ナントカの裏返し
夢小説の名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
忍に追われるのは慣れている。
『角都さん、まだ追ってきますよ』
しかし、限度ってものがある。
しつこい上に多い。
『お前がノロマなだけだろう。俺は先に行くぞ』
『ノロマって!私はっ、ちょ、角都さん待って下さいよー!』
スピードをあげる角都に、慌ててナナシも置いていかれないよう、木々の枝を飛び追いかける。
何故逃げる羽目になっているかというと。
目の前を行く男の手に持たれているアタッシュケースが原因。
角都のターゲットであった今回の賞金首。
その仇討ちに巻き込まれたのだ。
ひとまず忍から逃れた2人は目立たない木陰へ身を潜める。
『私はノロマじゃありませんからね!』
『追い付かれて攻撃食らっていただろう』
『あれは、ちょっとムカついたから術食らわせようとしてスピード落としたんです!』
『あぁ、それで返り討ちにあっていたのか‥‥‥』
『か、かすった程度ですよ!』
普段無口なのに、たまに口を開いたかと思うと、見事に痛いところをついてくる。
嫌味三昧だが当たっているから強くは反論出来ない。
『大体、わざわざ逃げなくても追いかけてきた忍全員殺せば良かったんじゃないですか?』
『金にならん連中を相手にして、無駄な時間と体力を使いたくはない』
逃げる事に多少抵抗があったナナシだが、その返事に納得。流石は金の亡者だと心底思った。
『オイ、ナナシ』
そんな中名前を呼ばれる。
一瞬、考えていた事を見透かされたのか?とも思ったがそうではないらしい。
『何か?』
『何だソレは』
角都の視線の先にはナナシの袖から見える手‥‥‥から滴り落ちている血。
『ん?何これ?』
首をかしげながら、出所を探ろうと袖をめくっていくが、血の筋が腕にあるだけ。
その間にもポタポタと血は地面に落ちる。
『‥‥‥肩だ』
スッと角都がナナシの肩を指す。
彼の指先に沿って彼女は首を回し肩を見た。
『あ、クナイ刺さってた』
『気付かなかったのか?』
『何か痛いような、痛痒いような感じはしてたけど‥‥‥っイダァアァアア!』
ヘラッと笑って喋る彼女の肩から角都が勢いよくクナイを抜き取る。
『い、いい痛いじゃないですか、角都さん!?』
涙目になりながら吹き出し始めた血を止めるように肩を押さえる。
『まったくマヌケというか馬鹿というか‥‥‥さっさと治療しろ』
『治療って‥‥‥道具持ってきてません』
『医療忍術使えるだろう』
『あぁ、術ですか』
やっと納得顔を浮かべたナナシだが、目が泳ぎ始め『あのぅ』と気まずそうな表情を角都へ向けた。
『さっき逃げてる最中に、無駄に分身とか無駄に変化とか‥‥‥あと無駄に術で攻撃しまくって、チャクラ不足みたいです。今立ってるのもやっとな感じで』
ハハっと笑ってみせると、角都はハァと呆れたように溜め息をついた。
1/6ページ