トビラ、ヒラク
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「じゃあ始めようぜ」
私は藤真くんの部屋にいる。至って普通の男子の部屋、という感じだ。私たちはローテーブルに問題集とノートを広げ、解き始めた。藤真くんの方をチラリと見ると、真剣に取り組んでいて、集中している表情もやっぱりかっこいい。本当にこの人が私の彼氏なんだなぁ…と見惚れていると、藤真くんと目が合ってしまった。
「…やっぱ、無理だよなぁ」
そう言うと、藤真くんは私の隣りに来て頬に触れた。さっきとはまた違う真剣な目で私を見つめる。そしてゆっくりと唇を重ねた。すぐに舌が絡み合い、どんどん深くなっていく。こういうキスは何度かしたことがあるけれど、今日は何だかいつもと雰囲気が違うと分かった。
「名前……俺、全然集中できねーや」
聞いたことが無い切なそうな声で私の名前を呼ぶ藤真くんは、あまり余裕が無いように見えた。私はギュッと背中に腕を回し、昨日の藤真くんと同じように耳元で囁いた。
『私、藤真くんとなら…いいよ』
そう言うと、藤真くんの肩が一瞬ピクリと動いた。
「……だよ」
『え?何?』
「初めて、なんだよ」
『初…?』
初めて…?それはつまり未経験ということ…?ん?あれ?そうなの…?
軽くパニックになっていると、藤真くんは同じ体制のまま話を始めた。
「何か勘違いしてるかもしんねーけど…名前が初めての彼女なんだよ」
『!!そ、そうなんだ…てっきり前にも彼女がいたもんだとばっかり…』
藤真くんは再び私の目をジッと見つめる。今度は少し寂しそうな目だ。
「告られたからって、誰とでも付き合ったりしねぇからな。名前だから、彼氏になったんだ」
『うん…ありがとう。ねぇ、藤真くん?』
「何だ」
『好きだよ』
もう言葉は要らなかった。唇が触れ、さっきよりも深い口づけに頭がクラクラしてしまう。息が漏れる音と、唾液が交わる音が何度も何度も繰り返される。
一瞬唇が離れ、私はベッドに押し倒された。再び溶けるようなキスが降ってくる。さっきよりも藤真くんの熱が伝わってくる。ふと、藤真くんの指が私の太ももをなぞった。予想していない快感で、いやらしさが背筋に沿って昇ってくる。
『…っ…んぅっ…あっ……』
「声、可愛すぎ…」
私の下着に藤真くんの指がかかった。あっという間に脱がされてしまい、私は為されるがままだった。
「すげー濡れてる…よな?」
『言わないでよぉ…恥ずかしい…』
藤真くんが興奮しているのが分かった。
(こんな顔、するんだ…)
初めて見る表情にときめきと興奮がぐちゃぐちゃに混じった感情に支配されていく。あまりお利口なことを考えられなくなった私に追い討ちをかけるように、藤真くんの指が私の突起に触れた。反応しない訳が無くて、意図せず腰が浮き上がってしまう。
『あぁっ……そこ…駄目っ……』
「……もう無理」
藤真くんは机の引き出しから小さな紙袋を取り出した。それが何なのかは、聞かなくても分かる。
藤真くんは何も言わず、私の太ももを外側に広げた。そしてゆっくりと私の中に入ってくる。
「…ッ…ハァッ……大丈夫か?」
『う…ん…大丈…夫……あっ……』
肉体的に気持ち良いのはもちろんだけど、藤真くんのいっぱいいっぱいな表情が愛おし過ぎて、精神的にも満たされてしまう。肉体も精神も快楽の波に飲み込まれ、どう足掻いたって溺れることしかできない。
汗で濡れた髪をかき上げ、額を覗かせるその様はまさに〝雄〟で、藤真くんを感じれば感じる程、私は〝雌〟になっていった。
藤真くんの吐息
藤真くんの汗
藤真くんの小さな喘ぎ声
全部、私のなんだ。
今日は黄色い声なんてどこにも無くて、私だけが見ている、私だけが見て良い藤真くんが目の前にいる。
「…ッ…名前っ……」
『…ふじ…ま…くん……すきぃ……』
藤真くんの愛が私の奥にある小さな扉をノックする。扉の向こうでは、欲しくて欲しくてたまらない何かが呼び求めている。もうどうにも抗えなくて、開いたと思ったら一瞬で泡のように弾けた。
.