MURMUR

あれから、十年

2021/03/11 22:08
つぶやき
東日本大地震から十年経ちました。今まであまり話した事は無いのですが、一つの節目として形に残してみようと思い、書いております。フィクションではなく、実体験です。


なお、震災当時の事を書きますので、悲しい表現も出てきます。苦手な方、トラウマのある方はここでブラウザバックをお願いします。












あの日、私は仙台にいました。


学生だった私は春休みの最中で、たまたまその日は家にいてダラダラしていました。親に用事があり、少し話した後電話を切ったんです。そして、何か飲もうかなかと立ち上がろうとしたその時、体験した事も無い強い揺れが始まりました。


あ、これはいつものと違う…


妙に冷静でした。すぐに停電したためブレーカーのスイッチを切り、ガスの元栓を閉め、マンションの玄関のドアを消火器で押さえて、エントランスに出ました。

すると、道路の反対側のビルの上の階がぐにゃぐにゃと横に揺れる光景が見えました。

この時、あまりの恐怖に泣いた事を今でも覚えています。

その後、電気もガスも水道も使えない状態で二晩過ごしました。携帯の充電も確保するために、電源は切っていました。情報を得る手段が無い為、私は津波がきているという事を全く知りませんでした。(私が住んでいた所には津波はきていません)

震災から三日目、親が助けにきてくれ、学校再開の5月までは実家で過ごしました。

学校が再開してからも、理系の研究室の白い床が薬品が溢れて緑に変色していたり、埋め込み式のエアコンが線一本で天井からぶら下がっていたりと、衝撃的な光景を目の当たりにしました。

このまま頑張って大学で勉強しても、未来は無いのではないかと、学校で自ら命を経った人もいました。


とてもとても苦しい経験でした。


あの時の事は、今もこれからも決して忘れません。


あれから十年、色んな事がありました。変わった事も、変わらない事もたくさんあります。

だから、今こうして皆さんと妄想を共有出来る日々を過ごせている事に感謝したいんです。


いつもいつも本当にありがとうございます。


これからもこんな私ですが、どうぞよろしくお願いします。



愛と感謝を込めて。




2021.3.11 ぱこ


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