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それから数日後、2人は岸本と土屋にこのことを報告した。
「まぁ、何となく南が名前に惚れとるのは幼稚園くらいから気付いとったけどな。人生てホンマ分からんもんやな」
「名前ちゃん、南くんに酷いことされたらすぐ僕に言うんやで?いつでも用意しとくから」
「何を用意すんねん」
いつもと同じようで、少し違う光景がそこにはあった。名前は赤ん坊を抱きながら、優しく微笑む。
「お前は俺らで守ったるからな〜」
岸本が赤ん坊を抱き上げると、突然、ギャー!と大声で泣き出した。
「な、何や!俺やで?忘れたんか?おい!」
『そろそろ人見知りする時期なんやって』
「ほな、成長の証やなぁ。ホンマあっという間に大きなったわ」
土屋が顔を覗き込み、名前が再び赤ん坊を抱いた。
『あ、そろそろミルクの時間やな。ちょっと作ってくるな』
スッと自然に南に受け渡すと、さっきまでのギャン泣きがウソかのように手足をバタバタと動かして楽しそうにしている。
「南は泣かんのかい!」
「何や、嫉妬してまうなぁ。ちょっと寂しい」
名前はミルクを冷ましながら考えた。もし岸本が独身だったら、もし土屋が近くに住んでいたら、南と同じ状況になっていただろうか。いや、きっとなっていないと思う。
昔から、南は自分を慰めてくれることが多かった。いつも自分を見ていてくれたのだろう。
そう思うと、色んなことがあって今ここにいることが何だか凄く贅沢な気がしてならない。
南が感じた〝幸せ〟を大切にし、ささやかに守っていきたい。
いつかまた、オードリーヘップバーンみたいに綺麗なドレスを着て、皆で美味しいご飯を食べに行きたい。今度はめちゃくちゃヒールの高い真っ赤なハイヒールで行こう。
きっと上手く歩けないから、その時は南にエスコートして貰うんだ。
その日を夢見て、名前は今日も楽しく陽気におちゃらける。
『お母ちゃんは、浪花のオードリーヘップバーンなんやで〜』
「浪花ってつくと、急に新喜劇っぽくなるな」
『うっさいな。あの日めちゃくちゃオシャレしてんで、私!』
「また行きたいなぁ、あのお店」
「次は名前もワイン飲もな」
昔からずっとある幸せな時間が、今日もここにはある。
少しずつ形を変えていく、愛おしい日々。
おわり
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