茜さす
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9月になった。
長男と次男の長い夏休みが終わり、それぞれ小学校と幼稚園に行き始めた。
毎日3食、全員分を用意することがいかに大変かを痛感する日々だったが、それもまた来年まで持ち越しだ。
昼食の食器を洗っていると、娘を昼寝させに行った南が戻ってきた。
『もう寝たん?早いな』
「アイツらおらんから、部屋使いたい放題やろ?おもいっきし遊んだんちゃう?」
今日は定休日のため、南はゆったりとソファに座り、寛いでいる。
「なぁ」
『んー?』
「今日…覚えとるか?」
『…当たり前やん』
今日は、2人の結婚記念日、もっと遡れば付き合い始めた日でもある。
あの頃は、9月にもなればそれなりに涼しく秋を感じていたが、最近は秋深さを感じる前に冬がきてしまう。高い空の澄んだ青色を見られる日が随分と減ってしまい、何だか寂しいような、勿体ないような、そんな気持ちだった。
それでもしっかりと思い出せるのは、それだけ大切な日だからなのだろう。
名前はカーテンを少し開け、まだ真夏のような太陽が光を放つ空を見ながら、あの日を振り返った。
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