言葉は儚い
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『明日から遠征、頑張ってね』
「おー」
ほとんど何も身に付けず、キッチンに立って2人で水を飲んだ。
自分の見える範囲だけでも、私の身体には楓の想いの痕がたくさんつけられている。ふと何だか悔しくなって、楓の二の腕にチューッと吸い付いてみた。
『あれ?あんまり上手くできなかった…』
「名前みてーに、柔らかくねーからな」
『なっ…!どーせ私はブヨブヨしてますよーだ』
口を尖らせると、楓はプッと吹き出した。
「そーゆートコだな」
『え?』
「いや、別に」
きっと〝そーゆートコが好き〟と言いたかったのだろう。楓はあまり言葉にはしないけれど、何となく分かってしまうのは、夫婦だからなのかなぁ…。
数日後、私の会社のシューズを履いて試合に出る楓がテレビに映った。
まさか〝二の腕にキスマークのようなものがある〟とネット上で騒がれるとは、思ってもみなかったけど…。
言葉ははかない
消えないようにキズつけてあげるよ
おわり
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