あの勝利がくれたもの
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湘北があの山王工業に勝った。ウソみたいだが、紛れもない事実だった。そしてこの勝利が私たち海南の闘志に火をつけたことは、間違いなかった。
翌日、愛和学園に敗れた湘北は海南の試合を観た後、神奈川に帰ることになった。海南は無事勝利し、また一つ優勝に向けて駒を進めることができた。
着替えを済ませ宿に戻ろうとバスに向かうと、会場のロビーで湘北のメンバーが待っていた。
「牧、頑張れよ」
「おう。お前らともう一試合、やりたかったけどな」
キャプテンの牧さんと赤木さんがお互いを讃え合う美しい光景に、胸が締め付けられた。
「おい、赤毛猿、流川」
清田がスッと前に出て、桜木くんと流川くんに話しかけた。
「お前らがあの山王に勝ったこと、ぜってー無駄にはしねぇからな」
清田の言いたいことが凄く分かった。山王戦の勝利は、桜木くんと流川くんの1年生コンビがいなければ無かったことだから。自分と同学年の2人が成し遂げた結果を、清田なりに讃えているのだろう。
「野猿…お前、俺たちがヤマオーに勝ったから悔しいんだろ?ケケケ」
「なっ…!人が折角励ましてんのに何だよ、ソレ!!やっぱ今のは撤回だ!」
「ふぅ…やれやれ」
「「あん?!何だと?!」」
「騒ぐな!バカタレ共が!そろそろ行くぞ」
赤木さんのゲンコツを受け、桜木くんは引きずられて行った。やっぱりあの勝利は、夢のようでまだ実感できないのが本音だった。
バスから見えた湘北メンバーに手を振り、私たちは宿に戻った。
『清田、同級生にあの2人がいるの楽しいね。良いライバルじゃん』
「…そうっスね。俺、頑張るっス」
私と神は、清田の予想外の言葉に目を見合わせた。いつもなら「いやいやいや。俺がナンバーワンルーキーなんですから、ライバルになんてならないっスよ」ということを言いそうなのに、今回は素直に受け入れた。やはりあの試合の2人を見て、清田なりに思うことがあるのだろう。後輩の成長に胸が熱くなった。
「名前、お母さんみたいな気持ちになってない?」
『神…せめてお姉さんって言ってよ』
「ハハハ…そっか。ゴメン。それだけ名前がチームの支えになってるってことで勘弁してよ」
神が私を褒めるだなんて、早々無いことだ。流石の神も湘北の勝利に思うことがあるのだろう。こんなにも人の心を動かすあの勝利は、やっぱり物凄いことなんだと改めて実感した。
それから私たちは勝ち進んでいき、とうとう決勝の日を迎えた。そしてあと一歩及ばず、準優勝で夏を終えた。
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翌日、愛和学園に敗れた湘北は海南の試合を観た後、神奈川に帰ることになった。海南は無事勝利し、また一つ優勝に向けて駒を進めることができた。
着替えを済ませ宿に戻ろうとバスに向かうと、会場のロビーで湘北のメンバーが待っていた。
「牧、頑張れよ」
「おう。お前らともう一試合、やりたかったけどな」
キャプテンの牧さんと赤木さんがお互いを讃え合う美しい光景に、胸が締め付けられた。
「おい、赤毛猿、流川」
清田がスッと前に出て、桜木くんと流川くんに話しかけた。
「お前らがあの山王に勝ったこと、ぜってー無駄にはしねぇからな」
清田の言いたいことが凄く分かった。山王戦の勝利は、桜木くんと流川くんの1年生コンビがいなければ無かったことだから。自分と同学年の2人が成し遂げた結果を、清田なりに讃えているのだろう。
「野猿…お前、俺たちがヤマオーに勝ったから悔しいんだろ?ケケケ」
「なっ…!人が折角励ましてんのに何だよ、ソレ!!やっぱ今のは撤回だ!」
「ふぅ…やれやれ」
「「あん?!何だと?!」」
「騒ぐな!バカタレ共が!そろそろ行くぞ」
赤木さんのゲンコツを受け、桜木くんは引きずられて行った。やっぱりあの勝利は、夢のようでまだ実感できないのが本音だった。
バスから見えた湘北メンバーに手を振り、私たちは宿に戻った。
『清田、同級生にあの2人がいるの楽しいね。良いライバルじゃん』
「…そうっスね。俺、頑張るっス」
私と神は、清田の予想外の言葉に目を見合わせた。いつもなら「いやいやいや。俺がナンバーワンルーキーなんですから、ライバルになんてならないっスよ」ということを言いそうなのに、今回は素直に受け入れた。やはりあの試合の2人を見て、清田なりに思うことがあるのだろう。後輩の成長に胸が熱くなった。
「名前、お母さんみたいな気持ちになってない?」
『神…せめてお姉さんって言ってよ』
「ハハハ…そっか。ゴメン。それだけ名前がチームの支えになってるってことで勘弁してよ」
神が私を褒めるだなんて、早々無いことだ。流石の神も湘北の勝利に思うことがあるのだろう。こんなにも人の心を動かすあの勝利は、やっぱり物凄いことなんだと改めて実感した。
それから私たちは勝ち進んでいき、とうとう決勝の日を迎えた。そしてあと一歩及ばず、準優勝で夏を終えた。
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