でこれいしょん
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岸本は今日、約1ヶ月ぶりに彼女の名前と暮らすアパートに戻る。
3週間の教育実習は実家から通い、その間は名前に会っていない。実家は気楽に過ごせて良かったが、やはり名前との暮らしが恋しくなっていた。
アパートに戻るまでの道が妙に懐かしく感じ、不思議な気持ちだった。途中にあるちょっと小洒落た家の庭に、芥子の花が咲いている。名前はこの花が大好きで、『通る度に幸せな気持ちになるから、あのアパート借りてホンマに良かったなぁ』と嬉しそうに言う。岸本はそんな可愛らしい名前が大好きだった。
アパートの部屋の前に着いた。もちろん鍵は持っているが、久しぶりに会うため何となく出迎えて欲しいと岸本は思った。少し照れくさかったがインターホンを押す。暫くするとガチャガチャと鍵を開ける音がし、扉が勢い良く開いた。そして、名前が満面の笑みで立っていて、岸本を見るなり飛ぶように抱きついた。
『おかえり〜っ!うわぁ、ホンマもんの実理やぁ〜』
ギューッと力強く抱き締められ、岸本はニヤニヤが止まらない。
「寂しかったか、一人で」
『んー、ぼちぼちやな』
「ぼちぼち、なんかい……ん?何やええニオイするな。料理中か?」
『あ、うん!実理の好きなお好みしてん。今ひっくり返したら……あっ!火つけっ放しや!』
名前は慌てて家の中に戻り、お好み焼きをひっくり返した。しかし時既に遅し、片面真っ黒焦げになっていた。
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