THANK YOU FOR YOUR LOVE♡

僕が初めて選んだ君へのプレゼント(土屋ver.)

Have to say ...」の続編設定です。


あれから土屋くんとカフェ巡りをするのに何度か二人で会った。

会うまでは男の人と二人で外出することが久しぶり過ぎて変に意識してしまったが、いざ珈琲の話になるとそんなことは蚊帳の外で、夢中になっていた。きっと土屋くんも同じだと思う。

そんな事を考えながら待ち合わせ場所に向かうと、もう土屋くんが来ているのが見えた。今まで一度も私より後に来た事はない。しっかりしてるなぁと感心してしまう。そして私に気付いた時に見せる満面の笑顔にいつもキュンとしているのはナイショだ。


『今日も私の方が遅かったね』

「そんなん気にせんと。それに僕の方に向かって歩いてくる姿見るの好きなんで…」


土屋くんは時々こういうことをサラリと言う。年上だからこそのお世辞なのか、本当にそう思っているのか、それが分からないところが何とも言えない。なんて考えていると、土屋くんが私に紙袋を差し出した。


「これ、あげます」

『えっ…?』


誕生日でもないし一体何のプレゼント…?と思いながら袋を覗くとお洒落なタンブラーが入っていた。


『タンブラーだ』

「これならお店の珈琲いつでも温かいまま飲めると思て」

『嬉しい…けど、何でいきなり…?』


そう言うと、土屋くんの顔つきが真剣になったのが分かった。そしてまた、口を開く。


「いつでも美味しい珈琲を飲んで欲しいんです。喜んどる時の笑顔が好きやから…」


自分の言葉に照れてしまったのか、目線を逸らしながら土屋くんは言った。こうやって年相応な反応もするものだから、私の心は惑わされっぱなしだ。

いつの間にか、こんなにも土屋くんの存在が大きくなっていただなんて…。


『ありがとう。じゃあ今日はコレとおんなじのもう一個買いに行こ!』

「もう一個?」

『私からもプレゼントしたいの。珈琲を飲む度に側にいられる気がするでしょう?』


ここは大人の余裕の笑みで言いたかったが、私はきっと真っ赤だったと思う。

でもそれは土屋くんも同じだったから、良いよね?

私たちは案外、似た者同士なのかもしれないね。



おわり


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