月夜の晩には
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露天風呂に浸りながら、疲れを飛ばすようにナナシは“うーん”と、指を組み伸びをした。
『露天風呂、気持ちイイ』
『そうだねぇ』
笑い返してくれるのはカカシ。
2人だけの温泉旅行。
部屋に完備された露天風呂に、誰にも邪魔されず仲良く浸かっている真っ最中である。
静かに浸っていた中、カカシはふとナナシの視線に気付く。
『何?どうかした?』
“どっかの男前に見惚れてた?”と付け加えると、多少呆れたように笑ったナナシ。
しかし、それもすぐに消えてしまった。
『なんかさ、カカシの方が任務で疲れてるのに、色々してもらってるから‥‥‥』
申し訳なさそうな喋りに、カカシは彼女の唇に指を当て台詞を遮り見つめた。
『ハイ、ストップ。ナナシはそんなの気にして俺と温泉入ってたの?もっと楽しんで欲しかったんだけどなぁ』
『勿論楽しんでるよ。だから‥‥‥』
『ん。ならイイでしょ。好きでやってるんだしさ。せっかくの休暇をナナシとゆっくり過ごせて俺も楽しいよ?』
『私もカカシとゆっくり出来て嬉しい‥‥‥』
けれど、“何かしてあげたい”という思いがあるからか顔色は晴れない。
『納得してない顔だね』
見透かしたようにカカシは軽く笑うと、じゃあ‥‥‥と、言葉を続けた。
『俺のして欲しいこと言っていい?』
『カカシの?』
首を傾げるナナシに、“ナナシじゃなきゃ出来ない、俺にとっての癒しだから”と、意味深に告げた。
多少その笑顔に不安を感じたものの、彼からそんな風に言ってくるのだから願ってもない事。
『わかった。言ってみてよ』
すると、カカシはススッと耳元へ唇を寄せ何やらヒソヒソ。
『え゙っ!?』
温泉でほんのり赤くなった顔が、更に赤く色付きカカシを見て固まる。
ニッコリと彼は爽やか顔。
『私から‥‥‥?』
カカシはウンと頷き、彼女の腰に腕を回し抱き寄せた。
『本当はここですぐにでも抱きたいくらいなんだけど‥‥‥ナナシが喜んでるの見ちゃったら手、出せなくてね。だから‥‥‥』
彼が耳打ちした内容。
『私が布団で待ってて‥‥‥カカシを‥‥‥さ、誘うの?』
浴衣姿でカカシを誘惑!との事だ。
泊りの温泉旅行。
カカシが何もしないなんて、思ってなどいなかったが。
まさか、彼をその気にさせるとは考えもしなかった。
カカシの顔を見ると冗談ではなさそうだ。
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