なに?』
『さっきは助けてくれてありがと』
ちゃんとお礼言ってなかった。
いつ言おうかと思っての、このタイミング。
当たり前の事なのに面と向かうと、ぎこちなくなってしまう。
カカシは優しく笑いかけ。
『どういたしまして』
と、唇が触れそうな距離で答え、そのままキスをした。
触れるだけのキスを何度か繰り返していたが、深く繋がって呼吸を奪われる。
『っん、‥‥‥っ!』
離れようにも、抱き寄せられる腕に力を込められたため、彼の服をただギュッと握りしめた。
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