Wish upon a star
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夜の砂浜は昼間の鮮やかさや、ざわめきも無くただ波の音が繰り返され何とも言えない静寂に包まれていた。
夜風の涼しさを感じながら、砂浜に寝そべって星空を見つめるナナシ。
『はぁ‥‥‥気持ちいい』
約1ヶ月、この地での任務に従事していたナナシを含めた木の葉の忍。
今日でそれも終わりということもあり、依頼人から功労者のために盛大な宴が開かれていた。
美味しいものを食べ、お酒を呑み、余興を楽しんでいたが。
ナナシは、賑やかすぎる雰囲気に少し疲れ、気分転換にこの砂浜へとやってきていた。
ここは星がすごく綺麗に見え、時間を忘れてしまう‥‥‥任務中にも何度か訪れていた、お気に入りの場所だった。
『ここで見る星も今日で最後か‥‥‥』
“ ね?”と、続けた緩い声。
『カカシ‥‥‥』
突然の人の気配に驚きもあったが、見知った顔だったこともありすぐに落ち着きを取り戻す。
『抜け出してきて大丈夫なの?お姉様方に囲まれて楽しそうだったけど、今頃探し回ってるんじゃない?』
隣りに座った彼を見て、からかい半分に言う。
『問題ないよ。恋人の姿が見当たらないから探してくる、って抜けたから』
『恋人?』
『フフ‥‥‥もう見つけた』
チョンチョンとナナシを指差し、目を細め優しく笑い見下ろしてきた。
『だ、誰が恋人よ』
からかったはずなのに、見事にからかい返された。
あの場所を抜け出す口実だと頭で理解していても、柔らかな笑顔と“恋人“というフレーズに、ついさっき落ち着いたばかりの鼓動が早くなるのがわかった。
そんな心中など知ってか知らずか、カカシは隣りに寝転びそっと手を重ねた。
ギュっと握られ、伝わる包まれる感覚と熱。
『願望を言っただけだよ‥‥‥』
ちゃっかり恋人繋ぎをされてしまい。
簡単に解けない状態の手を振り解くタイミングを逃してしまい、更に焦ってしまう。
『そうやって、からかってばかりいると本当の事言ってても誰からも信じてもらえなくなるよ』
『本気にしてくれないの?』
『お酒入ってる人の言う事、本気にする訳ないでしょ』
『酔った勢いじゃないと言えない事だってあるんだよ』
本音かどうかもわからない言葉に、戸惑いながら冷ややかな視線を送っても、それでも嬉しそうにカカシの顔は緩んでいた。
好きな相手と過ごす時間。
彼のわからない気持ちに振り回されているが、一緒にいられる事はやはり嬉しい。
彼の持っている穏やかな空気は居心地が良かった。
実際、この場所で星を見て過ごす時間もカカシと一緒が多かった。
ただ、不意にドキッとさせられる言動への対応は未だに慣れない。
意識している相手だからこそ、平静を保つ為に素っ気ない態度をとってしまうのも仕方のない事。
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