B.D-4.2
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ナナシが自室に入ると、飛段がベッドの布団に包まって寝転んでいるのが目に入った。
“お帰り~、待ってたぜマイハニー”などと言っている。
『‥‥‥何してるわけ?』
『お前に包まれてかなりイイ感じになってるワケ』
『布団もろとも粗大ゴミに出してもイイ?』
『お前はどうしてそう冷たいかなぁ』
『いいからさっさと出てよ変態』
『ヒデェ言いぐさだなぁ、変態はねーだろ。ったくよぉ』
文句を言いながらもゴソゴソ布団から出ようとした飛段。
しかし彼を見てナナシは青ざめた。
『なんで服着てないのよ!』
『ァン?そりゃ肌に感じる布団の感触がイイからだろ』
上半身だけかと思いきや。
『出るなー!変態ー!』
ナマ足と半分臀部(でんぶ=ケツ)が見えたので強制的に布団へ押し戻した。
この男、全裸だ。
『んーだよ、出ろだとか出んなだとかカリカリしやがって‥‥‥カルシウム不足じゃねぇのか?』
神様お願いです。
この際ジャシン様でいいです。
この男に天罰を下してください。
切に願ったナナシだが、空しく飛段の声がしただけだった。
『ところでお前、今日何の日か知ってるか?』
やっとまともな事を言ったと思ったらコレだ。
まずは出ていってもらいたいのだが、出来ない以上付き合うしかない。
『エイプリルフール‥‥‥は昨日だよね。何かあったっけ?』
『俺の誕生日だろーが!お前!自分の男の誕生日位覚えとけ!』
それがここにいる理由。
もちろん覚えていないわけない。
『それで無意味に私の部屋に来てたんだ』
『無意味って‥‥‥お前のそういう冷たさが快感になってきたゼ』
『死んでください。変態ドM』
『不死身の俺にそれを言うかよ、ナナシ。それに‥‥‥』
飛段はグイッと彼女の手を引っ張り、そのまま布団へ引きずり込んだ。
両手首をガッチリ掴み組みしく。
『ンな事言ってるけど、ホントは死んで欲しくないくせによぉ』
勝ち誇ったように笑う飛段。
『好きなら好きってちゃんと言えよな』
『そ、そーゆー事自分で言う人は嫌いだもん!』
『ふぅん。顔赤くしながら言われても説得力ねぇぜ、ナナシちゃん?』
自分が優位にたっている事がわかって向けてくる笑みが憎たらしい。
何だろう、この敗北感。
見つめ合うと言うより、睨み合っているとそのままキスをされた。
嫌味ったらしかったり、荒々しくて強引に押し倒したりもする彼だがキスはいつも優しい。
悔しいが飛段の言う通り。
冷たい事ばかり言っているが好きな事にかわりない。
全裸は別として、部屋で待っている姿を見た時は意味もなく嬉しくなった。
なんでこんな男に惚れて、なんで好きなのか。
聞かれたところでわかるわけがない。
“好きだから”と、理由にならない理由しか出てこないのだから。
『キスだけで随分おとなしくなったじゃねぇか』
この雰囲気をブチ壊す皮肉たっぷりなセリフさえなければ尚良しなのだが。
『だって好きだもん』
“キスが”とも“飛段が”ともとれる答えを返すと、柄にもなく彼は顔を赤くした。
『顔、赤くなってるけど、どうかした?』
逆にからかってみるとイラついたように舌打ちが聞こえたが、不意に抱きしめられたナナシ。
『急に、ンな素直な事言うんじゃねぇよ』
“犯すぞ”という物騒な捨て台詞も迫力に欠ける。
『別に構わないけど?恋人なんだし‥‥‥』
背中に腕を回し抱きついて、指先で背筋をなぞるように動かした。
『ンーだよ、誘ってんのか?』
『裸の飛段が悪い』
『じゃ、マジでヤる』
『優しくしてよ?』
甘えたような声色と誘うような目をして見つめると、再び唇を塞がれた。
『ッンン‥‥‥!』
我慢しきれなかったのか苦しい位に激しいキス。
応えるようにナナシは彼の首に腕を回した。
『っ、優しくとか無理だからな』
少し唇を離して飛段が言う。
『イイよ。誕生日だから、今日は特別』
そう答え、回している腕に力を込め引き寄せると彼女からキスをしたのだった。
□HappyBirthday□
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