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「あのなぁ、お前は何も悪いことしてへんやろ。何で周りにビクビクしながら、全部抱えなアカンねん」
『…私の日頃の振る舞いが軽いから、皆そう思うんやろ?だから、自業自得やねん。浮気されたのも、私がツワリで寝込んでしまったのが始まりやし』
「お前、それ本気で言うとるんか?腹の中でこんな大事なモン育てとったんやぞ?」
南は赤ん坊の横にしゃがみ、目線を送る。
『だ、だって……っ……いつまでも…アンタらに甘えてばっかおれんやんかぁ…』
名前の目からポロポロと涙が溢れ落ちる。泣くと眉間にシワを寄せるのは、幼い頃から変わっていない。
南は立ち上がり、名前の前に向かった。そして、ジッと目を見つめる。
「ほな、俺がお前と一緒におったるわ」
『へっ…?』
「そんなデッカイもん、一人で抱えてくのは大変やで。これからコイツもどんどんデカなるんやぞ?だから俺がおれば、半分で済むやろ」
名前は驚いた。南は自分が言っていることの意味を分かっているのだろうか。南にだって恋人が出来て、結婚して、子どもができるかもしれないのに。幼なじみへの同情で人生の選択肢を狭めないで欲しい。名前はそう思った。
『烈…そんなん簡単に言うもんちゃうで。私なんかに構って人生棒に振らんで欲しい』
「まぁ、そうなんやろうけど…何ちゅーか…」
南は目線を逸らした。
「この半年、お前ら見とったらあまりにも無防備で、危なっかしくて…でも妙に温いっちゅーか……ここにおるのも悪ないなって思えてきてん」
『それって…』
「〝幸せ〟ってことなんやろうな」
南は再び名前の目を見る。
「お前らと〝おったる〟やなくて、〝おりたい〟ねん。俺が」
名前の目から再び涙が溢れてくる。
「もう何年も幼なじみやってきたけどな…今更お前に惚れてるって気付いたみたいやねん」
『…アホッ…遅いねん…っ……』
「そうやな」
『今更…烈とチュウとか…できひんっ…』
「構へん」
『そんなん…良い訳ない……っ…』
「もう喋んな」
南は名前の腕を引き、唇を重ねた。名前は驚き、身体の力がスッと抜けていった。
「チュウ、できたやん」
『…アホ』
「もう一人で悩むな。俺がおる。お前はいつもみたいに、威張って構えとればええねん」
〝シンデレラ〟を飲んだ日も同じことを言ったのを名前は思い出した。南の想いはもうずっと前から、どこか心の拠り所になっていたのかもしれない。そう思うと、チュウをしても悪くない気がした。
二人の影が再び、ゆっくりと重なる。
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