THANK YOU FOR YOUR LOVE♡

僕が初めて選んだ君へのプレゼント(深津ver.)

戦後最大のなにがし、これまでに経験したことの無いあれこれ…そんな言葉を最近よく耳にするが、あまりにも頻度が高く、本当にそうなのかどうかさえ疑問を抱く。しかし、〝今年一番の冷え込み〟という言葉だけは嬉しくなる。


あれは彼女と付き合ってからもうすぐ一年が差し迫ってきた二月のことだ。


『ひぃぃぃ……さっむい…!』

「冬だから仕方ないピョン」

『そうなんだけどさぁ…。あー、もう無理!』


そう言って彼女はモゾモゾとベッドの中に入って行った。縮こまっているのか布団の真ん中がこんもりと盛り上がっていて、大きなダンゴムシみたいだった。

電気を消して自分も布団に潜り込む。そしていつものように彼女を抱き抱えるようにすると、彼女の腕が自分の背中に回る。今度は脚の間に脚を挟んできたかと思うと、一瞬触れた彼女の脚が冷た過ぎて驚いた。


「…足、凄く冷たいピョン」

『だって冬だもん…冷えちゃうんだよぉ〜!あー、一成の身体はあったかいねぇ…。トトロみたい…』

「トトロに触ったことあるのかピョン?」

『…想像で』


そんな惚けた話をしていると彼女はウトウトし始め、すぐにスヤスヤと眠ってしまった。そっと足先に触れてみると、さっきよりは幾分マシであるもののまだ冷たかった。さてどうしたものか…と考えている内に自分も寝てしまっていたようで気付けば朝になっていた。彼女の事を考えながら眠りにつけただなんて幸せ者だと思ったが、思考は〝さて、どうしたものか…〟で止まっている。

横でまだ寝息を立てている彼女の足先は、寒いとか冷えちゃうとか言っていたくせに布団からしっかりと出ていた。


(…しょうがない奴だピョン)


起こさないようにそっと布団をかけ直すと、うーん…むにゃむにゃ…とお決まりの反応を見て思わず笑ってしまう。

その日、俺は彼女にもこもこの靴下を買って帰った。思えばこれが自分で選んだ初めてのプレゼントだったかもしれない。


あれから何度か〝今年一番の冷え込み〟を彼女と過ごしたが、どうやら今年もやって来たらしい。ふと彼女の足元を見るとだいぶ草臥れたあの靴下に守られていて、新しいのを買うと言ってもコレが良いと言って聞かない。その度に、靴下を袋から取り出した時の彼女の笑顔を思い出す。

しょうがない彼女との〝さて、どうしたものか…〟の日々は続く。





おわり


こちらの作品はTwitterのタグ「#2月17日は深津一成の日」をつけて画像投稿させて頂いています!他にも素敵な深津くんがたくさん見られるので、是非タグ追跡してみて下さい♪

[ ログインして送信 ]