シャツが乾くまで
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
待ちに待った放課後がやって来た。俺はチャイムが鳴ると同時に、玄関に向かう。靴を履き替え、そわそわと待っていると2年生もちらほらと出て来始めた。そろそろ来る頃かと、落ち着かない。
「あれ?名前は?」
「今日は彼氏が部活無いから一緒に帰るんだって」
どうやら名前さんと同じクラスの人たちのようだ。ということは、そろそろ出て来るかな…。
「でもさ、何か意外だったよね。あの人、割と可愛い感じだもんね」
「そうだよね。前の彼氏はクールな感じだったもんね。しかも大学生!」
この会話で、俺は初めて名前さんに前に付き合っている人がいることを知った。そりゃあ、あんなに綺麗で優しいんだから前に付き合っていた人がいたって何もおかしくはない。むしろ無いと言われる方が驚きだ。
しかしショックが無い訳ではない。呆然と立ち尽くすと、あの綺麗な声が俺の名前を呼んだ。
『信長くん』
「あ…!お疲れ様ですっ!」
『待たせちゃってゴメンね』
そう言った名前さんの唇は何だか少しツヤツヤしている。きっと俺と出掛けるためにリップを塗ったり、準備をして来たのだろう。そう思うと何だかとてつもなく愛おしくて、ヤキモチを焼いた自分が小さく感じた。俺はグッと拳を握った。
「よし、行きましょう!」
『うん。カラオケ久しぶり〜』
俺たちは学校を出て、駅の方に向かった。すると突然暗い雲が掛かり、冷たい風が吹いたかと思うと、ザーッと強い雨が降ってきた。
「うわっ…何だよ、今日雨の予報じゃ無かったのに」
『私も傘持ってないや…仕方ない。カラオケは諦めよう。うち、近いの。こっち!』
名前さんは角を曲がって住宅街の方へ入って行き、俺はその後をついて行った。
.